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ワンダーランド・ボーイ  作者: 櫻木サヱ
ハートの王国と危険な微笑み

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20/31

Pale eyes and a confession of feelings ♥

月夜の庭園――まだアレンの胸には、チェシャとの距離の近さが残っていた。

 でも、ふと振り返ると、そこにはホワイトが立っている。


「……アレン」

 その声は静かで、でも確かな決意が含まれていた。


「ホワイト……」

 アレンはぎこちなく一歩後ずさる。

 チェシャとの夜の余韻がまだ心に残っていて、胸がどきどきする。


「君……俺に、言いたいことがある」

 ホワイトの瞳は、いつもより少し青白く光っていて、強く、切なさも含んでいる。


「……俺は、君を――守りたい」


 言葉は短く、簡単だけど、重みがあった。

 アレンの胸がきゅんと締め付けられる。


「守りたい……?」

「そう。君が迷ったとき、危険に晒されたとき、誰よりも傍にいたい」


 アレンの心臓は高鳴る。

 チェシャの甘く揺らす瞳とはまた違う、穏やかで深い光。


「でも……チェシャのことも……」

 言いかけて、息が止まる。

 ホワイトは静かに微笑むように頷いた。


「……分かってる。だからこそ、君の心がどこにあるのか、ちゃんと知りたい」


 アレンは胸の奥が熱くなるのを感じた。

 優しさと真剣さが混ざった瞳を見つめると、自然と足が進む。


 チェシャが少し離れた場所から、影のように微笑む。

 「ふふ、いいじゃん。ボクも見守ってあげる」


 三人の距離が、ゆっくりと、でも確実に変わっていく夜。

 アレンは胸の奥で、どちらも大切で――でも、自分の気持ちをはっきりさせたいと思った。


 月明かりが庭園を銀色に照らし、静かに夜風が三人を包む。

 じれじれだけど、どこか温かい、この瞬間――


 アレンの心は、少しだけ軽くなった。

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