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プロローグ
とある街のその外れ。
妖精―――あちらさんたちの住まう森の、その近く。
年季の入った魔法使いの帽子を揺らし、黒いローブを纏う影がある。
艶やかな、癖のある白い髪。翡翠の色をした鮮やかな瞳。古びた洋館の中で、その魔法使いは微笑む。
「ようこそ、いらっしゃいませ?」
俺は、マツリ。痲草茉莉………異世界人で、呪いによって女の肉体になった元男で、そして―――色々とあって、魔法使いをやっています。
古びた頁を捲るように、人の願いを紡ぐように。出会いと別れを繰り返し、繋いでいく。
これは、人と人ならざる者達と、魔法と魔術を繋ぐ、魔法使い奇譚。
出会いと別れとを紡ぐ、俺たちの物語――興味があるのなら、ページを開いてご覧あれ。
以前書いたもののリメイクです。リメイクに伴ってストーリーの展開やキャラデザを刷新している所もいくつかあります。
後書きではリメイク前とのキャラデザ等の差異について書いて行こうかなと思いますので、どうぞ興味があればお付き合いください。