7: 帝王
カクヨムとなんも差がなかったらつまんないよね。
だからなろうでは『設定ゲロゲロコーナー』、カクヨムでは『掲示板コーナー』を作ることにしたよ。
詳しくはこちらをチェック!
https://kakuyomu.jp/works/16818622177575199116
威圧の影響で震え上がっている紛い物改めモンスター『憧憬』に、時鳥の接近を食い止める術はない。
「AGIは全てに通ずる万能ステータスだ!」
ナイフを取り出し投擲。同時に詠唱が完了した〈水水混合 氷結〉で速度を殺さないまま旋回する。
音速を優に超える凶器が直撃する憧憬だったが、流石の耐久力で持ち堪えて再度臨戦体制を取る。レベル差に舌打ちしながら距離を取る時鳥だったが、それを待ち構えていたかのように憧憬の詠唱が完了する。
「〈魔導開花・憑依〉」
急激にステータスを上昇させていく憧憬。これは海鳥が海鳥たる第二の所以である。体に魔導開花によって発生する灼熱の鎧を纏わせ、攻撃と防御の両面の性能を飛躍的に上昇させる。
然し。
時鳥にその技を見せるのは、正に悪手であった。
「〈魔法開花・炎雷混合・憑依〉」
混合魔法と魔法開花の併せ技。魔法暗殺王に起因するどす黒いオーラに、炎と雷の紅が映える。その効果は折り紙つきであった。
ドンッ!と、およそ人のぶつかり合いとは思えない音が鳴り響く。拮抗しているかに見えて、ぶつかり合いの度に憧憬の姿は益々弱々しくなっていく。
「拍子抜けだな。」
3分。
憧憬が膝をつくませには、それしか時間を要さなかった。
「あ、配信再開してる。後で詳しく説明しまーす」
《コメント欄》
『ざけんな』
『意味がわかんねえってばよ!』
『海鳥: 本物の私なら負けなかった』
『本物おって草』
『そこじゃないだろ…いやそこもだけれども』
「えー、今じゃなきゃダメ?」
雑魚は出現し続けている。想定より早くボス戦を終えてしまったので、ここから17分間耐え抜かないと次のボスは出現しない。
『死神: それ雑魚じゃないから』
『海鳥: 現行最速組の到達エリアのボス』
『またまたぁ…』
『ちなガチ』
「え?殺せんじゃん」
『お前マジで何やらかしたの?』
『猫猫隊隊長: 時鳥君、後で相談があるにゃ』
運営は大混乱である。
なお、時鳥たちはそう時間が経たないうちに気づくことになる。
〈称号: 『憧憬を乗り越えて・原初』真化〉
〈称号: 『憧憬を打ち倒して・原初』獲得〉
〈レベル99 Limited 到達〉
〈条件達成を確認しました〉
〈第二段階へ移行しました〉
〈称号: 『人類を超えし者・原初』獲得〉
〈職業: 『魔法暗殺王』真化〉
〈職業: 『魔導暗殺帝』獲得〉
世界に新たなる帝王が降り立ったことに。