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公国に到着

 ヴァルトエァベーレ公国に着いた。

 公国の都の門番に公国のエンブレムが刻印され、エクレール公女殿下と銀翼近衛騎士隊隊長ガトーさんの名が調印されている通行証というか、公城まで知らせろという書――サインらしく、先触れとして駆けていく人が居た。


 キャビンを引く為のパーツを付けた私のバイクの先導を務める兵の駆る騎馬の後をゆっくりと進める。

 よほど奇抜な魔物に慣らされているのか、異様な馬車を前にしても、後を着いてこられても騎馬は冷静というか大人しく兵に従っている。


 道幅は広い。歩道と車道が別けられている。飛び出しや速度超過、逆走が無い限り事故は起きない様にはされている。


 都は人の往来で賑わっている。今は庶民街だからだろうか。


「富裕層は此処よりは静かだが、店の佇まいは華やかだな。貴族街は店の佇まいは歴史から来る威厳に満ちて閑静な街並みだ」


 アルシェさんが声をかけてくれて、街が気になる私と運転を代わってくれた。


「初めての街だと貴女も浮き足立つのね」


「知らない街を見るのは好きだよ。所変われば食文化が違ったりするし楽しみだよ。ほら海が近いのか干物が売ってる。アレは鯵かな? 鯵なら南蛮漬けにフライにしても開きを焼いても良いよね」


 リーゼがそれは楽しみね、とクスクスと笑う。


 裕福街、貴族街を抜け城に着いた。橋が下ろされ城門が開かれてアルシェさんが馬車を進める。

 衛兵は馬車の奇抜さに度肝を抜かれた様な顔になっていたけど、もう一人に窘められて気を取り直していた。


 招待状とタグを渡し、確認をして貰い、中へと通された。

 バイクとキャビンを分離して次元収納に仕舞う。


「お待ちしておりました」


 エクレール姫のメイドさん――シフォンさんが私たちを出迎えてくれた。


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