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決勝

 復興祭最終日――


「翠緑の疾風リーゼ! 対するは期待の新人ドラゴンスレイヤー ソウジュ! ただいまより優勝決定戦を開始致します!」


 リーゼと私の名がコールされ武舞台中央に歩み出て対峙する。

 リーゼへの割れんばかりの歓声。美少女剣士で実力も十分。この人気も頷ける。

 私? 私は控えめだよ。私は町になじんでないからね。

 そんな中、試合開始がコールされる。


「ふふ。アールヴイーターを単独で斃した貴女と本気で試合ってみたかったのよ」


「私も天剣流剣士の実力者と試合ってみたかったんだ」


 リーゼが刀剣を晴眼に構える。


 私は半身となり軽く膝を曲げ、片足を前、片足を後ろにし腰を落として上半身を少し前に傾けた中腰の構え右手は引き顔の横。左手は下げて中心に来るように構える。腰を揺らすというか、それで技の起こりを悟らせない様に、というか機敏に動く為にリズムを刻む。

 

 見合ったままジリジリとした時間が過ぎていく。


 リーゼがファントムアタックを仕掛けてくる。私も負けじとカウンターを狙ってファントムアタックを仕掛ける。


 何度目かの激突、リーゼの意識が崩れた。誘いでは無い。消耗だ。見逃さず動く。

 二歩でリーゼが迎撃の構えを見せる。


 右の攻撃と見せる。リーゼは左の攻撃にも対応するべく構える。


 しかしそれはブラフ狙いは下。三歩スライディング足払い。


「天剣流戦技[荒波]」


 脚を払うという不意打ちを受けたリーゼの身体が傾ぐ。


[天照]


 リーゼの腹部に掌底が入る。  


「ぉ゛う゛っ!!」


 リーゼがお腹を押さえて崩れ落ちるその頭上に――


「これで落とす」


 脚を振り上げ――


 [落陽]


 振り下ろす――踵落とし。


 だが――


「風よ!」


 足下から風が吹き上がり、私の身体が浮く。


「破っ! ぅぐ」


 リーゼの斬り上げを籠手でガード。


「甘いっ!」


 鞘打ちから抜刀の二連撃の[羅睺]を狙ったのだろうけどダメージが身体を駆け巡っている状態では負担がかかる。その為に抜刀がスムーズにいかなかった。


 そこを手首を掴み止めた。


「……やっぱりつうようしない、か」


「研究しながら再現してるのは本当に凄いよ……」


 仕切り直し。今度は天剣流戦技ではなくただの斬撃と打撃&蹴撃。目まぐるしく、アクロバティックの攻防。


 私の蹴りを風を纏い私の頭上へと躱す。


「戦技[五月雨]」


 素早い連続打拳。

 刀ならば突き技。


 リーゼが鞘で防戦する。しかし防御が遅れ始める。


「きゃ、ああぁぁああっ!!」


 精霊力の防護膜が剥がれていく。


「ふぅ……」


 1ゲージをブレイクしたってところかな。


「……っ、今のがさっきの最適解ってわけね」


「答えの一つかな」


 リーゼが刀剣を担ぐように構える。


「それで私に挑むんだ。気づいたみたいだね」


「あの激しい攻防の中で剣星図を描いていたのね」


 9度の斬撃と9度のパリィ&拳撃。左右の無手の攻防で私の勝ち。


 最後の掌底はリーゼの一点集中防護膜をも弾け飛ばすほどのダメージになった為、リーゼは気絶している。


『決勝トーナメントを制し優勝したのは新人ソウジュ!!』


 リーゼがタンカで運ばれていく。


 観覧席は嘘だろうという空気に満ちている。

 冒険者席は本流の技を使うリーゼが負けたこと、それも無手で本流に似た技を使った私に驚いて絶句している。

 一部からは私と私に罵声が飛ぶ。リーゼに全財産かけていたのだろう。


 私は審判からマイクみたいな魔導具を奪い――


「良いよ。文句があるならかかってきなよ。デストロイしてあげるからさ」


 言って武舞台を爆砕して見せれば縮み上がって怯える。


 優勝のタグと賞金が授与され、大会は幕を閉じた。

 

後ほど加筆修正していきます。

トーナメントの試合の合間の出来事を次回から書いていきたいと思います。

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