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称号ドラゴンスレイヤーと宣戦布告

「ソウジュ。お疲れ様。早速で悪いのだけどギルマスが呼んでるわ」


 待機所に戻った私を労いの言葉で迎えてくれたのはリーゼ。

 彼女はアルシェさんとともにギルマスのもとで観戦していたという。


「さっきの魔物使いの話かな」


「ええ。詳しい話はギルマスから聞いて。早い話がソウジュに謝りたいそうよ」


 ギルマスが観戦していたのが天覧席だった。


 ギルマスが真相を話す前に私から切り出す。


「部下があの人の復讐に加担したのかな。明らかに私だけ魔物のレベルが違ったから、そうじゃないかと思ってたんだ。

 ただ、ギルマスが謝るのは、部下の監督不行届な件だけだ。

 手引きした人が謝るなら別だけど……謝られた所で減刑して欲しさだろうし……。

 命に関わるところだったし、普通に許さないし、謝罪の姿勢を見せる、意思があるなら、それは厳罰を受ける、それだけだ。それだけが私の溜飲を下げる唯一の方法だよ」


 予想外だったのは辺境伯まで居たんだ。

 それなら、と捲し立てる様に罪を重くしてもらう方向に話を向ける。


「多数の命と、たった二人の命どちらが重いかな? ギルド主催の大会、天覧試合での不祥事。けじめつけなきゃね」


 決闘か処刑かどちらの見世物になるかは領主次第。


「分かった……後は此方の問題だ。嬢ちゃんは次に備えてくれ」


「なんで予選が魔物退治なの?」


「そりゃあ、町の住民の安心感の為だな。上級冒険者が常に町に居るわけじゃねえ。不在の間でも頼りになる若手も居るってな。そんな若手を支えて貰いてぇって打算もある。中にはこの冒険者を支援しても構わねぇって防具屋だの鍛冶師だのが居るわけだ」


 ああ、所謂スポンサーって奴。


「次が対人戦なのは相手の技術の巧みさ、拙さを見極める目を養う為だな。洗練されたものは見習え、粗があるならそこを狙え、狙われたなら直せって気付きだな」


「若手育成ってこと」


「そうなるな。後は賞金だな。若手はなぁ、依頼も低いからな。何にするにしても先立つものがねぇのさ」


「もしかして【シルヴァラ】の皆も?」


「おうよ。彼奴等も優勝組だ。今、上級者は大抵が支援者付きになったり、優勝した連中だ。それと別件だがな悪い、嬢ちゃんには無差別級の試合に登録し直した」


「まぁ……別に良いけど、試合は何時?」


「其々の等級の試合が終わった最終日だな」


 私は了承を告げて天覧席から退室した。


「ゾンビドラゴンのブレスを迎撃している時、結界張ってくれたのはリーゼの契約精霊だよね」


「そうよ。でも、結界だけじゃあ駄目だったのよ。斃せる力を見せる必要があったの。あの一戦で貴女は町の住民の信頼を勝ち得たわ。ドラゴンスレイヤー。英雄の誕生だってね」


 リーゼは私の肩に手を置き、去り際に――


「勝負が楽しみね」


 ――と言って行ってしまった。


ルーキートーナメント戦。はっきり言って語るべき事が全くない。

 対魔物、対人戦どちらも中途半端な実力というか経験値――要するに実戦不足。

 人に戦い方を学ぶから魔物に対しても人と同じ対応――考え方で戦って後手に回ったり、逆に魔物と戦って戦い慣れした者は私の視線誘導や緩急やフェイントに引っ掛かる。

 身体強化も天剣流戦技も使わず、ステータス値をフルに発揮せずに勝てた。

 

 リーゼも余裕で勝ち上がって決勝トーナメントに出場が決まった。


 決勝トーナメント。


 私は相手に合わせて少し強い程度にステータス値を解放して戦った。


 私がゾンビドラゴンを斃したこと、ゴブリンを一部とはいえ軍隊を殲滅させたことを知る強者だった。


 ただ、この程度でゾンビドラゴンを? と首を傾げていたけど。


 リーゼも相手を軽くあしらって勝ち上がって、私たちは優勝決定戦で対峙した。


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