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空震ダンジョン1

 ダンジョンの中は熱帯雨林だった。


 汗もそうだけれど、纏わりついて暑苦しいサマーニットカーディガンとシャツを脱ぐ。


 キャミソールにジーンズとサイドファスナーブーツ。それが装備。


 下ろしていた髪を後ろで束ねてゴムで縛る。


 ダンジョンを観察する。

 

 敵は存在しない踏破型のダンジョン。

 その代わり――


 私は勢い良く地を蹴って駆け――


「やあああぁぁああっ!!」


 [月兎]


 身を宙へと躍らせ――


「っ!! やっ!!」


 崖を飛び、向こう側の崖との中間に在る突き出た棒を掴むと、鉄棒の大車輪の様に一回転してタイミング良く崖へと飛び移る。


 崖の上に飛び移れなかったら岩壁面へと飛び移り、ロッククライミングで崖上へと移動しなければならない。


 クラフトスキルでピッケルやスパイクを作って、崖面を渡る、しかない。


 どれを選択しても渡れれば良い。しかし、失敗すると崖底へ真っ逆さまで、死がまっている。

 こんなものは常識の範囲内だ。


 炎が噴き上がる一本橋。その下には飢えた肉食獣。

 敵と言えば敵になるが、アレもこのダンジョンの為に捕らわれたに過ぎない。


「憐れね。吼えたてて、怯えさせ、焦らせて、落ちたところを貪り喰らいたいのでしょうけど」


 煩いから共食いでもしてなさいな。


 感応力で精霊刀が弓に変わる。


 弦を引き絞る。狙いを定める。矢は私の霊力。破邪の矢――を射つ。


 ギャッとガアウッとウガアッと立て続けに呻き、絶命した。


 岩造りの一本橋。定期的に炎の柱を噴く。

 天上、側壁、奥壁を観察する。


 側面には縦に溝がある。


 ――炎が収まってタイミング良く駆け抜けた瞬間、壁面からのギロチンで真っ二つね。


 その奥は天上だ。杭かしらね? ハリネズミになってしまうわね。


 踏まなければ良い。タイミング良く跳んで回避する。ギロチンの仕掛けの縄を炎の柱で焼き落とす


 背後から風が吹いている。


 私は笑みを浮かべる。


 念のため入口脇まで戻り、側面から矢を放つことで窓のようになっている、いや実際窓なのだろう。

 巨大な窓。

 岩にカモフラージュさせた様な木の窓。その封じの縄を射つ。


 風が吹き入り、炎の柱が揺れる。

 一本橋の一部の罠起動足場を破邪の矢で射ち、起動させる。


 振り子のギロチンの刃を結ぶ縄が焼き切れて、刃が壁面に当たり轟音を立てながら落ちる。


 橋を半ばまで渡ると、背後から吹く風も弱まる。


 今度は床に溝が掘られている。


 何の模様かは分からない。しかし右手に石造りのドラゴンのオブジェ。左には仕掛けが在る。

 

 床を観察する。


「此れは油のニオイね」


 溝に油を流し、正しく流れれば奥に在る扉が開く仕組みだ。


「床が動かせるのね。その仕掛けは左の装置。右のドラゴンの口、ね。あからさまね」


 アレで油に火を着けて正しき道を照らせということだろう。


 左の装置は床を動かし、流れる油の量を調整するものだろう。

 

 溝と溝が流れを止める蓋になっている。


 装置まで来た私は溝を正しい位置に直していく。すると装置下から油が流れ出ていく。

 急いでドラゴンのオブジェへ。頭を叩くと口から火を吐いた。

 油に引火して紋様の中心に立つ女神像が燃え焼け落ちる。


「フォルトゥーナか……」


 アーティたちが星の創生神話の星霊ならばフォルトゥーナは人々の願いが生み出した人の為の女神。

 対する魔王が禍ツ者たちに選ばれた存在。アジュマンユ。奴は仕留めた。


 では新たに生まれた魔王がこの様な計画を立てたのか?


 魔王を生み出せるのはゼノフロース。魔神だけだ。

 

「魔神ゼノフロースにとどめを刺す瞬間、奴は自ら闇に消えた……」


 ――傷が癒えたみたいね……。


 あちらの世界がどの様な運命を辿ったのかは分からない。けれど――

 

 ――終末獣神機アポカリプス・エクス・マキナの封じは破ってはならないわよ。呼び起こしてしまえば世界を破壊し尽くすまで止まらないわよ。


 細い細い一本道。

 踏み外せば真下の闇へと真っ逆さまの道を走る走る走る。何せ後ろは崩れていくのだから走るしかない。


 飛ぶ。棒に捕まる。飛ぶ。着地。直ぐ様走る。を繰り返す。


 跳び壁面を蹴り跳び、高さのある道へと至り、走る。梯子があるが使わずに跳びつくように駆け上がる。


 開けた場所に出たが直ぐに崖となる。

 後ろも坑道は崩れ去った。


 絶景ではある。


 崖に飛び出るように伸びる木々。その枝に2本のロープに短い棒が付いている。


 空中に吊り下げられた棒。エアリアル・トラピス。空中ブランコだ。


 所々に雲梯の様に縄が緩く張られている。


 それしか行く手に無い。


 雲梯を利用しながら空中ブランコで飛び移れと言うわけね。


 やはり敵はいないけど住み着いた動物は居る、と。

 先住動物の巣を脅かす敵は私というわけね。


 ――あなた達にも守りたいものが在るのでしょうけれど、私にも譲れない守りたい者が在るのよ。


 最初のバーに捕まる。次は雲梯。バー。雲梯雲梯バー、バーに飛び移り、途中途中で逆さ吊りになって鷹よりも大きな鷹の姿に似た魔鳥を弓矢で射殺す。


 そうして無事にエアリアル エリアは終わった。

 

真弓美が敵がいない、と言っているのは対人間用のゴブリンやオーク、オーガなど人型と呼ばれる存在のこと。

動植物系の魔物は存在しています。




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