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 アルシェさんとエクレール様は今後の予定を話し合っている。


 私と言えば――


「……ないなぁ。スジ肉は捨てるからかなぁ。スパイスはやたらとあるんだよね。私も色々買いだめしてたから解る。飽きたら使わなくなる」


 旨辛唐揚げを作るためにハバネロパウダー、チリペッパー、パプリカパウダーだの買ったりした。

 けど麻婆豆腐の素を絡めれば良いかってなったよね。


 私は必要な材料を取り出し、確認する。


 この土地の牛って農耕用? 荷運び用?


 先輩冒険者もとい探索者のリーゼを探そう。


 修行場に行くと起動を止められた剣客ちゃんが片付けられていて無人だった。


 【探索】でリーゼの場所を特定する。


「リーゼ居る〜」


 庭に在る檜風呂の様なもの。二人なのに拾い。


 ザバッとお湯の中から姿を現し、濡れた髪を掻き上げるリーゼ。

 傾き始めた陽光に照らされた濡れた髪とスレンダーな肢体が艶めかしく煌めく。

 私に気付いたリーゼが流し目で私を見る。

 

「ソウジュ。帰って来たのね。お客様を連れてきたみたいだけれど……」


「隣国の公女殿下とメイドさんと護衛騎士さん。途中で襲われてたのを助けたんだ。後、アルシェさんに用があるって」


「そう。……なるほど遺跡ダンジョン調査、ね」


 リーゼが一瞬宙を見上げた。そこに翡翠の精霊がいたのだろう。そして、わけを聞いたのだ。


「ソウジュも入ったら」


「そうさせて貰おうかな」


 アクセサリーの類いはアイテムボックスへ。


 寸鉄帯びず、お風呂へ入る。あっちゃんと身体を洗ったよ。でも寸鉄帯びずって、基本ステゴロの私には意味をなさないんだよね。

 リーゼだって同じだ。

 でも敵対している訳でも親の仇でもない。

 だからギスギスとはならないし、緊張感もない。


「……」


「えー……っと、リーゼ?」


「ご、ごめんなさい」


「驚くよね。私は身長が欲しかったんだけど、ね」


 弄られたりしなければ良い。


「誤解しないで。綺麗だと思ったのよ」


「そっか……そっか」


 旅行は好きだ。だけど温泉は嫌いだった。いや、温泉は好きなんだけど、ね。他人と入るのが、ね。


 そんなことより。


「リーゼはさ牛すじって食べたことある?」


「牛すじってあの硬いのよね。私は食べないわね。あれ、男の冒険者が口寂しさを紛らわせたりするのに噛んでるものよ」


「じっくり時間をかければ味も染み込んで柔らかくプルプルに美味しくなるのに。美肌や健康維持にもなるのに」


 食事をして肌ダメージのリジェネ効果付くなんて女性冒険者に売ればボロ儲けじゃない?


「意味無いわよ。永続じゃないでしょ? 移動中に効果が切れるわよ」


 そうだった。道中に料理時間の余裕無いよね……。


「帰還してからも駄目ね。ポーションには時間制限があるもの」


 ……それは、そうかも。


「でも、美味しい牛肉食べたい」


「……仕方がないわね。良いわ、教えて上げる。私個人が知る中で、一番美味しい食材になったのはビフベェコ牛よ」


 ビフはビーフかな? ベコは方言で牛だよね。牛肉(食用)牛の牛ってことだね。

 

「きめ細やかな赤身。脂肪が鮮やかな赤身の肉に交雑して、舌の上でとろける食感と上品な甘みと香りが特長の希少食材よ」


「中々見つけられない?」


「そうね。私も一度だけしか食す機会がなかったもの。でも、どうして?」


 必要なのっとリーゼが聞いてくる。


「帰り方が今のところ無いから、食べたくなったのかも」


 探索に出たら食べれなくなるからねと、私は苦笑する。


 因みにビフベェコはビフォベコールという闘牛狂戦士が七日七晩戦って打倒して手懐けて飼い慣らして、品種改良していった種よ」


 ビフォベコールの子孫が何処かに居るという。

 我が一族を見つけ出せ! 見つけ出した者に俺が次代に繋ぐ究極のビフベェコの肉を売ってやる、と言い遺し、子孫もそれを守っているという。




 



 

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