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 反応が在る場所が迫る。

 遠目にも馬車を守る近衛騎士といかにも暗殺集団だと言わんばかりの黒いフード付きのロングコート。

 

 一瞬姿が見えなくなった者がいた。


「姿が見えなくなるコートか……」


 助けるのは吝かでは無いんだけれどね。


 ――助けてとも聞こえないし、助けていいものかどうか分からない。けど――


 見過ごすのも寝覚めが悪い。


「暗殺集団だし、殺って良いのは殺られる覚悟がある者だけだし、ほら身体強化も攻撃スキルも使ってる」


 だったらたかがバイクで撥ねられたり、轢かれたりしても死なないよね。

 死んでも転生するから大丈夫、大丈夫。


 [天剣流 騎馬戦技 日蝕]


「あ? がぺっ!?」


 バイクが陽光を遮り、前輪が暗殺集団の一人を轢き潰す。


 [天剣流 星環 めぐり


 連続アクセルターン。スピン(ターン)位置ををわざとずらして行く。


「「「「ぐあぁぁっ!!!!」」」」「「「「ぎぃぃやぁああっ」」」」


 アクセルターン。車体の後部で敵を撥ね飛ばしていく。


「な、何だ貴様はっ!! 我らの邪魔立てをする気かっ!!」


「瑞兆を千羽束ね福と成し、沙羅双樹の花の色盛者必衰の理を表し、悪を破滅させる。それが私、千羽 双樹」


 私は口上を述べ名乗る。


「何をわけの解らねえ事をごちゃごちゃ言ってやがる!!」


「名乗ったのにキレられた……民度が低いね。名乗り返ずっていう礼儀も常識も知らないなんて。ああ、だから暗殺集団なんて人間の屑の集まり何だ。ゴメンね。マナーなんて難しいこと言って」


「ガキ……貴様、死んだぞ」


 フッと暗殺集団数名がが消える。


 馬鹿だなぁ、来ると分かってるのに消える意味ある?


「バーリア」


 電磁波の網? 檻が私を守る。


 飛び掛かってきた暗殺者たちが「あびゃびゃっ!!」とか「あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!!」と絶叫し、感電している。


 レアな焼き加減ってところかな。


「暗殺は失敗なんじゃない? 暗殺に時間かけ過ぎでしょ。本当に腕利きの集まり? 間抜け過ぎ」


「貴様言わせておけば頭に乗りおって!! 口は災いの元ぞ!! 死んで後悔するがあああっ!!」


「ゴメンね。話長過ぎて隙だらけだったからさ」


 バイクで普通に撥ね飛ばした。


「逃さないよ」


 杖の持ち手――“J”の部分を遁走を図る暗殺者の股に潜らせ――


「はぎゃおおぉぉん!!!?」


 暗殺者の股間に引っ掛ける。


「…………お、ぉぉおおぅっ」


 股間を押さえて頭から崩れ落ち、のたうち回る。


「潰れた? 折れた? ねぇ、今、どんな気持ち」


 泣いちゃってるよ。


 ……。


「ソウジュ殿、助勢、助かりました。礼を言います。我々はヴァルトエァベーレ公国の銀翼近衛騎士隊。私は近衛騎士隊長ガトーと申す」


 特使として魔導大国に訪れたエクレール姫と騎士隊。

 しかし紫闇の森――国境を越えた辺りで暗殺集団に襲撃されて逃げに逃げたけれど馬が殺られ、馬車が止まった。


 一頭が殺られ、もう一頭が怯えたのだ。暴れる馬を殺めて止めるしかなかった。


 囲まれて応戦。そこへ私が乱入した。


「しかし……その……騎馬は魔導具ですかな?」


「はい。魔導具です」


「ソウジュ殿は魔導具師ですかな? それとも冒険者……」


「冒険者登録はしてますね。私は探索者です。魔導具は探索に必要な物だけを作っております」


 ほう、と感心したのか隊長さんは納得する。


「何を探索しておるのですかな?」


「私は新入りの助手なのですが、先生とともに失われた世界の歴史を研究しているのです」


 カチャリ――


「エクレール姫様!」


 女性の静止を呼びかける声。


「それは勇者センヴァーリア様の歴史ですか? それともセンヴァーリア様が異世界より召喚された理由? それともセンヴァーリア様亡後、天界が地上に落ちたと言われている真実ですか?」


 エクレールと名を呼ばれた少女は一息で喋りきった。


「姫様! はしたないですよ」


 絶世の美少女というか傾国の美少女というか……。


「あ、失礼。私、エクレール・アルストロメリア。ヴァルトエァベーレ公国第一王女です」


「お初にお目にかかります。私、ソウジュ・センバと申します」


 カーテシーで敬意を示す。


「先程のご質問ですが全ての探索、解明が目的です」


「まあ! では貴女の先生は紫闇の森の魔女、アルシェ様なのですね!!」


 私がはい、と答えるとエクレール様は目を輝かせた。

 エクレール様の目的はアルシェさんに会う為に隣国に入国許可まで貰ってまで旅して来たと言う。


 近衛騎士が疲弊して負傷者も居るし、馬なんて泡吹いてるのも居るし……。


「紫闇の森に入っても魔物に襲われてしまいますよ? 暗殺集団に苦戦するようでは、生きて会うことは出来ません」


 近衛騎士がいきり立つが事実だ。


「私は試運転も終わって帰るので、エクレール様後ろに乗りますか? 安全に確実にアルシェさんの下に送り届けますよ」


 私が護衛出来るのは隊長さんとメイドさんだけだ。

 そう伝えると、隊長さんとメイドさんはお願いしますと言ってきた。

 隊長さんがメイドさんと一緒に馬に乗る。

 メイドさんはシフォンと名乗った。


 隊長さんが馬に錠剤を飲ませると、馬が活力を取り戻した。


 私は隊長さんの騎馬が駆ける速さに合わせて走行する。


 あ、因みにゴーグルしてます。姫様にも渡して装着してもらっている。

 ヘルメット? 魔法があるよ。魔法のエアクッションが。

リアクション、☆、ブクマで応援いただけるととっても励みになります。

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