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私のバイクを見たアルシェさんが、「ほう、生きた馬よりは移動に向いていて良いな。だが、長距離移動には向いていない。雨天、暴風時にはむかないな」
そう、馬車なら雨に濡れない。
「じゃあ、キャンピングカーでも作ります? 遺跡調査、探索時に拠点にもなりますし、いちいちテントを張らなくて良い。いや、場所によっては入れないか」
「ほう、キャンピングカーか。それはどのような物だ?」
口を滑らせた。ペラペラと語り、アルシェさんは素材を集め、今はキャンピングカーの製作中だ。
リーゼはバイク騎乗での攻撃を考えていて、私はアイデアを出した。
アルシェさんの作ってるのは輸送車トレーラー。その上に寝床を作っていると。なるほど。
なんにせよ、集中している二人の邪魔はしてはいけない。
私は私で感応力アップだ。
私が行ってきた物作りを、行うだけ。
今まで繰り返して来た事だ。
髪飾り、ペンダントヘッド、ブローチ、指輪、イヤーカフ。
イメージが鮮明で強固であればあるほど、思い通りの物が作れる。
どんなに理想的なイメージが頭にあっても技術が無ければ、理想には到底及ばない。
もっと腕を磨く、と自分に誓い、現状で出来得る限り良品に仕上げていく。ちょっとしたジレンマがあったけど……。
「イメージ通りに出来てる……感応素材凄い。でも、どうしようか。楽しくて作り過ぎた」
しかも、ちょっと流出したら深刻な事態になりそうな効果付きだ。
「……」
私は輸送車を楽しそうに作っているアルシェさんを見る。
アレはアレで厄介なことになりそうではあるんだけど、所詮は馬車の進化型だ。
でも――
「此れ等は……うん、アルシェさんに丸投げしよう。きっと何とかしてくれるはずだ……」
【紫陽花の簪】
悪徳特攻
悪徳商人、貴族、王族が暗殺対象ならば必殺即死させることが出来る。
復讐、報復心が強ければ強いほど効果が上がる。
中には身体が千切れても復活すると言うアクセサリーもある。
取り敢えずは収納しよう。
アイテムボックス――格好良いイメージならば某王様のアレだ。
――さーてと、君はどの程度の強度かな。
「アルシェさん。私、試運転に行ってくる」
アルシェさんは了解と言って手を上げる。
――ソウジュ センバ。ライオンハート ブランシェ征くよ!!
中型犬ほどのカエデレ・カルキブス レプス――蹴撃野ウサギだ。
可変フロントフォークが可動し左右から中央に寄る。
フロントフェンダーが下り、タイヤを守る。
「行くよ。バトルライドモード」
フロント装甲で撥ね飛ばす。
真後ろから飛び蹴りをしてくるカエデレ・カルキブス レプスを旋回ウイリーで撥ねる。
フロントタイヤを地に着ける時、飛び上がろうとするカエデレ・カルキブス レプスを轢き潰す。
殺れて人間の大きさまでだ。
使用した素材が素材なだけにそれ以上でも倒せそうではあるけどね。
私としては走行の邪魔になる、ちょっとした障害物を撥ね除けて斃せれば良い。
街道から離れた場所にバイクを停める。
空を見上げると青空に白い雲が流れていく。
風になれたら、雲に乗れたら遠くの国に行けるのに、と考えていた。
何故か、漠然と異国に郷愁というか、憧れがあった。
――自分のルーツ、それが異世界だなんて思わないよね。
この世界では歴史が消えるほどの昔の話だ。
――もう、亡くなってるし、知らない人だしね。
探知のエリアに何者かが入って来た。
追われてる? 探知エリアに入って来た何者かを追って集団がエリアに入った。
征くよ!!
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