八百万の神
私は佐藤浩二、25歳のサラリーマンだ。
東京の郊外にある工場に営業で向かっている途中で、足元に魔法陣が現れ、光り輝く。
見渡す限り、人は見えない中で、目が眩むほどの輝きになった。
気がつくと目の前には美女が立っていて、話しかけてくる。
「私は天照大神ですが、貴方は今から異世界に転移して、勇者として魔王と戦うことになります」
「え、本当に異世界転移」
毎日、小説家になろうを見ている私は興味を引かれた。
そして残酷な一言を告げられる。
「与える能力の代わりに一つだけ望みを叶えます」
能力一つでは異世界を掬うには力不足だが、ある一言を思いつく。
「神様全員から能力を授かりたいです」
「分かりました、今から叶えます」
そして私は聞いたことのある神から、聞き覚えのない神まで、数えきれないほどの神から能力をさずかった。
有名な神は強力な能力を授けてくれた。
聞いたことのない神は、感動しながら便利な能力を授けてくれた。
呆れたのは北欧神話やイギリスのアーサー王の伝説、更に古代メソポタミア神話まで日本では神の一柱に成っていた。
流石は日本、サブカルチャーで存在した者まで神になっているとは驚きだ。
感覚的には1年以上かけて、神から能力を授かった。
そして異世界へ転移した。
すると目の前にはオークやオーガの大群がいて、遠目にはドラゴンの群れも見えた。
ここは神様から授けられた聖剣の出番だ。
聖剣を右から左に振り切った。
すると光の斬撃が通り過ぎ全ての魔物が消滅した。
その結果、アイテムボックスには大量のドロップアイテムがあり、私は長時間のレベルアップに見舞われた。
レベルアップが終わるとレベルは1000を超えていた。
そして目の前には平原しか見えなかった。
アイテムボックスの機能である売却でドロップアイテムの内、不要そうな物を売却して金塊に変える。
無名の神様のくれた能力は細かい所に目が届いている。
その頃には新たに魔族の団体が見えた。
後方には魔王らしき者も見える。
此処はギルガメッシュから授かった乖離剣のエアを使った。
空間を切り裂くエアの前に魔族の大群は儚くも消滅したが魔王らしき存在が残っている。
止めにグングニルを使い魔王に止めを刺した。
すると転移して召喚される前の位置に立っていた。
試しにドロップアイテムを売却して見ると金塊に交換できた。
そこは無名でも神の一柱だ。
記憶を何とか捻り出して営業に向かう。
破天荒な肉体レベルと大量なポーション、そして大量の金塊。
私は明日からどんな生活をするべきか問題だ。
日本の八百万の神なら外国の神話や伝承の存在も神として取り込んでしまいそうと言う話です。
著作権的に大丈夫かな。