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第三話 何処にでもいる、取り換えの利く探偵(Ⅴ)

予約投稿なので、わかりませんがきっと昨日は幸福な一日だったのでしょう、僕が好きな漫画も取り寄せて、漸く読む事が出来ていると思います、まじで1から10巻まで並んで置いているのに、5巻だけシリーズ違う方の5巻だったのが本当に悔しいです。

それとこれはキャラ設定を語る場で語ろうと思っていたんですが、めんどくさいので今語っちゃいます。

明智、マリー、サチアこの3名は別にレズビアンではありません。

全員どちらかと言えばバイと言った方が良いかもしれません。

明智は男性に抱かれるなら、自分で可愛い女性を抱きたいと考えているだけです。男性だろうが女性であろうがスケベ魔人に変わりありません。

こちらではちょっとネタバレになってしまいますが、マリーはこの世で一番カッコいい王子様が偶々女性だっただけで、王子様が男性だったのであれば男性に心酔しています。

サチアも若干ネタバレですが、明智に性の手ほどきを受けた結果、明智やマリーと関係を持っているだけです、それとサチアの場合は一目惚れした対象が偶々女性だっただけです。普通にその一目惚れした人よりもいい人が居て、それが男性であれば男性に恋をします。結果だけ言うと大体明智の所為って事です。

 サチア達の家に宿泊してからちょうど1週間がたち指定された座標に向かう日がやってくる。態々日にちまで指定したという事はなんらかの罠や、手間暇をかけたのだろう、その前に侵入すればよかったと言われるかもしれないが、この1週間その場所に行ってもただのゴミの山しかないのだから行きようがない、そして今日指定された日時、私とサチアとマリーで教授が待っているであろう場所に赴く、恐らくゴミ山しかなかった場所は更地となり、なんらかの出入口がある事を推理して私達は敵の住処に赴く。

「キャップとミライは私達の援護と、もしもの時の救援としてゴミだめ支部に待機して貰っているけれど、本当によかったの?」

「あぁ、語ってしまうならば、君達も来る必要はなかったんだがね」

 そんな事は絶対にさせないと言わんばかりにマリーは、明智の腕にしがみ付いた。

「絶対に、明智さん一人を危険な目にはあわせませんぅ」マリーの腕力は単純計算で私の二倍以上、骨が軋み始める前になんとか目的地に辿り着かなくてはならないという、別の問題も発生しているが、まぁさしたる問題ではない。

「私の推理だと、教授は私に愛の告白をすると読んでいるんだが…はてさて」

「なんで教授?それよりも愛の告白って…、敵を口説いたのかしら?しかも相手はアベンジャーズの一員でしょう?良くて終身刑、普通は極刑、首でも貰うのかしら?」

 サチアは疑問も最もだ、しかし教授がアベンジャーズの一員と確定した訳ではないのだが…まぁ確定している様なモノだ。

「教授というのは…まぁミライにでも聞いてくれ、愛の告白と言うか私という存在への憧憬、あるいは私そのものの崇拝、もしくは私への憎悪を直接言いたいんだろうサ」

「どんな告白よ、はっきりと教えてくれないと私には理解できないわ」ムスっとした顔でサチアはこちらを見る、推理モノというのは見ている観客を焦らすことこそが主題だとも思うのだが、私は別に推理小説の様な探偵ではないしどうでもいいことだった。

「教授が私に抱く感情は、きっと私というイレギュラーへの憧れと執着、それと自ら存在を秘匿する事を選んだ私という人間の解釈違い、つまりはファンなんだよ教授は」

「はいはーい、マリーはぁ、明智さんのファン一号でぇーす」

 マリーは呑気にその場で跳ねて私こそが、明智という人間を一番愛しているとアピールしようとするべく、更に腕を抱く力を強める。ファン一号という自称も間違ってはいない。

「明智の腕が限界という事も理解もしないで、ご立派なファンシー脳筋なファン一号ね」

「んんー?なにか小うるさい蠅さんの声がしまぁーす、蠅が明智さんに近づかないでくーださい☆」マリーは左手に持っていたプリンセスソードを、思い切り前を歩くサチアに向って叩き下ろす。その衝撃からゴミが宙を舞う、マリーに殴られたくはないなぁー…。

「本当の事言われたらすぐに、手を出す癖やめたら?いつかアナタの王子様が愛想をつかすわよ?」すぐ手を出すマリーもマリーだが、すぐ煽るサチアもサチアだ。

「そんな事で私は嫌いにならないよ、それよりも時間は有限なんだ、ほら急いだ急いだ」

 そそくさと彼女らの喧嘩に巻き込まれないように、指定された座標へと明智は歩みを進める、そもそも私は人並以上の身体能力を持ってはいるが、結局は人として図れる範囲だ、彼女らの様に人並外れた身体能力を持っている訳ではない、私は5課の中では一番先に死ぬのだろう、どこまでいこうが私は人なのだから当たり前だ。超人的な能力を有している人間が多い会社の中で私は、超人的な脳を持っているだけに過ぎない。

 ギャースカと後ろで騒ぎながらも、後ろに付いてきている事を確認し、漸く指定された座標へと、明智達は到着した。当初の睨み通りつい昨日まではゴミの山だったはずの場所が更地になっている、まるでそこにゴミの山など無かったというかの様に、そしてご丁寧に下へ続くであろうハッチを見つけ、明智は床ハッチの戸を思い切り上に開いた。

「開けたら槍の一つや二つが飛んでくる事は覚悟していたんだけれど、そう言った仕掛けは無しか」明智は安堵すべきなのか、落胆すべきなのかよくわからない感情に襲われた。

 ハッチの奥と言っても地下十数mと言った所か、何故こんな国が見捨てた、行き場を失った者達が辿り着く終着点である筈のこの場所に、このような空間が用意されているのかは、まぁ予想がついた、これほど人材の確保が楽な場所は無い。けれどもこの地下の外壁から言って割と最近作られた事は間違いないだろう。何故教授はこの場に私を誘き出したのか、その理由が未だにわからない以上は、馬鹿正直に進むのが一番手っ取り早い。

「サチア、マリー、君達夜目は利くんだったかい?」明智は、夜目は全くと言っていい程利かない、これもまた私が世紀の天才ではあるが、完全無欠ではない証拠だろう。

「私はそこまで利かないけれど、まぁ耳は良いから問題はないわ」

「マリーはぁ、バッチリ見えまぁーす」二人は流石だぁ。

「それは何より、暗視ゴーグルは人数分持ってきたが要らなそうだね」

 明智は何処からともなく取り出した暗視ゴーグルを二つゴミ山の方へと投げ捨てる、悪いとは思っているけれど、まぁ誰かの役に立つ事を祈りここは、ポイ捨てを許してほしい、誰に祈る訳でもないが、暗視ゴーグルの更なる活躍を祈って私は空へと手を合わせた。

「何してるの?行かないのかしら?」サチアはとっとと仕事を終わらせたいのか、私を急かす、マリーは先程までの喧嘩熱は何処へ行ったのか、私の後ろで行儀よく待っている、人を愛すのは自由だけれども、何故私はこうも対照的な二人を愛しているのか、自分でもよくわかっていない、まぁそれはいつか考えるとして、教授の妾にする方法でも模索する。

 ハッチの奥に続く階段を降りて行った先には、大きい部屋が一つ、そして後ろに今まさに下ってきた階段と、明らかに二手に分ける為の扉が二つ、そして謎解きをして欲しそうに佇む一枚の紙がそこにはあった。

 明智は書見台にのった一枚の紙を左手で取り、その内容を見る。謎解きならばサチア達に任せて私は、物見を決め込むつもりだったが、どうやら教授に遊ぶつもりは無く、ただ私への告白をする気しかないらしい。

「マリーとサチアはそっち、私はこっちらしいよ」

「どういう事ですかぁ?」不思議そうな顔でこちらを眺めるマリーは可愛い。

「どうもこうもそういう指示が出されたのさ、ご丁寧に名指しで特異点様御用達ってね」マリーに指示が書かれた紙を折りたたみ紙飛行機にして、彼女の手元まで飛ばす。

「『右手にて特異点様をお待ちしております、それ以外の雑輩の皆さまに置かれましては、左手進んでいただきたく存じます』…んもぉー、マリーは怒りました!マリーから王子様を奪おうなんてぇ、許しません!」そう言うと同時に片手で持っていた、プリンセスソードを両手で構え、二つの道を一つにするがべく壁を両断しようとした、その瞬間だった。

『指示に従わないのなら、君の王子様は生きて返さないがいいかな?』

 マリーは寸での所で剣先を止めた、マリー自身の命が相手に握られるのは構わないだろうが、私の命が相手に握られるとなると話は別だ。マリーの勝手で私の命を賭ける事はマリーにはできない。教授は私が一人で来ようとして、二人が付いてくるというのも読んでいたという事だろう。完全に相手に嵌められた状態、それをサチアは分かっているのか、彼女は左手の扉の前に立っている。

「それじゃあ、私達が生きれるような仕掛けならまた会いましょう、そうじゃないのならさようならね」死ぬかもしれないというのに、彼女は明智に笑いかける。

 明智もその心意気を理解している、だからこそ私は彼女達にこの言葉を送ろう、決して彼女が生を諦めないように。

「それじゃあまた後で、今夜は一緒に三人で寝ようか」

「えぇー、マリーはぁ、二人っきりがぁ」

「はいはい、行くわよー」駄々を捏ねるマリーとそれを静止するサチアまるで姉妹だ。

 マリーの首根っこを掴み、そそくさと左手の扉に入る。果たして私達を生かして返す気が教授にはあるのか、それともここで全滅させアベンジャーズの勝利を決定づけるのか、まぁ前者である事を考えなければ、やってられない。明智はそう考えながら右手の扉を開いた。開けた先にあったのは、更なる扉とその扉の前にある3冊の資料の様なもの、現代に置いて電子化されていない紙の資料とはかなり珍しいと思いながらも、歩みを進める。

『そこにあるのは、この世界の闇です、それを見ても尚、貴方はこの世界の味方をしますか?それを私に教えてください』どこかに設置されているであろうスピーカーから声が聞こえる、前のホテルでも聞いた教授の声だ。

「そんなもの聞きたいのなら、メールで送ればいいものをなんでこんな回りくどい方法を…」その言葉を言い終える前にその理由は、凡そ察する事はできた。これはネット回線に流せる訳がない、一瞬でもデータのやり取りをしようとした瞬間、国が総力を挙げて、その存在を抹消させようと躍起にもなるだろう、だからこその紙の資料という訳だ。

『ご理解いただけましたか?』

「あぁ理解したよ、君は私がこれを読み終わるまで、大人しくしてくれるという認識でいいのかな?」教授に確認を取る、その代わりゆっくりしているとマリー達がという事か。

『えぇ、どうぞごゆっくり一読ください、お連れの方々がどうなるかの保証はしませんが』

 やっぱり、こちらの部屋はゆっくり出来ていると言え、向こうがどうなっているのかはわからない、けれど無線も繋がらない現状、十中八九彼女達の身に危険が迫っているという想像するのは難くない。ここは徹底した電波暗室にでもなっているのだろう、ここが何かの拍子にでも見つかってしまっては困る様な隔離施設であるなら、人材確保以外にも、この場所に態々作ったというのも、理にはかなっている。

「まぁいい、マリー達は上手くやるだろう、ならば私は私がやるべき事をやるだけさ」

 明智は置かれている3冊の内の1冊を手に取る、タイトルは無し、この資料に何かの細工をされている様子もない、資料を手に取った事による罠などもなし、本当に教授は私にこの資料を見せる為だけに、このような回りくどいことをしたのかと、明智は不自然に思う、私の26人の得意先を殺害する必要もない。私の気を惹きたいのならば他の方法は幾らでもあった筈だろうに、例えば恋文とか…。それだけ私が世界に出ない事が彼女にとって許せないのか、しかしそれを問うのは教授と相対した時でいいだろう。

 資料の1ページ目を明智は捲る、どんなものが目の前に現れたとしても、私は驚く気はなかった。こんな見るも怪しい場所から出てくる情報なんてものは、たかが知れている、ヒト化クローンの研究?それとも新種のバイオテロか、ウイルスか、まぁ世界が不気味に平和を保っている以上、国がそういう事に手を染めていても別に驚きはしない、仮に出てきた物がアンドロイドやサイボーグの研究だろうと似たような物をこの目で既に見た、けれどこの場所がやっていた事は私の想像を下回る、オカルトチックな妄執そのものだった。

 目に入るのは、実験記録とその経過、それだけが記された資料。名前は黒く塗りつぶされ、写真も誰かわからないよう目を黒線で隠されている、ならば最初からこのような余計な情報を書かなければいいのにと思いながらも、実験記録を読み進める。実験は失敗、被験者は死亡、死亡、死亡、死亡、死亡、死亡、死亡と延々と人の命をただ踏みにじる行為の数々。資源の無駄とは彼らの実験に対し使うのだろう、これだけの失敗を繰り返しても、何か別の方法を試すのではなく、あくまで我々の思想は正しいと信じ込み、今の所は変える事はせず成功を祈る馬鹿そのもの。しかし馬鹿にしていたのも束の間、ある時から死亡の記述が一段落遅れる、第一段階特異性の付与に成功、その後死亡。これがまた延々と続く、なるほどこの記録に示していないだけで、彼らなりにも試行錯誤はしていたという事か、それにしても特異性とは、どういう事なのか。私の様な天才を量産する計画を立てていたのかと思っていたが、そこまでの頭が回る連中ではなく、ドラッグを決め込んでしまったかの様な妄執の実現を夢見る危篤な人間達という事を忘れていた。

 ある程度で済ませていいかはわからないが、まぁある程度の人間を材料として第一段階の安定に彼らは成功した、そこで漸く特異性の意味が記載される、曰く人間の一部機能を更に拡張し、優れた人類を新たに造る計画らしい、似たような物を私は知っているが、そちらの方がもう少し簡単に優れた人間は造れていた、成功数は五分でもコスパが悪過ぎる。

 これは個人的な疑問だが、何故自らが優れた新人類になろうとしないのか、それが解らないもし成功した人間に反旗を翻されるのがオチだと思うが、よほど被検体に良い暮らしをさせたのかその予兆は無さそうだった。そして明智は実験記録の2冊目に目を通す。

 そこに書かれていたのはやはり、夥しい数の屍の数々の記録第一段階を上手くクリアしても長生きはできないらしい、そして長生きできそうなモノは第二段階とやらに移されこの第二段階で殆どが即死、即死とまでは言わずとも長く見て3日以内の死亡。第二段階は特殊性の付与、言ってしまえば超能力の様なものを彼らは人間に持たせようとしたらしい、特異性の付与では人間の機能の一部を拡張する事しかできない事を悟り、人間の機能外の力を得ようとした訳か、特異性の付与が成功した例の死亡例を見てみると、確かに人間の機能の向上と言っても別に何一つ違和感は無い、骨の異常生成、体内温度の変化、筋肉の異常隆起、脳の覚醒、感度の上昇エトセトラ、エトセトラ。とバラバラな特異性を身に着けたと思ったら、骨が全身から皮膚や筋肉を突き破り死亡、体温もそれに耐えられる体があるのならば別だが、耐えられないなら臓器が障害を起こし死に至るだけ、筋肉も筋肉で自分を絞め殺し、脳は入ってくる情報に耐え切れず発狂、感度が上昇した所で肌が感じる事ができるようになったとして、空気に触れるだけで極限までの激痛を味わうのでは意味はない、馬鹿が生んだ妄執によって死んでいった人間が千に到達した時2冊目は終わりを告げる、けれどその馬鹿でも悪魔の証明を成功させたとあれば世界でも指折りの研究者だ。教授はこれを私に読ませて世界の憎しみを抱かせる気でもあるのだろうか?まさか、そこまで馬鹿ではないだろう、ここまでは茶番、何が言いたいかは3冊目にあると明智は睨む。


ここまで読んで頂きありがとうございました。

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