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第1話
「たっくん、聞いて聞いて!」
トイレから戻ってきた真里が、目を輝かせている。
「そこの茂みの奥でね、真っ黒な子供たちを見かけたの! 男の子と女の子の二人組! あれって何かな? もしかしてオバケ?」
もう夏も終わるという頃の出来事だった。
普通ならば帰省するのはお盆だろうが、今年は少し遅らせて、こんな時期になっていた。しかも俺一人でなく、恋人の真里も一緒だった。
そろそろ両親に恋人を紹介してもいいんじゃないか、と思い始めたこと。たまたま二人とも休みが取れたこと。この時期、ちょうど俺の田舎では夏祭りが行われていること。
いくつかの理由が重なって、三泊四日のドライブ旅行になっていた。今日は二日目の夜であり、俺の実家から歩いて十数分の神社まで、二人で来ていたのだ。
境内を回りながら、童心に帰って屋台で遊ぶ。それから、見晴らしの良い裏山で村を一望。今夜は花火が上がっているので、それも楽しんでいた。
花火見物の最中、尿意を催した彼女が少し中座して……。
戻ってきたら、先ほどのセリフを口にしたのだ。