表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神の守人  作者: 蘇 陶華
45/47

蓮を自分の思うままに。

天の国に住む物達をおさめrのは、三那月の役目。その為には、手段を選ばない。神を乗せし者。迦桜羅を自分の守護神にして置くのは、役目でもあった。紗羅と三那月との間で、蓮を奪い合い戦いが始まるが。

沙羅の鋭い鎌の刃先が、三那月の喉先を狙っていた。軽い身のこなしで、身を翻し、三那月の剣先を交わし、巧みに、三那月を追い詰めていく。沙羅の鎌を避けながら、三那月の体は、次第に龍神への姿へと変化していった。

「食魂華が、順応しているようね」

沙羅は言った。

「本物の龍神になれると思うの?あなた達は、天昇を望んでいるけど、偽物に変わりない」

沙羅の鎌は、いつの間にか、1本から2本へと増えていた。

「偽物は、偽物なの。本物には、勝てない」

沙羅の鎌が、三那月の頬を擦り、紅い血飛沫が、舞い上がった。

「本物の力をみるべきよ」

「どうかしら」

三那月は、剣を構えた。剣先に青い炎が灯り、手元まで、光が上下した。光は、次第に強くなり、沙羅を飛び越え、僕に向かって走ってきた。

「避ける事は、できないのよ」

その青い光は、僕に、吸い付くように、聴いた事のない音を立てながら、僕にまとわりついた。それは、人の叫び声だった。

「あなたが、神に近い存在であるなら、避ける事はできない筈」

剣先から、ほとばしる光は、僕から離れることができない。

「蓮。離れて!」

沙羅が叫んだ。青い光は、切れない鎖のように、僕の自由を奪っていった。

「待って!」

沙羅が、何かを放り投げてきた。かろうじて、動く右手で、受けっとったのは、小さな横笛だった。

「紗羅!これは?」

「吹くのよ!思い出して」

横笛なんて、吹いた事はない。剣先から、ほとばしる青い光は、恐ろしい叫び声を上げながら、僕の自由を奪い、鎖の先は、僕の中に侵入しようとしていた。

「吹け!」

沙羅が叫び、僕は、横笛を口に当てた。忘れていた事の一つだったんだるか。僕は、自然に右手が動いていった。左手が、右手を、支え、指が自然に動いていく。優しく流れる主旋律。どこかで、僕は、横笛を吹いたことがあったのだろうか?

「そこまで、できるとはね」

三那月の剣先から、ほとばしっていた青い光は、折れてしまい、地に大きな渦を作っていた。

「だけど、ここまで、私がくると言うのは、かなり、覚悟を決めてきた事を知ってほしいの」

三那月が、足を踏み鳴らすと、青い光は、瞬時に凍りつき、細かい破片となって、宙に舞った。細かくなった粒子が、宙に舞いながら、小さな悲鳴をあげていく。

「あなたが、迦桜羅なら、この声を聞き流す事はできない筈」

小さな悲鳴は、僕に、断末魔の叫びを上げながら、絶命していく人達の姿を見せつけた。三那月が、自分の思いを果たす為に、奪っていった多くの人達。僕は、激しく胸を上下する間に、細かい粒子は、僕の肺に焼き付いていった。

「あなたが、迦桜羅なら、私達と行くのよ。あなたの為に、多くの邪神が待っている」

さあ。。と言いながら、三那月は、手を差し出していた。

「抵抗は、できない筈よ」

僕の中に、たくさんの粒子が。否、粒子に姿を変えた魂が、僕の中に入り込んでいた。

「蓮」

沙羅が、僕の名前を叫んでいた。僕は、僕の意志に反して三那月の手を取っていた。

「最初から、こうすればよかったのよ」

三那月は、僕の手をとり、そっと自分の頬に手を当てた。

「さぁ。。これから先は、ずっと一緒にいましょうね」

自分の意のままに、動けなくなった蓮。三那月と一緒にいる時間に感覚も麻痺してしまい。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ