おはようから始まる日々の生活。
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「…おはよう。ピー。」
2階から降りてきて、一言。いつもの挨拶。ここ1年くらい前から、長女の詩音が、毎朝一番早く起きてきている。僕のご飯をくれるのも詩音。ちょくちょく、下克上を狙っているところ…じゃなくて、最近は家にいるとき僕を毎回構ってくれるから、゛最近は゛狙っていない。優しいんだもん。
ガシャガシャガシャ…
「もー、朝からうるさいなぁ。」
朝起きて早々、テレビをつけてから、僕のご飯をくれる。いや、さっきも言ったけど、これはとてもありがたいんだよ。だから、2回言う。
前までは、誰も起きてこないとかあったから、お腹ペコペコで騒ぐとかあったんだもん。それで怒られてたら、自業自得って言うじゃん?
「ワン!」
「しっ!うるさい!皆起きちゃうじゃん!」
うぅ、何で皆が起きちゃダメなの?皆がいた方が楽しいじゃん!
何でかは知らないけど、何か1人でいたいらしい。朝の静かな空間でゆっくり朝食を食べて、ゆっくりテレビを見る。これが良いらしい。よくわからん…
「うわぁ、今日は雪かぁ…晴れてんのに…」
と、独り言を言いつつ、髪の毛を結んだりご飯を食べたり…この空間は僕も好き。朝の冷たい空気が、小さなテレビの音が、外で小鳥が囀ずる音が、この3つが揃ったとき僕は眠くなるんだ…それでいつも寝ちゃう。
「ピー?あれれ、寝ちゃったの?」
「皆、起きといでー!7時になっちゃうよ!」
「「「…あーい…」」」
というやる気のない声と、お母さんの忙しそうな声が、僕を起こす。よく寝た。うん、快適。いつも通り、お父さんは椅子に座ってオリゴ糖をかけたパンを。詩音は制服を着て椅子でくつろいで。海功はダラダラと降りてきて。羽桜と、羽來は2人で階段の上からお父さんを呼ぶ。毎日決まってこの時間。
「おとうさーん!」
「おとーちゃーん!」
「はいはい。」
僕はいつも通り、それを眺める。…あ、また眠くなってきた。寝よう。
ガリガリガリガリ
「ピー?あぁ、寝床を作ってるのね。いやぁ、上手いこと真ん丸いのを作るんだねぇ。」
何か、丸くないと眠れないんだよね。毛布を敷いて寝ているんだけど、それはいつも丸くするんだ。何でだろう?自分でもそうする意味がよくわからない。
そして、おやすみ。
「詩音‼くしは何処やったの!?」
「ゥワン!!」
あぁ、ビックリして、つい吠えちゃったじゃないか。急に大きい声出すのやめてよ…
「あ、ここ!」
「いつも片付けろって言ってるじゃん!」
「あーい。」
気のない返事だなぁ。だから、お母さんを怒らせるんでしょうに…全く…でも僕が吠えると必ず来るのが…
「ピー、うるさい。静かに。全く…」
ほら来た。そして、戻っていった。お父さんが、いつも洗面台から怒りに来る。僕のせいじゃないのに、僕だけが怒られるんだ。嫌になっちゃう。僕は、犬なんだからそう言う大きい音に敏感なの!吠えちゃうの!
7時10分
「行ってきまーす。」
「行ってきまーす!」
7時30分
「行ってくる。」
「行ってらっしゃーい!」
8時35分
「羽桜、羽來行くよ?」
「「はーい。」」
こうして、僕はいつも9時には独りになる。だから、寝るのだぁ。
おやすみ~
犬ライフ満喫中...