空ろ
この作品は牧田紗矢乃さん主催、第四回・文章×絵企画の投稿作品です。
この作品は、牧田紗矢乃さんのイラストを元に執筆しました。この場を借りて、御礼申し上げます。
牧田紗矢乃さん:https://12498.mitemin.net/
部屋は暗い。
ただ、私はそこですべてを受け入れている。
この世界にある、光、憧れ、希望。
そして同じ世界の闇、拒絶、絶望。
全てが私の中を通り抜けていき、留まることを知らない。
私の中は空ろだ、中身なんて、入れたそばから零れ落ち、誰にも知らられないまま消えていく。
その姿は、大砂漠で鼻垂れた一握りの砂のようだ。
近くにあっても、もともとそれだったとはだれも気付いてくれない。
見たくない、知りたくない、気づかれたくない。
でも、誰もが私を見て、知って、気づいてしまう。
空っぽだからこそ、私は誰をも受け入れる。
それがどんな相手でも、神でも、天使でも、悪魔でも。