初めての戦い
バトルモードによって現凛した装備達。
興奮をするゲンシ。
手始めに身体全身に何物も通さぬ青いオーラをイメージし、全身を覆う。
「『纏い』とでも名付けるか」
この世界では個人の持つ能力に名前を付けることにより、ショートカット呪文として作成することができる。
「纏えば、あとは攻撃のみに集中だ」
次なるイメージは攻撃方法。
ゲンシは飛ぶ斬撃をイメージし、「ウイングソード」と名付け、接近しているスライムに剣を向ける。
「方角良し、高さ良し、力加減よし!いくぜ!『ウイングソード!!』」
ゲンシの詠唱と共に、青く纏われた一筋の閃光が剣先に集まること0.5秒の瞬間、レーザービームの如きその猛威が向けられたスライムに当たると共に対象を粉塵と化していく。
「ギギィ?!」
スライムの鳴き声か分からぬ音が次々と出ては静かになっていく。
「ハハハ、こいつは楽でいいや『ウイングソード!』こっちも『ウイングソード!』」
「お見事ですゲンシ様!」
にこやかにゲンシに賛辞を送るイルルハ。
ゲンシがウイングソードを乱発すること10分、辺りに残るのは穴だらけの樹々だけで、スライムの姿は見る影も無くなっていた。
「割と簡単に片付いてしまったな」
「お見事ですゲンシ様」
あまりに簡単に倒せることにゲンシは少し不満を感じていた。
世界構築が出来る段階で面白みに欠けると感じていたゲンシは、イルルハに相談してみた。
「なあ、イルルハ。世界構築辞めるって出来るか?」
「出来ますが?」
「・・もう驚かない」