冒険の始まり2
モンスター退治。
この世界には様々なモンスターが存在し、
火水風土雷闇光の各属性があり、以下の種族が確認されている。
スライム族
→ゼリー状の形状をしており、各属性の魔法と溶解液で攻撃してくる。
人型族
→魔人、エルフ、人魚など攻撃性が強い。中には武器防具を装備している者がおり、魔法を駆使してくることから、討伐難易度は高い。
ゴブリン、オーク族
→縄張り意識が強く、人を襲い、家畜にしようとしている。戦闘力は低いが、武器装備をしている事がある為、油断できない。
植物族
→紫の草もしくは花を身に付けていることを必須としており、見た目が木であっても花を身に付けている場合はモンスターとして警戒すべき存在である。蔓や枝などで攻撃してくる。繁殖力が高く、火属性に弱い。中には魔法を使ってくる個体もいる。
悪魔族
→書物型、蝙蝠型、武器型、防具型など形状において様々な個体が存在する。魔法の行使、特殊能力をもっている為、討伐において場合によっては最高難易度になる。
鉱石族
→様々な鉱石で身体が構成されており、武器による攻撃が通りにくい個体が多い。属性魔法による攻撃に弱いが、中には反射され、討伐しにくい個体が存在する。鉱石の核を破壊もしくは取り出すことで、生命停止する。身体を構成する素材は高値で取引されている。
「スライムの金属バージョンが発見されたって?」
「はい。鉄と銅製のスライムが発見されております。退治しに行きますか?」
「イルルハの言っていた武器防具を試す為にも、そのスライムは気になるから、行ってみよう!」
こうしてゲンシの初討伐が始まるのであった。
ゲンシがスライム退治に出かけること35分。
湿地帯で樹々の溢れる場所に足を運んでいた。
「うわぁ。ヌメヌメしてて、気持ち悪いな。こんなとこにいるのか?」
「情報によると、様々なスライムが群れを生しており、グループの冒険者が次々と襲われ、モンスター退治で金銭を発生させるつもりが、逆にスライムに金銭を搾取されているとの事です」
この世界において、全ての生命体が扱う金銭というものは、種族を問わず等価であり、金銭そのものに価格分の魔量が存在する。
その魔量を自分の身体維持に使う場合もあれば、武器、防具、道具などと交換したりする事ができる。
交換に際し、魔量交換と意識もしくは発言することにより、その者の前にウィンドウメニューが開かれるので、あとは自分のしたい事を選ぶだけで交換ができるのである。
「モンスターもやられ損はしたくないわなーって。『守れ!』」
ゲンシに突如、火の球が襲いかかって来た。
火の球は全部で7発飛んで来ており、ゲンシ以外の場所に当たると、3Mの火柱が上がり、対象を焦がしては黒く染め上げている。
『守れ』と発言することにより防御魔法を発生させることが可能で、発言する時の意識の力加減で防御力を調整できる。
今回は咄嗟であったにしろ、相手方の攻撃がどれほどの威力かどうか分からなかった為に意識レベルはMAXに調整した為、火の球はゲンシに当たっても瞬時に砕け、火の粉として飛び散っていた。
「モンスターか!?」
ゲンシがそう言うと、樹々の至るところから、赤く輝くブヨブヨしたモンスターが現れた。のそりのそりゲンシに近づいては、魔量を燃やして魔法を放とうとしている。
「ちっ、油断した!『バトルモード!』」
ゲンシが発言すると、天空より現れた閃光に身は包まれた。
3秒。閃光が細く、線が見えなくなると鎧、兜、剣、マントが顕現する。
鎧と兜は龍を模したかのような形をしており、赤と白のラインと鱗状の黒が互いの色を引き立てている。
マントは純白で、表面は特殊なコートにより、汚れは付着しても、砕けたかのように消え去る。
マントで身を包める大きさがある。
全体の総評としては、聖◯◯◯矢をオシャレにした感じである。
「・・・なんていうか、聖◯◯◯矢みたいだな」
「良くお似合いですよゲンシ様」
イルルハに褒められ、頰を赤く染めるゲンシ。
「そ、そうか?まあ、似合うならいいが、どうやってこいつら使ったらいい?」
「ゲンシ様の脳内イメージにて、具現化し、動いてくれる作りになっていますので、ゲンシ様の戦い方をここで見つけられることをお勧め致します」
ゲンシは冷静を装っていた。
しかし、自分の脳内イメージで戦えることに興奮しており。
内心のモチベーションはMAXであった。