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011話 新たな使命

 カーラが到着すると直ぐに、アランは会議場へと戻った。気付かれないように静かに入室するが、セイン王子と目が合う。エリー王女を心配しているのだろう。アランは、問題ないと言うように頷いた。


「では、ローンズ王国よりセイン王子と他二名。アトラス王国からアラン・ラッシュウォールがデール王国へと監視兼情勢回復の援助を行うということに決定しました」


 議会進行役から突然名前を呼ばれたアランは驚き、父であるクロードを見た。援助とは? エリー王女の側近である自分が何故選ばれたのだろうか?


 会議が終ると直ぐにセロードの元へと近付いた。周りに多くの人がいたため、かしこまって訊ねる。


「父上。これはどういうことでしょうか?」

「アラン。私から説明をしよう」


 すぐ側にいたシトラル国王が代わりに答える。


「知っていると思うが、セイン王子はデール王国再建の手伝いをすると国民の前で宣言をした。そのため、セイン王子は明日からジェルミア王子と共にデール王国へ向かうそうだ。クーデター後の情勢は不安定であり、危険も伴う。セイン王子に何かあっては困るのだよ。だから我が国からも一人派遣することにした」

「恐れながら陛下。私はエリー様の側近です。ここを離れるのは問題があるのではないでしょうか」


 シトラル国王は頷いた。


「次期国王が決まったことにより、エリーには普通の王女として過ごさせる。側近はアルバート一人にし、護衛は騎士団から交代で行うこととする。また、次期国王にはいずれアランを側近として付けることになっていた。仮ではあるが、セイン王子に付いて欲しい。お前の知識でセイン王子の助けをしてあげるように」

「……御意にございます」


 アランはその場で跪いた。これは願ってもない王命である。アランは国王の側近になることを夢見ていた。いずれチャンスがあれば自分から志願しようと思っていただけに、アランは喜びで胸が踊った。しかも、デール王国の再建を手伝うことは、多くを学ぶこともでき、自分の腕を試す良い機会だった。


「アラン、これからも宜しくね」


 近くにいたセイン王子が声をかける。


「はい。死力を尽くしお仕え致します!」


 更に深く頭を垂れるアランに、セイン王子が手を差しのべる。


「アランと一緒なら何でも上手く出来るような気がするよ」


 アランがセイン王子の手を取り、その場に立つと二人は嬉しそうに笑顔を見せた。


「それでは陛下。私はこれにて国へと戻ります」

「そうだな……。長く国を空けさせてしまって申し訳ない。この度の件、誠に感謝しております。次は私がそちらに伺うとしよう」


 リアム国王がシトラル国王にそう告げると、シトラル国王は少し残念そうに応えた。シトラル国王とリアム国王は固い握手を交わす。


「セイン、ギルの他はアリスを置いていく。子供たちにとって、その方が良いだろうからな。では、しっかり励むように」

「はい」


 それぞれ行うことが決まった。アランは自分に課せられた使命を胸に、やる気がみなぎっていた。





挿絵(By みてみん)




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