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伝説の科学者  作者: 北尾麟
7/13

リネとクルスシア

なんだか日が空きましたね。疲れが溜まってきていて、ただでさえわかりづらくて読みにくいのがもっと読みにくくわかりづらくなってると思います。申し訳ありません。

「あれは、今から約123年前、2232年のことよ。あまりに衝撃的だったから、はっきりと覚えているわ。」

思い出すだけで辛くなる、そう言うリネを見てセシリアは事の重大さを知る。

「何が、あったんですか?」

恐る恐る聴くセシリア。まだその心の中にはクルスシアを痛めつけたリネへの怒りが残っていた。

「セシリアは私とクルスシアが寿命じゃ死なないって事知ってるでしょ?」

「ええ、クルスシアは不老不死だって言ってました。」

「不老不死、ね。実際にはそんな名前ほど便利じゃないのよ。この体も。」

少し悲しそうに自分の髪をとかすように撫でるリネ。

「そもそも、なんであなたとクルスシアは不老不死になろうとしたんですか?」

「そもそも、ねぇ…理由は単純といえば単純よ。詳しい事を話すと長くなっちゃうから、それはまたの機会にね。今は概要だけ簡単に話すと、彼はビクトール王国を建国を行うために、諸国をまとめ上げるために力を求めて自らの開発した空間把握技術を使って不老不死になったの。そして、ビクトール王国建国後は、ビクトール王国に危機が訪れた際に、いつでも国を、民を助けられるように何百年も守り続けるつもりだったの。私はそんな大変な事をクルスシアを一人に任せる事はできないと思ったし、ずっと一緒にいたかったから半ば強引にクルスシアに不老不死にしてもらったのよ。」

「そ、そうだったんですか…そこまで民の事を考えられるなんて…」

「あなたも知っている通り、彼はとても優しいから。」

少し俯く二人。

「そして、しばらくしてから、クルスシアは私たちの娘に王位を継承して、人前には姿を出さなくなったの。人前に出ると年を取っていない事がばれるでしょう?」

「そ、そうだったんですか。私が教科書で習ったものには、初代ビクトール王国王が人前には姿を見せなくなった事には理由が書いてありませんでした…そんな理由だったとは。」

「それから120年くらいして、ビクトール王国に危機が訪れる事はしばらくないと思って、クルスシアと私はずっと住んでいた王城から離れてそこから少し行ったのどかなところで暮らすようになったの。その時、あらゆるビクトール王国王、王女に関するデータは王城内にわずかに残されたものを残して全て消去したわ。もしも誰かと会って素性がばれたら大変な事になってしまうから。」

セシリアは王城にあった一枚の写真を思い出す。

「だから1代目の事を知っている人は少ないんですね…」

「そうね。『消失の王』とか言われてた時期もあったみたいね。民の間では何者かの陰謀によって、とか噂が広がったわね。でも結局、王城からの発表で、システムの故障でインターネットのあらゆる画像認識の誤差動が引き起こしてだって事に無理やりしたみたいだけどね。」

「それから、クルスシアと私の至福の日々が続いたわ。自慢じゃないけど、クルスシアと毎日いちゃついてたわね。今思うと王や王女としての役目を終えて解放された、って認識に近かったから、溜まってたものがいっきに爆発したのかもね。」

思い出しながら笑うリネ。しかし、その表情はどこか寂しげだった。なぜ寂しげか最初はわからなかったが、次第にセシリアにもわかってきた。

「幸せな日々は長く続かなかったんですね…」

「ええ。実はクルスシアはロゼッタ帝国に狙われてたのよ。」

「クルスシアが?それはなぜですか?」

「彼は天才だったからよ。空間把握技術を一人で作れるくらいにね。だから、そこを狙われたの。王城の中にスパイが一人いたようでね、そいつがクルスシアと私が生きている事をロゼッタ帝国に報告してしまったのよ。」

「その事が王城から私とクルスシアに伝わったその次日、彼は消えていたわ。置き手紙も別れの言葉も言わずに。」

「え?何も言わずに、なんの痕跡も残さずに?」

「ええ。本当に、突然消えたわ。私が目覚めたら、もうその家の周辺にはいなかったのよ。彼は〈転移ワープ〉ができるから、どこにいるのかを探す手段はなかったわ。彼はビクトール王国を建国する上で、ロゼッタ帝国と何度か戦っていたから、その恐ろしさを知っていたのね…私から離れれば私には被害が及ばないとでも思ったんでしょうね。」

悲しそうに語るリネをみて自分まで胸が苦しくなる。

「絶望したわ。私は捨てられたんだと思ってた。毎日泣いて、時間を無駄にしたわね。でも、ある日王城からこんな報告が入ったのよ。謎の少年がロゼッタ帝国に支配されかけていた小国を救ったっていう報告ね。」

「その少年とは…」

「ええ、クルスシアよ。私は間違いないと思った。もっとも、本人はそういう自分の功績を称えられるのがあまり好きじゃないみたいだから、聞いてもはぐらかされると思うけどね。」

「あれ?」

ここで何かに気づくセシリア。

「どうかした?」

「クルスシアは、ロゼッタ帝国に追われていたんですよね?」

「ええ、そうよ。」

「だったら…なんでそんなに目立つ事をしたんでしょうか?」

「もっともな質問ね。あくまで予想だけど、私はこう考えてるわ。きっとクルスシアはわざと目立つ行動をして、ロゼッタ帝国に自分の居場所を知らせていたのよ。そうすればクルスシアとともにいない私には完全に危害が及ばないでしょう?」

「なるほど…」

「まぁ、私に自分の生存を知らせたかったとか、支配されていく国を見過ごせなかったとかもあるのかもしれないけどね。」

付け足したリネは話を続けた。

「こうして、123年間の、私のクルスシアを探す旅が始まったのよ。」

「123年間…長いですね。」

「ええ。とても長かったわ。そして、その時間私は休むことなく自分を置いていったクルスシアを憎み続けた。そしめ、わたしがクルスシアを探している時にあなたの両親が亡くなった。私の中の最優先事項はクルスシアを見つけることだったから。」

「そうだったんですか…でしたら仕方ありませんね…私でもそうします。」

リネの言葉に頷きながら共感するセシリア。

「そして、つい4時間くらい前に私はクルスシアを見つけたのよ。実際に会ってみると憎しみが溢れ出しきてね…」

「それであんなことに。」

少し前に見た光景を思い出すリネ。

「クルスシアを痛めつけたことの理由に関しては理解していただけたかしら?」

「ええ。大体は共感できました。」

「大体は?」

「リネさんはクルスシアが死ぬとは思わなかったんですか?いくら不老不死とは言っても、あんなに血液を出したら…」

「そういうことね。わかった、そういうなら私とクルスシアがどのようにして不老不死を保っているのか教えてあげる。」

リネはセシリアに不老不死の説明を始めた。

「まず、道具アイテムに空間把握技術を行う上では欠かせない粒子、いわば電池のようなものが入っているのは知ってるわね?」

「ええ。それは知ってます。ある一定以上使ったら、粒子を充填しなくちゃいけないんですよね?」

「ええ。そういうこと。普通に空を飛んだりする分には充填は1年に1回でいいんだけど、あまりに規模の大きい空間把握技術を使ったりしたら充填しなくてはいけなくなるのよね。」

そう言われてクルスシアが少し前に行っていた空間把握技術を用いた大規模空気爆発を思いだすセシリア。

「もっとも、私とクルスシアの道具アイテムは普通の道具アイテムの5倍は粒子を格納できるから、滅多に充填はしなくてもいいのだけどね。」

「そうですか…でも、それと不老不死の話と何の関係が?」

話が逸れたと思うセシリア。

「ごめん、すこし回りくどかったわね。実は、私とクルスシアの道具アイテムは、使える粒子が残っていても、ある一定ラインまでしか空間把握技術を使えないのよ。」

「え?なんでですか?」

「通常は、古くなったり体に悪かったりする細胞を消去して空間把握技術の粒子による物質形成で新しい綺麗な細胞を作ることで寿命による死が来ないようにしてるの。」

簡単に言うリネに何も言えなくなるセシリア。

「粒子による物質形成って…現在国がかりで研究しているのに、できるかできないか、って言われてる技術ですよ。しかもそれをずっと昔に成功させてるなんて…」

「まぁそれは置いておいて。じゃあ、もしも私やクルスシアが事故や何者かに殺された場合は、どうなると思う?」

「え?そんなの、普通に死んでしまうんじゃ…」

「ところがそうじゃないのよ。ここで登場するのがさっき私が話したある一定ラインまでしか粒子を使えない、っていうルール。これは緊急事態、つまり道具アイテムの所持者の生命維持活動が困難になった、もしくは停止した場合において、空間把握技術を使って自動的に回復ヒールをかけるためのものよ。」

「えーと、つまり、普段はある一定ラインまでしか使えないけど、生命に支障をきたす時にはその一定ラインまで貯められていた粒子を使って自動的に道具アイテム所持者を回復して蘇生するってことですか?」

うーん、と考えながら離すセシリア。

「まぁ、そういうことね。」

「そういうことって…あっ、でも、もしも粒子を一定ラインまで使った状態で瀕死、もしくは死亡した場合、残った粒子を使って蘇生するじゃないですか。そしたら、粒子はもう残ってないじゃないですか!もしも敵がいたら、また返り討ちにあっちゃうんじゃないですか?」

「…まぁ一時的にはそうなるわね。」

「一時的には?」

「ええ。空気中から粒子を集めるまでに時間がかかるから…」

「空気中、から、ですか…?!」

「ええ。粒子、なんて曖昧な言い方をしてるくらいだから、その辺に転がってるものならどこからでも集められるのよ。ただ、空間把握技術を使うのに適したものとかがあるから、純度の高い粒子を集めて充填するのには特別な装置が必要なだけ。本来はどこでも集められるのよ。」

「そ、そうなんですか?!」

「まぁ、その代わり集めるのにすこし時間がかかるデメリットはあるけどね。」

「それでも、十分凄いですよ!」

国家機密レベルです!と誉めたたえるセシリアに、リネは自分の右手につけた指輪を見せる。

「もっとも、道具アイテムが破壊されてしまえば私もクルスシアもおしまいだけどね。」

「でも、道具アイテムはレアアークで作られていますから、爆発程度の熱では壊れませんよ。要するに、滅多なことではクルスシアとリネさんは死なない、ということですね!」

レアアーク、2067年に発見された金属。海底に潜った潜水艦によって大量に発見された。この金属は幾つかの粒子に反応する性質を持っていることからクルスシアが空間把握技術を思いついた。そのため、レアアークのおよそほとんどは道具アイテムに使われている。

「まぁ、そうね。」

自分は死なないのではなく、死ねないの。そう言おうと思って口をつぐむ。

(ここでそんなこと言っても意味はないわね…)

セシリアは、うつむいたリネを見てなんとなく話題を変える。

「と、ところで!今気になったことがあるんですが、クルスシアに聞いても答えてもらえなかったので、代わりにリネさんにこたえてもらいたいことがあるんですが!!」

「何かしら。なんでも言って?私に答えられることならなんでもこたえるわよ。」

セシリアに優しく微笑むリネ。

「ありがとうございます!では…あ、その前に、クルスシアと、リネさんは同い年なんですよね?」

「…そうだけど?」

「では、リネさんって、何歳なんですか?」

興味津々といった顔で聞いてくるセシリア。すると、リネの微笑んだ顔が一瞬だけ歪む。が、すぐ元に戻る。

「いいわ、答えてあげる。私の年は17歳よ。」

「え?あー、それならクルスシアにも聞きましたよ〜。そうじゃなくてですね?本当のねんれ…」

「17歳だけど。」

セシリアが言い切る前に凄まじい勢いで迫ってくるリネ。先ほどまでの微笑みは消えていた。

「…えっと。」

「何か、文句ある?私の美しい顔、胸は程よく大きく、かつ引き締まった体、そして心!!!どこからどう見ても、17歳よね?」

リネは自分の体を指で指しながら尽きることなく自分の良さを伝えてくる。

(そもそも17歳の人はじぶんが17歳だってそこまで必死に言わないと思うけどなぁ…)

「わかりましたよ、そんなに教える気がないんでしたら、諦めますよ。」

「…諦めるも何も、17歳なんですけど。」

ふう、と一息つくリネ。

(全く、いつの時代も失礼は奴が多いのよね。体が17歳なんだから、それでいいじゃない!)

多少キレ気味のリネをよそに何かを数え始めるセシリア。

「えーと、今が2355年で、確か初代ビクトール王国 王と王女が就任、結婚したのは2071年だから、その時点で2人は18歳はいってると考えるとー

最低でも300歳はいって…んんっ?!」

「ちょっと黙って?」

リネは引きつった笑顔でセシリアの口を塞いでいた。

「い、いひゃい!いひゃいれす!」

「そう、痛いの。」

叫ぶセシリアを無視して彼女の口を掴むリネ。

すると、ここでリビングの扉が開いた。

「シャワーあがったよー…って、リネ、セシリアの口押さえてなにしてるの?」

少し呆れた顔で聞くクルスシア。まだ水が垂れている綺麗な髪からは、もう血の赤みは残っておらず、艶やかな色になっていた。

「あぁ、これ?ちょっとセシリアが失礼なことを言ったから、お仕置きを。」

「ご、ごめんなひゃい!もういいまひぇんから、離ひてください〜!!」

辛そうに話すセシリア。その様子を見てなんとなく事態を把握したクルスシアはまだ濡れた髪を拭く。

「あー、もしかして年の話でもしちゃった?それなら仕方ないよ。それはそうとして、リネもシャワー浴びるでしょ?あ、セシリアも入りたければ入ってくれても構わないよ。その間に僕は夕飯作ってるからさ。」

「あ、そうね!こんなに血みどろで夕食を食べるわけにはいかないもんね。」

「でしたら、私も…」

リネとセシリアはシャワーを浴びたいらしい。

「服は物質形成で作れるよね?セシリアの服は王城に持ち帰らなくちゃいけないだろうから無理だけど、リネは自分の服とかの洗い物は脱衣所のカゴに入れといてね。」

「うん、わかったわ。ありがとうね。」

「いいんだよ。これでも、君にとてもつらい思いをさせてしまっていたことは自覚していたからね。しばらくの間家事は僕が担当するよ。」

「いいわよ、そんな事しなくても。それに、クルスシアは私の前からいなくなる前だって家事してくれてたじゃない。あなたのことは散々痛めつけたし、もういいわよ。」

そう言って微笑むセシリアだったが、何か違和感を感じるクルスシア。

(あれ?僕を痛めつけたってこの場で言うのはまずいんじゃ…)

和やかに話していると、突然起こった声が響く。

「わたひを忘れないでくだひゃいー!!」

「あ、セシリア。ごめんなさい、すっかり忘れてたわ。そういえばずっと口を塞いだままだったわね。」

さっきまでその存在を忘れていたかのように話すリネ。

「謝るなら、なら手をはなひてくだひゃい!」

「ごめんなさい、冗談よ。」

そう言ってセシリアの口から手を離すリネ。

「い、いえ、元はと言えば私が悪いんです。リネさんの気に触ることを言ってしまって…」

謝るセシリアを見て首をかしげるリネ。

「えっ?なに解決的な感じになってるの?」

「えっ?!」

「…」

クルスシアはあくまでも傍観の位置付けを守るつもりだった。

「もしかして、セシリアはこれでお仕置きが終わるとでも思ったの?」

「まさか…」

「あ、セシリアもシャワー浴びるんでしょ?」

「え?あー、いや、私はやっぱりいいかなぁーって思ってきて…うぇぁ?!」

いきなりセシリアの手を引いて歩き始めるリネ。

「なら、シャワー浴びながらでも、たっぷりお仕置きしてあげるわ。行くわよ!」

「ええっ?!そんな、ちょ…」

戸惑いながらま助けを求めるセシリア。ふと、目があう。

「クルスシア、見てないでたすけてぇ!!」

「…自業自得ってことで!それに、そんなに悪いようにはされないでしょ。」

「そうよ、セシリア。少しだけあなたを言葉でいたぶるだけだもの。」

「いやああああ!!!」

(下手に飛び火しても嫌だし、この調子なら、セシリアもリネに年のことを2度と聞かないようになるでしょ。)

僕はリビングから消えていく2人の姿を見ないようにするのだった。

最近は小説を読もうのサイト内の他の方の作品を読んで勉強してます。そこで後書き等を見て気づいたのですが、どうやら皆さんストックを作っていらっしゃるようですね。僕は一回一回書くので手いっぱいです。慣れてきたらストックを作ってなんとか2日に一回のペースを守れるように努力します。

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