10.あたしの可愛いモン娘③蚕娘
コンコン。
来たね。
今日最後の面接は蚕っ娘だ。
着替える時間がなかったので、あたしは水着のまま。
さあ出迎えよう。
「いらっしゃい、入ってね」
「失礼します……って、えっ!?」
「あ、ごめんね。さっき海に行ってきたから水着なんだ」
「そ、そうなのですか……。てっきり下着姿かと思いびっくりしたのです」
真っ赤になっている蚕っ娘。
うんうん、いい反応だ。
この子は蚕っ娘。
じつのところあたしは蚕という虫を見たことがない。
絹を作ってくれると知っているだけだ。
なんで蚕かわかったかと言うと本人に聞いたから。
大広間でみんなを見渡した時にすぐ目についたんだ。
いちばん小さくいちばん白かった。
見た目は10歳の女の子といった感じだろうか。
実年齢はもちろん不明だけど……。
声も見た目のように幼くてかわいいのだ。
というか見た目が真っ白という以外は人間の女の子でしかない。
足までありそうな長い髪の毛も真っ白で絹糸のよう。
まだ幼体らしく、大きくなると触角や羽が生えて蚕っぽくなるらしい。
それはそれで可愛いのだろうけど、今のままでも十分だ。
服装は……服というのかこれは?
白く丸いふわふわしたなにかに包まれている。
「そういうあなたが身に着けているこれはなあに?」
「これは繭なのです。本来は成体に変態する時に体を包むものなのですが、わたしは常に体に着けているのです」
「そうなんだ、どうして?」
「こうしておけば、糸が足りない時などに役立ちますです」
なるほど、でも糸が足りない時にそれを使い切ったら裸になっちゃうのかな?
見てみたい気もする……。
「糸かあ……。あなたの特技は糸を出したり服を作ったりなんだよね?あたしが昨日から着てるこの服もあなたが作ったんだよね?」
「はいです!着てくださって嬉しいのです。よろしければ、サイズをもっとしっかりあわせて作り直したいのです」
「あ、ぜひしてほしいな。あと下着も作ってほしいんだけど」
「おまかせくださいです!ではあの……採寸させていただきたいのですが……」
「うん、いいよ。脱ぐね」
「え!!」
蚕っ娘は照れているけど、あたしは平気で脱ぐ。
見られるのは嫌いじゃないし……この子の照れ顔を見るのが楽しい。
「さあ、どうぞ」
「は……はいです。失礼しますです」
ちびっこ蚕っ娘は一生懸命背伸びしてあたしの首周りから測りだす。
しゃがんであげればいいのだけど、背伸びする姿が可愛すぎて……。
「ユウナ様のお肌、とても綺麗なのです」
「ありがと、あなたの肌も見えてる部分とても綺麗だよ。あとで全部見せてくれるかな?」
「あ、はいなのです……。貧弱な体ですが……」
「気にしないの。あなたを選んだ理由の一つがね、小さくて可愛いからなんだよ」
「そ、そうなのですか……?じゃあ小さくてよかったのです……」
うーん、今すぐ裸にして抱きしめたいくらい可愛いな。
よし、さっきまでの2人は身体検査してないからこの子にはしよう。
決めた!
「あなたのほうはどうしてなのかな?あたしのところに来てくれた理由教えて」
「わたしは……ユウナ様にわたしの作った服を着ていただきたかったのです。わたしの趣味は服を作ることなのです。えと……ただそれだけで……すみません、たいした理由ではないのです」
「そっか、ありがとね。嬉しいよ」
あっさりとした理由だな。
あたしを見るこの子の目、憧れの人を見る目だ。
この子もアクアみたいにあたしに惚れてる?
うーん、とりあえず面接を進めて考えようか。
「ユウナ様、お胸を測ります。も、もし触ってしまったらごめんなさいなのです」
「ん?気にせず触っていいんだよ」
「ええ!?それはだめなのですよ?」
何この反応?
可愛い顔して実は男の子なんてオチはないよね?
それはないか、女の子のみ募集したわけだし。
「あなたは女の子だよね?」
「はいです」
「じゃあ問題ないよね?」
「そうなのですか?人間の女性は胸を大事な相手にしか触らせないと聞いたのですよ」
「うふふっ、それは恋人とかのことだね。同性だったら触っても問題ないんだよ。それに、もしかしたらあなたがあたしの大事な人になるかもしれないよ」
「はわわ……。そ、そうなのですか……。ではあの……失礼しますです」
誰が教えたんだろう?
なにかを勘違いして覚えちゃったのかな?
よし、あたしがちゃんといろいろ教えてあげようっと。
震える手で胸のサイズを測る蚕っ娘。
抱きしめておっぱいに顔をうずめさせたらどうなるんだろう?
いたずら心がうずくけど、今はやめておこう。
そんなわけで採寸は終わった。
お尻を測るときも照れていたのが可愛かった。
「それではまたあとで作って、明日にはお届けしますのです」
「あ、今ここで作ってくれるんじゃないんだね。ちょっと見たかったな」
「すみません。ここで作ることも可能なのですが、これはじっくりと時間をかけて作りたいのです」
「そっか、それならお願いね。楽しみにしてるよ。じゃあ……続きをしようか」
「はいです!」
さて、何を聞こうかな。
この子を戦いに連れていくことはないと思うけど、一応聞いておこうかな。
「ねえ、服を作る以外に特技ってあるのかな?」
「一応糸を出して操ることはできます。やったことはないのですが、糸で相手を動けないようにすることもできるのではないかと……」
「なるほど……便利そうだね」
人間と戦う必要があったら、倒さずに動きを封じるって便利かも?
でもやったことないのか。じゃあやってもらおう。
「じゃあどんなものかあたしにやってみてくれるかな?」
「え?そんなことしてよいのでしょうか??あと、ユウナ様服を着ないのでしょうか?」
真っ赤な顔で聞いてくる蚕っ娘。
この照れた顔を見るために裸なわけだが。
とりあえずこのままやってもらおうか、糸が気持ちよさそうだし……。
「いいよ、遠慮なくやってね。上手にできたら高得点だよ」
「高得点なのですか……。がんばるです!」
「そうそう、がんばるんだよ」
「はいです!いきますね」
蚕っ娘の口から糸が飛び出してくる。
どういう仕組みなのだろうか?
さらには体を覆ってた繭からも糸が伸びてあたしに襲いかかる。
んん?あっという間に動けなくなったぞ……。
あたしは気を付けの姿勢のまま手も足も動かせなくなる。
後ろがベッドで良かった。ベッドに倒れこむ。
とりあえず暴れてみるけど、さっぱりほどけそうにないや。
しかし、あたしの格好なんだかエッチじゃない?
がんじがらめにされてるのに、おっぱいやアソコは見えちゃってるよ……。
「ユウナ様?いかがなのでしょうか?」
「んー、さっぱり動けないや。なかなかいい特技だね」
「で。ではほどきますです」
「いや、このままでいいよ。耐久性のテストするから」
「そ、そうなのですか……」
よし、このまま面接再開だ。
別に危ない趣味に目覚めたわけじゃない。
この糸に巻かれた状態……すごく肌触りが気持ちいいのだ。
いや、縛られて気持ちいいって言うと変に聞こえるけど違うからね?
「じゃあ、あたし動けないからよく見えるようにベッドに登って来てくれるかな」
「は、はい……」
「あたしのおなかに座ってね」
「え?そんな失礼なことはできないのですよ?」
「失礼じゃないよ。それに、募集文見たよね?あたしのわがままはなんであれ聞かないとだめなんだよ?」
「そ、そうでした……。では……失礼しますのです」
あたしのおなかにちょこんと座る蚕っ娘。
うん、全然重くないや。
座られた部分が熱くなって気持ちいい……。
うーん、この見降ろされ方はやばいな。
あたし縛られてるし今にも襲われそう。
でもこのちびっこ蚕っ娘がそんなことをしてくれるわけはない。
妄想はやめて続けよう。
「じゃあ、あなたの体も見せてくれるかな?」
「はい……脱ぎますです」
素直に返事をする蚕っ娘。
何のために脱ぐのか疑問にも思ってないかもしれないな。
それは……あたしを楽しませるためでしかない。
あたしってこの立場を利用して悪どいことをしてるかな?
うーん、一応言っておこう……。
「えっとね、もし嫌だったらいいからね。これを断ってもあなたの評価には影響しないから」
「いえ……恥ずかしいですがぜひ見ていただきたいのです。ユウナ様はわたしに裸を見せてくださいましたのです。だからわたしもすべてを見ていただきたいです……」
「そっか、いい子だね」
よかった、嫌がってないね。
じゃあ見せてもらおうかな。
蚕っ娘の体に巻きついている繭がほどけていく。
おお……平らなかわいいお胸が見えてきたぞ。
可愛らしいピンク色の突起がある。
肌があまりにも白いせいで、乳首がとても綺麗に見えてしまう。
下は、白いシンプルな下着かな。
お?その下着も繭と同じようにほどけていくみたい。
なかなか便利な能力だね。
うん、毛も生えてなくてつるつる。
「ユウナ様、どうでしょうか?」
「うん、すっごくかわいい」
「あ、ありがとうございますです……」
うん、ほんとに可愛いぞ。
真っ白すぎる肌だけど、触ってみたい……。
あたしのおなかには肌が触れる感触があるけど、そこだけじゃものたりない。
よし決めた。襲おう。
幸い?なことにあたしは縛られている。
この糸の耐久性を試すのだ!
ふっふっふ、蚕っ娘ちゃん。
この糸の強度が弱かったらあなたはあたしの餌食になっちゃうんだよ。
「ユ、ユウナ様?もし苦しいようでしたら糸をほどきましょうか?」
「い、いいの……。この糸が人間を捕まえることが出来るかテストしてるから」
「は、はいです……」
心配そうな顔であたしを見降ろす蚕っ娘。
あたしは必死で暴れるが、この糸は頑丈すぎた……。
「つ、疲れた……。この糸はすごいね……」
「あ、ありがとうございますです。でも、そろそろほどいたほうがいいと思うのです……」
「そ、そうだね……お願い……」
「はいです!」
蚕っ娘が念じると、糸が瞬時にほどけてあたしは自由になる。
「ふう、なんだか脱皮した気分だよ」
「脱皮ですか。わたしも成長の度にするのですが、あれはとても気持ちいいのです。ユウナ様も気持ちよかったですか?」
「うん、すごい解放感」
「そうですか。よかったのです」
「ところでこの糸はどうするの?なにかに使うのかな?」
「あ、あの……その……」
顔を真っ赤にして照れる蚕っ娘。
ん?何故今照れる必要がある?
「どうしたのかな?正直に言ってみて」
「えと……気持ち悪がられるかもしれないのですが……ユ、ユウナ様に触れた糸ですので、わたしの寝どこに使おうかなと思って……」
ほうほう、なかなかいい趣味をしてる子だ。
好きな人が寝ていたベッドに顔をうずめる的な行為なのかな?
「いいよ、好きに使ってね。でも、そんなことしなくてもさ……」
「ひゃううう!?」
あたしは蚕っ娘を引き倒して、寝ているあたしに抱きつかせる。
ひゃ、この子の体冷たいな。
でも……気持ちいい……。
「あたしをベッドにしてもいいんだよ?」
「ええ!?ひゃううう……」
「ん?嫌かな?」
「いえ……とても嬉しいのです。ただ嬉しすぎてどうにかなっちゃいそうなのです……」
「どうにかなっちゃっていいよ。あたしのところに来たらね、こういうことたくさんすることになるんだよ」
「そ、そうなのですか?」
「そうだよ」
「は……はい……」
冷たい体の蚕っ娘だけど、少し暖かくなってきた。
照れてるんだろうな。可愛いよぉ。
よし、あたしの願望をさらにかなえよう。
「ねえ、少し話し方を変えようか。まずね、あたしのことをおねえちゃんって呼んでほしいな」
「おねえちゃん……ですか?わたしはユウナ様の妹になるのでしょうか?」
「うん、あたし妹がほしかったんだ。嫌じゃなかったら呼んでほしいな」
「嫌じゃないのですよ、えっと……おねえちゃん……」
「もう1回」
「おねえちゃん……」
照れてあたしの胸に顔をうずめる蚕っ娘。
ちょっとくすぐったいなあ、でもいい気分。
次は……。
「お次は敬語もやめようか。普通にお話ししてみて」
「え?そ、それは失礼なのではないですか?
「そんなことないよ。妹っていうのはおねえちゃんと親しい存在なんだよ。親しい相手に敬語を使うのって変だよね?」
「親しい相手……。そ、そうですね……。失礼かも……?」
「だよね?じゃあそうしてね」
「う……うん。がんばってみるの……」
「うんうん、いい子いい子」
「ひゃうー」
蚕っ娘の頭を撫でてあげると、嬉しそうにしている。
あとは妹らしさをあげるために……。
「あとね、妹はおねえちゃんに甘えるものなんだよ。甘えてみてね」
「う……うん。おねえちゃん、もっと強く抱っこしてほしいの」
「うん、いいよ」
「ひゃふぅ……」
あたしは蚕っ娘を強く抱きしめる。
きゃはっ、おっぱいに息が当たってくすぐったい。
胸に顔をうずめてるから息苦しいのかな?
よーし、このまま名前を考えちゃおうかな。
関係ありそうな名前だとシルクだけど、これをもじってみるかな。
シルフィ、チルク、うーん……可愛さが足りない。
あ、チルなら可愛いかも。
どうかなあ……。
「おねえちゃん?なにか考え事なの?」
「うん、あなたのお名前」
「え!?名前をくださるのですか?いいのです??」
「ほらほら、敬語になってるよ」
「あ……。えと……名前もらえるの?」
「うん、あたしはあなたのこと気に入ったの。あなたはどうかな?」
「わ、わたしもおねえちゃんのことが大好きだよ……」
うーん、なんて心地のいい言葉だろう。
裸にして抱きしめるというおかしなことをしても好きと言ってくれる。
よし!名前をつけよう。
この子の面倒をあたしがちゃんと見るんだ。一生!
おねえちゃんがんばるぞ!
「それじゃあ、あなたの名前はチルちゃんだよ」
「チル……いいお名前だね……。おねえちゃんありがとうなの!」
「ふふっ、喜んでくれてよかった」
そう言いながらあたしの胸に顔をうずめてくるチルちゃん。
うーん、可愛いよぉ。
「チルちゃん、あたしのおっぱい気に入ったのかな?」
「うん!おねえちゃんのここ、やわらかくてぷにぷになの」
「そっかそっか、好きなだけ触ってていいよ」
「じゃああの、手で触ってもいいのかな?」
「んー、可愛く甘えてくれたらいいよ」
「えっと……おねえちゃん、チルにおっぱい触らせてほしいの……。ね?」
顔をあげてあたしの目を見つめてくるチルちゃん。
はい、可愛すぎました。
「じゃあいいよ、優しく触るんだよ」
「うん!」
「ひゃっ!」
チルちゃんの小さな手があたしのおっぱいを揉んできた。
あたしの言った通りにそーっと触ってきたけれど、何この感じ?
くすぐったいような気持ちいいような……。
自分で触ったことはあったけど……人に触られるとこんなに違うんだね。
や、やばいな……。
ずっとされてると変な気分になっちゃう。
「おねえちゃん気持ちよさそうな顔なの。えへへ、可愛いの」
「んっ……。チルちゃん、そろそろいいかな?次はおねえちゃんにも触らせてね」
「え?でもチルは胸がないよ」
「なくてもいいの、起き上がってね」
「う……うん」
チルちゃんを起き上がらせて、またあたしのおなかに座らせる。
狙いはピンク色の2つの突起。
あたしは両手を伸ばして、指先とそっと触れる。
「ひゃわわわわ!!」
え?チルちゃんが後ろに倒れこんでしまった。
そんなに驚いた?
よく考えたら、他の子は頭を撫でてだけですごい反応を示していたのだ。
乳首なんて触られたら大変なことになっちゃうか……。
「チルちゃん大丈夫?」
「ふにゅう……」
あたしは起き上がり、あられもない格好で倒れているチルちゃんを見る。
目がすごくとろんとしている。
まるで誘われているかのようだけど、これ以上触ると気絶するかもしれない。
「おねえちゃん……なにか魔法使ったの?体がしびれて動けなくなったよ……」
「使ってないよ。チルちゃんに触っただけ」
「そっか……人に触られるの初めてだから……あんな風になるんだね……」
「うん、これから慣らしていこうね。慣れたら気持ちよくなるよ」
「そうなんだ……おねえちゃんよろしくね」
「おねえちゃんに任せておきなさい」
「うん!」
さて、あとはミリィやアクアにもしたようにキスをしてあげたいんだけど……。
この子大丈夫かな?
「チルちゃん、名前を付けた後にすることがあるんだけど、できるかな?」
「なにするの?」
「おねえちゃんのここをね、チルちゃんのここにくっつけるの」
あたしの唇とチルちゃんの唇を指で触って見せる。
「え!?そ、それはあの伝説のキ、キス!?」
伝説って何だ……。
胸のことといい、だれかがチルちゃんにおかしな知識を教えているのだろうか?
もしくは本気でそう思ってる子たちがいる可能性もあるな。
「伝説なの?」
「あ、あのね。チルはまだ若い魔物なんだけど、若い魔物達の間ではそう言われてるの。だって、したことある友達が1人もいなくて……」
ああなるほど。
小学生あたりがキスしたことある大人がすごいと憧れるようなもの?
うん、なんていうか可愛い。
「ふふっ、じゃあチルちゃんはお友達の中で一番乗りだね。初めてのキスだけどあたし相手でいいかな?」
「うん、おねえちゃんならとっても嬉しいよ」
「じゃあしようね。まずは起き上がろうか」
「うん……」
あたしはベッドの上に正座して、その上にチルちゃんを乗せる。
うん、顔がちょうどいい高さにあるぞ。
「じゃあ目を閉じようか」
「うん……どきどきするね……」
チルちゃんの頭を両手で抱くようにして顔を近づけていく。
少し震えながらも期待しているのかな?
口を少し前に突き出してアヒル口のようになっている。
可愛すぎだぁ、いただきまーす。
「んっ!」
小さい唇、冷たくて気持ちいいな。
反応も予想通りかわいい。
小刻みに震えているチルちゃんが愛おしい。
このまましばらく楽しもう。
それにしても、今日だけで3人とキスしちゃったよ。
普通だったらビッチって呼ばれちゃうね。
でも、ここではいいんだ……。
いいところに来たなあ……。
さ、そろそろ離れようかな。
ずっとキスしててもいいけど、チルちゃんの反応も見たい。
「チルちゃん、初めてのキスはどうだった?」
「なんだろう……すごかったの……」
「またしようね」
「うん、いつでもしてほしいの……」
「よしよし」
あたしはまたチルちゃんを抱きしめる。
この子抱いて寝たいな。
でも今日はミリィと寝る約束したし、チルちゃんは服作りがあるからまた今度だね。
「さあ、服着ようか」
「うん、あのね。チルの裸を見たのはおねえちゃんが初めてだからね」
「ふふっ、嬉しいな。実はね、あたしがここに来てから裸を見せたのもチルちゃんが初なんだよ」
「そっかぁ、えへへ。おねえちゃーん」
うん、いい甘えっぷりだねチルちゃん。
どんどん甘えてね。
チルちゃんはまた糸を体に巻き付けていく。
これはこれで可愛いのだけど、やっぱり可愛い服を着せたいな。
「チルちゃんの服、今度おねえちゃんにデザインさせてほしいな」
「え?考えてくれるの?じゃあ、着てみたいな」
「うん、あと糸を入れておくかばんとか作りたいよね」
「そっか、体に巻かなくてもかばんがあればいいんだ。おねえちゃん、チルね、糸で裁縫するだけじゃなくて革細工もできるんだよ」
「チルちゃん器用なんだね」
「えへへ、今度一緒に作ろうね」
「うん、約束だよ」
チルちゃんにどんな服着せたいかなー。
考えておこう。
かばんはランドセルが頭に浮かんでいる……。
楽しみがまた増えたなあ。
あ、チルちゃんにもこの世界をどう思ってるか聞いてみようかな。
「ところでチルちゃん、アルティアナ様やプロメイティア様のことをどう思ってるかな?」
「えっとね……。実はよくわからないの。お友達もみんなあまり知らないみたいだし、大人たちに聞いてもみんな言うことがばらばらで……」
「そっか……」
「ごめんねおねえちゃん、チルお役に立てないの……」
「いいんだよ、よしよし」
「ふにー」
チルちゃんの頭をなでなで。
子供の魔物たちはよく知らないのか。
実在するとは言ってもやっぱ大昔からの神話だものな。
上手く伝わっていないのかな?
これはみんなからじっくりと聞いていく必要がありそうだ。
さ、服を着たぞ。
「おねえちゃん、今から作る服もそれに似た感じになるけど、いいのかな?」
「そうだねえ、スカートをもう少し短くしてもらおうかな」
「どのくらいがいいかな?」
「えっとね、膝より少し上、このくらいかな」
あたしは足元近くまであるワンピース風衣装のスカートを持ち上げた。
「おねえちゃん、大胆だね……」
「そうかな?動きやすくていいよ」
「おぱんつ見えちゃうの……」
「見られてもいいような可愛い下着作ってね」
「う、うん……がんばるの」
「がんばったらご褒美あげるよ」
「な、なんだろう?がんばる!」
「よしよし」
ご褒美と言っても、好きなだけ甘えさせてあげるとかその程度しか考えてない。
でも、期待してるかもしれないからなにか考えようかな。
「じゃあおねえちゃん、今日はありがとうございましたなの」
「うん、これからもよろしくね、チルちゃん」
「うん!それじゃあね」
「ばいばーい」
チルちゃんが部屋を出ていき、1人になる。
でもさみしくはないぞ。
夕飯のときにはミリィが来るもんね。
このお城で初の1人じゃない食事だ。
楽しみ楽しみ。
あたしはベッドでゴロゴロしながらにやにやするのであった。