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真実

放課後、葉月はバイトで先に帰った。

あたしももうそろ帰ろうかな……。


「一ノ瀬さん。」

あれ、この声……聞き覚えが……。


後ろを振り向くと成瀬くんがいた。

「……優哉くん?」


成瀬くんは嬉しそうな、でも悲しそうなそんな顔をした。

「優哉くん……なの?」


成瀬くんは頷いた。

「え、ほんとに、優哉くん……?」


「今まで……ごめんなさい。優維に体を乗っ取られてて……出てこれなくて……。」


「優哉くん、今まで何があったの?」


「実は……」




───1ヶ月以上前のこと。

優維が放課後理花と話すと言ってカフェに行った時。

「理花。」


「あ、優維。久しぶり。」


「……うん。」


「優維、元気だった?」


「元気、だよ。」


「ねぇ優維。より戻して欲しい。」


「は……?」


「私、優維が好きなの。」


「は……?」


「あの時はごめんね。傷付けて……。」


「今更……無理だよ。理花のことそんな風に思わないし、思いたくない。」


「ごめんなさい……ごめんなさい。」


「理花はさ勉強したいから別れるって言ったのに勉強しなかった挙句、友達をパシリにしてどこの高校行くか知ったんだもんね。」


「え、いやそんなこと!」


「そんなことしたから……今優哉と同じ高校なんでしょう?」


「……っ。」


「認めてくださいよ。貴方は私のこと好きじゃなかったんでしょう?」


「違うの。優維が他の女の子とあまりにも楽しくしてるから嫉妬して別れるって言ったら止めてくれると思ったの……」


「……。」


「優維のこと本当に大好きの。」


「ごめんなさい。」


「好きな人でもいるの?」


「……優哉が初めて好きな人が出来たんです。私はそれを応援したい。それだけです。」


「成瀬の、好きな人?」


「はい。」


「凪絆?」


「……。」


「ねぇ優維。私と付き合ってよ。断ったら凪絆傷付けるよ?」


「一ノ瀬さんは友達じゃ……」


「凪絆は別に。中学までの奴とは違って一緒に居てくれるから居るだけ。」


「一ノ瀬さんで遊んでるのか!?」


「嫌だったら付き合ってよ?」


「…………分かりました。その代わり一ノ瀬さんには何もしないでください。」


「約束する。じゃあその代わり、凪絆と連絡とらないで。話さないで。」


「……は?」


「それ守ってくれなきゃ傷付けるよ?」


「……はい……。」

こうして2人は付き合うことになった。





「って言うのがあの日の放課後らしいです。」


「あたし何て傷ついていいのに……」


「嫌ですよ!!!」


「えっ。」


「あの日から僕の体なのに出させてもらえなくて……さすがにイライラの限界です。」


「優哉くん……。」

成瀬くんが怒ってる……。



「優維ー?ごめん、先生に呼ばれてて帰ろー?」

理花ちゃんが教室に戻ってきた。



「あっ……理花ちゃん……」


「凪絆……?何してるの……?」


理花ちゃんの目つきが凄く……怖かった。



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