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リーフ、なやむ。

いつもわがにゃんを読んで頂きありがとうございます^^

おかげさまでPV10万3000アクセス突破しました(驚

そしてお気に入り登録数も200件突破いたしました(驚


これからもマイペースで楽しんで執筆していきたいと思いますのでよろしくおねがいします^^



【リーフ視点】






現在重要視している星の解析に手間取ってやっとのことで王への報告書を纏めることが出来ました。


もう月があんなに高いところまで昇っていますね。






もう日付も変わるだろうかと思っていたところ、昔の上官であるイフ様が、王立研究院の中にある私の執務室まで飛び込んで来られた。




珍しく慌てたように飛び込んで来たイフ様は、腕に何かを抱えてずかずかと私の側まで歩いてきた。


一体何事だというのでしょう・・・・?





「リーフっ!」


「イフ様?どうされましたか?こんな深夜に・・・。」





この世の終わりという顔をしておられるイフ様に、この人こんな顔も出来るんだなぁという冷静な分析も、イフ様の次の言葉に吹き飛んでしまいました。




イフ様は私が視線を向けたことに気づくと、ゆっくりと抱えていたタオルケットをずらして腕の中にいる小さな女の子を私に見せる。





「っ!?」





私が息を飲んだのが分かったのか、イフ様は静かに執務室のソファーへ女の子を横たえて、もう一度私に向き直りした。


ですが、私はイフ様が口を開く前に声を出してしまいました。





「いいいいい、イフ様っ!?小動物の次は女の子を拾ってこられたのですかっ!?わ、私はあれほど深夜の徘徊(はいかい)は控えていただくようにと散々申し上げたはずですっ!!」


「・・・徘徊って・・・お前。俺のことをそんな目で見ていたのか・・・。」





じとりと睨みながら眉間の皺を増やしたイフ様は恐ろしいが、ユキだけでも混乱したのに今度は人間の女の子を拾ってくるなんて・・・聖域に何か起こっているのでは・・・明日1番に王へ報告して即刻聖域の地を調査しなければっ。




また睡眠不足の日々が続くのですか・・・続くのでしょうね・・・はぁ。


この人、私の仕事を増やしたいんでしょうか?


過労になってしまえっ!とか思ってませんよね・・・?





そんな恨み言をつらつらと考えていた私に、イフ様は溜息をついた後、更に衝撃的な言葉を発します。






「違うと言っている。深夜になってユキの熱が更に上がった。リーフなら診てやれるだろうと思い、王立研究院にユキを連れてくる途中でユキの体が変化したんだ。気づけばこうなっていた。」


「この子が・・・ユキですか?」





信じられないと思いながらもソファーに横になっている女の子に目を向けると確かにユキと同じ白くてふわふわした耳としっぽがあるのを確認する。

苦しげに眉間に皺を寄せて荒い呼吸を繰り返している小さな女の子に近づいて小さな額に手を置いた私は眉を寄せて言いました。






「熱が高いですね・・・。この子がユキかどうかは取り合えず保留です。この状態なら人間の子供と同じ治療は可能でしょう。すぐに地の守護精であるアルフ様を呼びましょう。彼ならどんな薬も調合出来ますから。」


「アルフか。確かにそうだな。」





そんなことさえ思いつかなかったであろうイフ様は相当取り乱しておられたようですね。




緊急でアルフ様を呼びつける形になってしまいましたが、小走りで駆けつけたアルフ様は寝起きのせいかいつも以上にのほほんとした間延びした声で首を傾げました。





「えーと・・・。おはようございます~?こんばんはでしょうかぁ?あ~・・・そういえば私どうして呼ばれたんでしょうかぁ?」





気が抜けそうになるのを耐えつつ、気を取り直した私は無言のイフ様をチラリと見た後、咳払いをした。





「・・・コホン。えー・・・。アルフ様。このような時間にお呼び立てしてしまい申し訳ありません。急なことではあるのですが、幼子でも処方可能な出来るだけ持続性のある良く効く解熱剤を用意して頂けますでしょうか?」


「はぁ・・・。幼子に処方できる解熱剤ですか?出来ますが・・・その~。私の記憶が間違っていなければ、この聖域には成人した者しかいないはずなのですがぁ。」


「・・・ここにいる。」





アルフ様のおっとりとした言葉に焦れたイフ様はソファーに目線を移して苛立った口調で言うと、アルフ様は視線をゆっくりとソファーに向けた後、目を見張って驚いておられた。



今までのゆったりとした口調が嘘のようにアルフ様はソファーへ駆け寄ると、手の甲でユキであろう幼子の首元に手を当て、高熱だと確認すると行動し始めた。





「これは・・・いけないっ。リーフ。すぐに湯を用意していただけますか!?イフ。あなたはすぐにこの子に着るものを用意してください。こんな冷える夜に裸ではないですかっ。私はすぐに薬草を調合いたしますっ。」





アルフ様の言葉で初めてタオルケットに包まれた女の子が裸であることを理解してしまいました。


イフ様はすぐに走って出て行かれましたが、あのように小さな幼子に着せる服なんてあっただろうかと首を捻ってしまいました。


私も湯を用意してアルフ様が薬を作り終えるのを待つと、アルフ様の指示通りに薬を湯に溶かして薬湯を用意しましたが、即効性とはいえ何でしょう・・・このデロデロとした液体は・・・。




ドロドロを通り越してデロデロです。





見た目ほど苦くはないと言っておられましたが、果たして本当に大丈夫でしょうか。




この後、このデロデロの薬湯を飲まなくてはいけないこの幼子のことを思うと同情しそうになった私の思考は正常だと思います・・・。







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