かみさまのきもち。
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驚きと嬉しい気持ちでいっぱいです(涙
これからも頑張りますのでよろしくおねがいします^^
キラキラ輝く光の雨が眩しくて、ぱちぱちと瞬きをした私を両手で持ち上げた王様は、私のおでこに優しくキスを落とした。
触れた場所がじんわりと温かくなったと思ったら、私のおでこから数センチ離れた場所に光の模様が浮かび上がって、次の瞬間にはおでこにスーっと吸い込まれるようにその文字は消えてしまう。
まだじんわりと温かい感じがするけど、さっきの何だったのかな?
おでこの違和感が未だに消えなくて、クシクシと毛づくろいしてみたけどやっぱりぽかぽかしてる。
そんな私を見て、守護精さんたちはクスクス笑っているし、壁際に控えている補佐さんたちも微笑ましそうに目を細めたりしている中、王様もクスクスと笑いながら私の顎の下を人差し指で撫でてくれた。
「ふふ。今のはね。この聖域で生きる者だけが持つことの出来る印だよ。印を持たない者がこの聖域で生きていくことは難しいんだ。ここの時間は止まっていることは分かる?」
「みぃ。みぁ。」
分からないと鳴いた私に、王様は丁寧に説明をしてくれた。
「どこから話せばいいだろうね。・・・そう。この聖域という場所は普通の人間や動物たちの住む場所とは切り離された場所に存在しているんだ。この世界には数え切れないほどたくさんの宇宙が存在している。1つ1つの宇宙にはたくさんの星が存在する。ここまではいいね?」
「みぁ。」
ひと鳴きすると、小さく頷いた王様は丁寧にひとつひとつ確認しながら話してくれる。
「私とリュウキ、守護精たち、それから王立研究院は、その宇宙にある生まれたての星に守護精たちの炎、風、地、水、そして私の持つ光、リュウキの持つ闇のの力を与え、生き物が生きていけるまで育て、そして見守ることが使命なんだ。そしてそこに生まれた生命が根づくことを見届ければ、聖域は次に生まれる星へと移動する。」
えっと・・・なんとなくはイフさんの炎の力を見せてもらって気づいてた部分もあるけど、やっと納得できたこともある。
だってイフさんの炎の力とか、マナさんの水、アルフさんの地、ジンさんの風の力があっても光とか闇とか均等が取れてないと生きていけないはずだから、どうしていないのかなって思ってたもん。
王様が光でリュウキさんが闇だったんだね。
でも生まれた星を管理って・・・なんだかすごいとこに来ちゃったみたい。
聖域が移動するって、どうやって動いてるのかなぁ?
「人類が生まれれば、そこに生きる者たちが歴史や文明を築きあげ、その星に合った生き方を選んでいく。星に問題が起これば王立研究院が察知し、何が起こっているのか即座に判断し、その星へと移動する。・・・それには炎、地、風、水、そして光と闇の力が揃っていなければこの聖域は機能しないのだけれどね。」
「みぃ。」
要するに、ここに揃ってる人たちの1人でも欠ければ動けなくなるの?
なるほどぉ・・・それで初めて会った時、エイルさんとリーフさんは見たこともない私の姿にピリピリしてたんだね。
きっとイフさんを守ろうとしてたんだ。
「そして、ここからさっきの時間の話になるんだ。」
「みぅ?」
ああー・・・時間がどうってお話だったにょ。
その後のお話があまりにも衝撃過ぎてすっかり忘れてたぁ・・・。
「この聖域はそういった役目を担う者の存在する場所だから、私たちは普通の人間たちのようにすぐに命を散らすわけにはいかないんだ。だから・・この聖域に住む私たちは印を持つことになる。もちろん朝はくるし陽は沈み夜も来るけど、私たちの体の時間は止まったままなんだ。」
王様は静かに息を吐き出すと、続きを話してくれた。
「この聖域で生きる者は長い月日をその任に身を捧げることになる。たくさんの宇宙のたくさんの星に住む生きる者とは生きる時間の長さもすべてが異なるんだよ。印を与えられれば長い時間を生きることになり、印を外せばただの生き物として時は動きだす。聖域で生きるということはそういうことなんだよ。」
それで・・・王様は私に決めさせてくれたんだ。
ようやくその本当の意味が分かった・・・。
共に生きたいと想う誰かがいるなら、ここにいるべきではないって教えてくれてたんだ。
大丈夫だよ、王様。
私ね、私が決めたんだよ。
元いた世界を捨ててこの場所に来た時、神様はどうしてこの場所に私を運んだのかすごく考えた。
多分、わかっちゃったよ。
あっちの世界の神様もきっと、長い長い時間を生きてきたんだ。
もしかしたら、この聖域みたいな場所があって、もしかしたら、こっちの守護精様たちみたいに何人もいなかったのかもしれない。
気の遠くなるような時間を生きた神様は寂しかったんじゃないかな・・・?
だから同じだけ生きられる『神猫』という私のような存在を創ったのかもしれない。
私があの世界から消えることを望んでしまった時、神様は悲しんだのかな。
創ってしまった存在は消せないから、同じだけ、それ以上に長く共に過ごせる人たちが存在するこの世界に私を送ってくれたんだ。
ここで印をもらった私は、どれだけここにいても、育たなくても不思議に思われることもなくて、『化け物』だと言われることもなくなって、きっとそれはあっちの世界の神様がくれた新しい私のにゃん生なんだ。
だって今、私の時間は止まったんだから・・・。