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ほのおのちから。

いつも読んでくださってありがとうございます^^

まだ『我がにゃん生(仮)。』始めて間もないですが、お気に入り登録が100件超えていました(驚

ありがとうございますっ。

これからも頑張りますのでよろしくおねがいします^^




(まぶた)の向こうが明るくてトロトロと気持ちのいい感触にまどろんでいると、遠くから優しい声が降って来た。




「・・・キ。」




んー・・・。




「・・・ユキ。そろそろ起きろ。もうすぐ朝食の時間だぞ。」


「・・・みぁ。」





カーテンを開けたイフさんは、まだ夢と現実の間でふわふわと彷徨っている私に声をかけてくれるけど、んぅー・・・まだ眠いにょ・・・。





「仕方のないやつだな。また空腹になっても知らないぞ。」





ベッドの端に腰をおろして私の体を優しく撫でてくれるイフさんの手はあったかい。





ごはん・・・。





くぅ・・・。





朝一番の控えめなおなかの虫が鳴いたからゆっくりと目を開けると、イフさんはクツクツと喉の奥で笑って『そらみろ』と言った。



コロリと寝返りをうって起き上がると、窓に映る少し長めの白い毛がピンと跳ねてるのが窓に映る。






念入りに毛づくろいをして必死になって寝癖直ししていると、イフさんがサイドテーブルに置いてある水入れの水をほんの少しタオルに含ませて私の小さな頭に置いてくれた。





湿気は嫌なんだってばぁー・・・。


そう思いながらじっと我慢してるとなんだか冷たかったタオルがほかほかしてきた。





・・・・にゃ?


・・・・ぽかぽかだ。





「みぁ?」





不思議そうに見上げた私にイフさんは一瞬瞬(まばた)きをぱちぱちとして、それから『ああ』と思い至ったらしい。





「どうしてタオルが温もったのかが気になるのか?」


「みゃあ。」





うんっと返事を返すと、イフさんは口の端を持ち上げて笑いながら説明してくれる。





「俺は炎の守護精だからな。温めることや燃やすことなら得意だが、生憎(あいにく)冷やすことは不得意だ。それは水の守護精であるマナの方が得意だな。」





ほぇー・・・。


じゃあ熱を加えることは出来ちゃうってことなんだぁ。


じゃあじゃあ、私の大好きなお魚とかも焼き放題なのっ。


・・・今度お魚焼いてくれないかな?






話を聞いているうちに、少し湿気たぽかぽかタオルをイフさんは退けてくれてフルフルとしていたら大きな手のひらが頭の上にぽふりと置かれた。




イフさんの大きな手のひらに何度か撫でてもらうと、湿気て不快だった感触がふわりと日向ぼっこしたての毛のようにサラサラの柔らかい感触に変わっていく。




さらさらのふあふあになっていくのが気持ちよくて、思わずゴロゴロと喉を鳴らすとイフさんはふっと息を吐き出して優しく笑った気配がした。




「にゃぁーっ。」




ありがとぉ。


イフさん大好きだよぉ。


この気持ち、ちゃんと伝わるといいな。





昨日は変身出来なかったけど、いつかイフさんに私の全部を話せたらいいな・・・。


なんてこと考えてたら、いつの間にかあったかいイフさんの手は遠のいて、今度は寝癖のついていないぽんぽんの(おなかの)とこをあったかい手でなでなでしてもらった。




炎の守護精ってすごいにょっ。






寝癖。よしっ。


毛づくろい。よしっっ。


ぽんぽんの虫。げんきっっっ。


ごはんだぁ♪





キラキラキラキラ・・・・・!





食堂に向かう長い渡り廊下をイフさんは颯爽(さっそう)と歩いている。


もちろん私はそんなイフさんの肩の上・・・ではなくて、腕の中♪





昨日より慣れてくれたのか、イフさんの私との触れ合い度が結構多くなってる気がする。


夜に目が冷めた時も目の前にイフさんの顔があってとってもびっくりしたもの。




あっ。


あそこ曲がったら昨日おいちーものがあったお部屋だぁ。





そわそわとしだした私に、イフさんは感心したような声をかけてくる。




「昨日一度、食事を取っただけなのにもう場所を覚えたのか。ユキは記憶力がいいんだな。」


「みぃっ。」




大きな瞳で見上げてひと鳴きした私にイフさんは目を細めて優しい瞳を向けてくれた。





「あっ。イフ!ユキ!!おはよーう♪」


「ああ。ジン。おはよう。」


「みゃぁー。」





うん。朝のご挨拶は大事っ。とっても大事っっ。




ジンさんは少し離れたところから声をかけてきたけど、パタパタと羽が生えたみたいに走ってくる姿は流石風の守護精様だなぁと思うくらい軽い足取りだった。




「ユキ、ユキっ。今日の僕はどう?匂いしない?」




ぱっと手を出てきたジンさんの手をフンフンと嗅いでみても、昨日のミントの嫌な匂いはしなかった。




「みぁ♪」




私の鳴き声にジンさんはイフさんの顔を見る。




「ねぇ。イフ。ユキの1回鳴きってどっちだっけ?」


「1度は肯定、二度は否定だ。」


「ということは、しない?って聞いて1回だから・・・しないってことだねっ!」


「みぁ♪」





もう一度『しないよ』って意味を込めて鳴くと、ジンさんは嬉しそうに笑った。





「じゃあ、今日は僕もだっこしてもいい?」


「みぁー。」


「・・・。」




ジンさんの質問に『いいよ』と返すと、両手を差し出してくるジンさん。


前足を出して移動しようとした私をだっこしているイフさんの腕の力が一瞬強まった気がして、ジンさんの腕の中へ移動した後にイフさんを見上げたけど、イフさんはいつもどおりの冷静な表情だった。




うん。気のせいだったのかも。




そんなことを考えながらジンさんのイフさんよりも細くてしなやかな腕の中。


1つに纏めた金色のキラキラとしたサラサラの髪がジンさんの肩から滑り落ちてきて、思わずチョイチョイと前足を出してしまったら、ジンさんのくすぐったそうな、嬉しそうな笑い声が降って来た。




「ふふ。ユキふわふわだねぇ。真っ白で綺麗ー♪」




嬉しそうに顔を(ほころ)ばせたジンさんは撫で撫でと私の頭を撫でてくれて、まだ大人と子供の中間のような、柔らかな手のひらが心地よかった。





人によってだっこされる感触は違うけど、私やっぱりだっこ好きなにょ♪






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