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ヒメゴト  作者: 渡辺律
常識はなにより大切です。
24/30

昔のものがたり

ものすごく短いですが。


むかし、むかしのおはなしをしましょう。





原初の世界は力だけが渦巻き、すべてが流動的に形をかえていく、そんなところでした。

力は水のように流れ、気ままな形になり、そうしてその一瞬後にはまた別の形をとり、常に動いていました。


そんな時間がずっと続いた後。

やがて世界は、少しずつある形を取り始めました。

少しずつ、少しずつ、気の遠くなるような永い時間ときをかけて、そこらじゅうにあふれている力は「世界」になり始めたのです。




そうして、まず、光と闇の精霊が生まれました。

次に、火、風、木、土の四大元素の精霊が。

精霊たちが生まれた当初、彼らはほんのわずかの力しか使えませんでした。なぜなら、彼らは世界に渦巻く力のほんの一部でしかなかったからです。

しかし、これまた永い時間をかけて、世界中に溢れる力を精霊たちは自らの内に閉じ込めることに成功しました。

そうして、世界に無秩序にただ満ちていた力は精霊により、秩序をもって世界を循環するようになりました。


力がうまく世界をめぐるようになった結果、様々な生命が生まれ始めました。

何もない荒れ果てた地面に、緑が生い茂るようになり、川や海には魚が泳ぐようになり、緑はやがて森へと姿を変えました。

いつしか、森には虫や鳥をはじめとする生き物だけでなく、様々な動植物が現れ始め、人間がうまれました。


人間が自ら農耕を覚えることにより、人間の数はあっという間に増えていきました。

そのうち、人間は自分たちのなかに不思議な力を使える者がいることを知ります。それが、魔術師のはじまりでした。

そして、精霊を見ることができる人間がいるということも、ちょうどそのころわかったのです。




不思議な力を人は「魔法」と呼びました。

遠い、遠い昔の話です。


不思議な力を魔法と名付け、体系化し、技術として世界に広めた人間たちの集まりがありました。

彼らはやがて、グランディーヤと名乗るようになります。



今では知られていない、魔法使いの始祖と呼ばれる者たちの集まりです。







忘れ去られてしまったはずの太古の物語。

けれど、それを覚えている存在も、またあるのです。





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