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狂いだす歯車
ちょっと待ってくれ、今からまた書き出すから。
by1月14日
神山まやみか。
それからなんとか雨に濡れながらも家まで帰ると、商品は濡れていなかったものの僕達は靴下からパンツまで全てびしょびしょに濡れていた。
「うわ、気持ち悪いなあ」
「うぅ~、ホント気持ち悪いですぅ、ちょっと私髪乾かせてきますね」
そう言うと奏ちゃんはぐちょっと一回靴を鳴らせて、なれべく床を汚さないようにつま先立ちをしながら洗面所の方へ向かう。
僕も彼女を見習って、濡れて色が変化した紙袋を持ち、とりあえずリビングへ行くことにする。
「モモーただいまー」
…………。
あれ? 返事がない?
リビングの前までくると、ドアを開けてくれる意味も含めてモモに挨拶をしたが、意外にもリビングからはなにも返事が返ってこなかった。
うん、どうしたんだろ? お昼寝中?
そう思い仕方なく、荷物を置いてリビングのドアを開けると、
「な、なんだ、これ……?」