翼の翼博士による実験(猫人獣の真実……)
うっひょー♪神山は自分自身が書いているのでアレですけど……今回は必然的にエロ要素が多いので男子諸君は楽しめると思います。それではお楽しみください。
それと後書き読んでください♪
今日は晴天。梅雨の時期には珍しく空は青一色に染まっていた。空気はいまだにジットリと体にまとわりつく感じではあるが、夏が始まった証拠だと思い僕は自室の窓を開けて外を眺めていた。
現在の時刻は六時。夏の六時というとそれなりに日が昇っていて外は明るい。今日は土曜日なので学校は休日。にも係わらず、僕はこんなに早く起きてしまった。それは何故かと言うと進一から超ビッグニュースだと電話があったからだ。進一のニュースを聞いてしまったらからには、もう二度寝はできない。そして、今の現状に至る。
ちなみに進一からのビッグニュースってのは「今日彼女と初デートですっ! 遊園地行きます! 映画見ます! 大人のシーソーやります!」とのことだった。実に第三者からしてどうでもいいことを……。
こうしていても起きてしまったことにはしょうがないので、やることは無いが一応一階のリビングに行くことにする。
「うん?」
リビングに着き部屋の電気をつけるとソファで丸くなって眠っているモモの姿があった。モモは電気がつくと、耳をアンテナみたいにぴくぴくとさせて周りを警戒しているように見える。だが、目は閉じているので眠っているみたいだ。
「……寝てる? よな?」
モモを起こさないようにそっと隣にソファに座り、テーブルの上に乗っていた昨日の猫について書かれたノートを手に掛ける。モモは僕が横に座ったのがわかったのか、一瞬大きく耳を動かせた。よく見ると尻尾の先も揺らしていた。なんだか改めて見ると本当に猫そのものに見えてきた。
モモに警戒を計りながらノートを取り、中の内容を見渡す。
尻尾を触ると嫌がる。耳は敏感。水が苦手。マタタビ大好き。
最初に目が止まったのはこの四つの情報だった。そして隣にはちょうど寝ているモモ。ちょっとしたお遊び程度の気持ちでモモの尻尾を掴んでみた。
「……あんっ……ニャんッ」
な、なんていやらしい声を出すんだ! ニャんッだなんて、それはもうマシュマロの様に甘いとろけそうな声だ。最初に人間の感じが出たのもまたいい。
今のは尻尾を押さえただけなので、次は軽く撫でてみる。
「う、うっ、ぅ~ん……に……にゃ~ん……に……にゅ~っ……んっ」
「…………っ!」
あ、あぶない……なんとか自制して手を止めることができたが、鼻血が出ているあたり少し遅かったか……。
尻尾を擦ってみたい、という気持ちはすごくあったがこれ以上やってしまったらモモが起きてしまうかもしれないので、次の項目へと進む。一応、尻尾は苦手ってことでいいのか?
その辺にあったティッシュを鼻に詰めて、今度は水が苦手なのか試してみる。耳に関してはもう、やらなくても敏感だってこと大体わかったのでパスだ。
キッチンに移動してコップに水を汲み、ソファへと戻る。もちろん気付かれないようにだ。
ソファに座ると水がたっぷりと入ったコップを一度テーブルに置き、コップの中に人差し指を入れて一滴分だけを指にくっつける。そして、コップから指を出し、最初の一滴は見送って二滴目がくる間に寝ているモモの真上に人差し指を持って行く。そして、すぐに人差し指からは二滴目が落ちて、モモの顔に当たるその瞬間、
「んニャああぁぁぁぁぁあぁあぁあああぁぁぁぁあぁっ!」
悲痛の声と共にモモはソファから跳ね上がって、部屋の隅へと逃げる。そのモモの表情は涙ぐんだ顔で、いつもより耳は尖って尻尾は針金が入ったかのように一直線に立っていた。
「ど、どうした?」
「み、みずニャ……みずがモモに襲ってきたニャ……寝込みを襲われたニャ……」
ガクガクブルブルと震えて、地面にへたりと座りこむ。なんだか思った以上の結果になったぞ? 猫ってこんなに水が駄目なのか?
涙目で怯えているモモを見ていると、なんだかとても罪悪感が襲ってきたので、駄目もとで猫が喜ぶと意見の多かった、マタタビ作戦に移動する。
マタタビは昨日、奏ちゃんとの帰宅をわざわざ断って買ってきた、超高級と書かれた一箱三千円もする代物だ。キッチンに置いてあったビニールから超高級カツオ節入りマタタビと書かれた箱を取り出し、箱の中からマタタビを取り出す。
モモはその姿を今も怯えながら不思議そうに見ていた。
そうしてやっとの思いで取り出したマタタビをお皿に移し、怯えているモモの前に出してやる。てか、マタタビって粉末になっていたんだ。
「……?」
モモは一旦体の震えが止めて、お皿に入れられた薄茶色い粉を指につけて匂いを嗅ぐ。
「……マタタビ?」
「そ、そうだ。マタタビっていうやつだ。大好きなんだろ?」
「……んニャ」
そう言うと、モモの眼からは水滴が無くなっていき、そのかわり、頬の色が少しばかり紅潮した。
モモはしばらく、その粉と睨みっこをした後、指につけた粉をそっと舌で舐めた。
「…………」
「うん? どうしたモモ?」
なんだかモモの様子がおかしい。指についていたマタタビの粉は一なめで綺麗に舐め取られているんだが、その舐め取った手が震えている。それに、なんだかさっきよりも頬が赤く感じるのは気のせいだろか?
「……旦那……様?」
モモは急に顔をあげ、僕を見上げるように顔を向けてきた。その顔の表情はさっきとはまた違う涙目で顔が火照っている。
「ど、どうした。モモ」
モモは太ももの間に両手を挟んでもぞもぞとしている。
「モモ……モモはニャ……」
「う、うん」
モモは潤んだ瞳で僕のことを見つめる。
「モモは旦那様のこと大好きニャー! 旦那様はモモのこと大好きニャー? にゃんにゃん」
「ほぇ?」
モモはそう叫ぶと僕に向かって抱きついてきた。僕はバランスを崩し床に倒れてしまう。そこにモモが馬乗りの状態で乗ってくる。
「お、おい。ど、どうしんだよ!」
「モモはぁ~、旦那様のこと大好きだにゃ~ん。あれ? なんか熱くなってきちゃったにゃん」
そう言うとモモは自分の着ているTシャツに手を伸ばして、脱ぎ始めた。たぶん、僕の予想だがブラはしていないはずだ。だって僕の家にブラがある必要がないし、あったとしても奏ちゃんのだ。
「だ、駄目だ。やめろ!」
なんとかその判断までいたった僕はモモの下胸が見えてしまったところで、Tシャツに手を伸ばし一気に下げた。危ない、やっぱりブラはしていなかった。
「んにゃ? 旦那様は熱くないかにゃん?」
「お、おい! だめだって! や、やめろ!」
僕の手が塞がれたのをいいことに、馬乗りになっているモモが僕の服に手を伸ばしてきた。瞬発的に僕は自分の服を守ってしまい、モモの服から手を脱がしてしまう。
「ふぅ~、やっと涼しいにゃ~ん」
モモの着ていた服が空中を舞った瞬間に僕は目をふさいだので、なんとか今は、目の前で起きている光景は見えていない。だが、僕の手の上に温もりのある布がのっているということは確実に脱いでいるだろう。
「あれ? 旦那様寝ちゃったのかにゃん? 熱いとしょうがないから脱がしてあげるにゃん」
そう聞こえた瞬間、僕のズボンになにか違和感を感じた。
ヤバい! なんとか止めさせなきゃ! ズボンが脱がされている。
「おい! モモ、まずこれを着ろ! これを!」
そう言って右手に握られたTシャツをモモに押しつける。が瞬間、僕の手になにやら温かく、そしてやわらかい弾力のある物に触れた。たぶんだがあれだ。
「……んっ……だ、だんにゃ様、また体が熱くなってきたにゃん」
「ちょっ、だめだ! やめろ!」
目を瞑っているため何も見えないが、起きていることは手に取るようにわかっていた。
くそっ、今触れた物にビックリしてモモのTシャツをふっ飛ばしてしまった。馬乗りをされて身動きができないし。絶体絶命だ。
「だんにゃ様、ほらズボンが脱げたにゃん」
そう言ってズボンを掲げるモモ。の姿目に浮かぶ。たしかに焦って気付かなかったが妙に下半身がスースーするような……。
「助けてくれぇー! 誰か助けてくれ! やられる~! 自分の飼っていたペットにやられる~!」
「なぁ~に叫んでるにゃ~ん? じゃあ、上も脱がすにゃん」
「や、やめろー!」
そう言ってモモが僕の上着に手を伸ばした時、
「……どうしたんですかぁ~? まだ朝早いですよぉ~、それに休じ――」
「ちょうどいいところ来た!」
嬉しさで一瞬目を開けてしまったが、なんとか見えなくてすんだ。きっと奏ちゃんはこの光景を見て言葉を失っているだろう。
「か、奏ちゃん! まずは助けてくれ、話はそれからだ!」
「……あ、わ、私、今日書道の日でした! ちょっと行ってきまーす!」
「ま、待ってぇ~! 奏ちゃん書道習ってないし、こんな朝早くからやってないから~!」
★
僕は今、自分の部屋にこもっていた。ベッドの上に乗って、毛布を頭から被り完全に自分だけの世界を作っていた。あの後、すぐに奏ちゃんは家に戻ってきて助けてくれたが、僕は完全にトラウマになっていた。
暗闇の中、携帯を開いて今の時間を確認する。液晶画面には十時半と記されていた。だいぶこもってから時間が経ったみたいだ。
モモは今、下で奏ちゃんからお説教をくらっている。僕は、携帯を開いたついでに進一に連絡をすることにした。
「おい、進一?」
「よーう、なんだ。つばさー」
進一はすぐに電話に出た。今日の進一は妙に声が明るい。あ、そういえば進一は今日初デートとか言っていたからか。くそぉ、僕が苦しんでいる間にコイツはウハウハと浮かれやがって。
僕は言いたい内容だけを単刀直入に言う。
「なんか、僕の家の猫にマタタビをあげたんだけど、なんか様子が変になったんだ」
「翼、そりゃそうだよ。マタタビって言うのは猫にとってお酒みたいなもんなんだから。それもウォッカとかテキーラとか結構アルコールの強いお酒なんだぞ?」
「そ、そうなのか?」
つまりモモは酔っぱらったってことなのか。だから頬が紅潮してたのか……。たしかにそれならさっきのモモの行動には納得がいく。そのせいで危うく僕はいろいろと失いかけたんだが。
「そりゃ常識だろ。まあいい、それじゃあ悪いけどデート中なんで切るわ。グッバイ」
そう言うと最後のニシシと笑って電話を切った。そんな常識と言われたって、猫を飼っていなかった人にとってはマタタビっていう存在をすら知らなかったんだぞ。
とにかく一応、どうしてああなったかは解決したので、時間も時間だから毛布から外に出てリビングに向かうことにした。
リビングへ行くと、ソファに奏ちゃんが座っており、その目の前でモモが正座をさせられていた。
モモはもうマタタビの効果が切れていつも通りのモモに戻っていた。もちろん、服だって着ている。僕の服だけど。
「奏ちゃん、もういいよ。別にモモだって悪気があってやったわけじゃないし、僕の知識が欠けていたのも原因なんだから」
そう言って奏ちゃんに近づき、モモを立たせてあげる。
「そ、そうですけど……もう少しで翼くん、あ、あれだったんですよ?」
「まあね。でも奏ちゃんが助けてくれたから大丈夫じゃん。ありがと」
そう言うと、奏ちゃんは何故か顔を伏せてしまった。
どうしたのだろう? ちょっとエッチな話だから恥ずかしくなったのだろうか?
「あのぉ~、旦那様~」
僕が不思議そうに奏ちゃんを見ていると、横から普通のモモが話をかけてきた。
「うん、どうした?」
モモは手を前でクロスして恥ずかしそうにしている。
「そのぉ、何があったか覚えてニャいんだけど、すごく旦那様に迷惑かけちゃったみたいなので、本当に
ごめんなさいニャ」
モモは深く頭を下げて謝った。
「なに言ってんだよ。ほら顔をあげて、久しぶりに天気がいいんだから散歩行ってきなよ」
そう言ってモモの頭を撫でてあげる。モモは耳をピクっと動かすとにへぇ~と笑って顔をあげた。
「旦那様だから好きニャ~、じゃあモモは外行って来るニャ」
「気をつけて行って来いよー、あと他の猫をいじめるなよ?」
「はーい」
モモは嬉しそうに笑い、首輪の鈴を奏でながらリビングから出て行った。
部屋に残った僕と奏さんはお互い顔を見つめ合いお腹の音を鳴らす。
「お腹空いたね……」
「そうですね……」
僕達は朝からあんなことがあったので、朝ごはんは作れなかった。そのため、もちろん食べてもいない。
「じゃあ僕ら外で食べますか、天気もこんなにいいことだし」
「はい! そうですね。久しぶりにデートしましょう。デート!」
まあ、デートってわけじゃないんだが……奏ちゃんが喜んでくれるならそれでいいや。
奏ちゃんは「着替えてきます!」と言ってすぐに二階にある自分の部屋に行ってしまった。ちなみ僕の隣の部屋が奏ちゃんの部屋だ。
一人部屋に残された僕もこれと行ってやることはないので、僕も着替えることにした。
どうでしたでしょうか?活動報告でお知らせしたぶん、一気に更新しましたが……。
それと、お願いです、評価ポイントつけてください(泣)
お気に入り登録はあるんですけど、評価はまだ一人しかつけてくれていません(泣)
ショックです。ショックで私はシックになってしまうかもしれません。
ですからお願いですのでちょちょいと評価をつけてください♪
お願いします。
あと、次は9時更新です。