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不折の刃 〜Unbroken〜  作者: 野良猫〜すぐbroken〜
3/14

代金

鍋の湯気が立っていた。

鍛冶場の奥、小さな机。

黒鉄一心が椀を置く。

「食え」

ラピスは少し驚いた。

椀を見る。

温かいスープ。

パン。

しばらく黙ってから言う。

「……」

椀を持つ。

そして小さく笑った。

「ここは鍛冶屋だ」

一心は鍋を見ている。

ラピスは続ける。

「飯屋じゃない⋯って言わないんだね」

一心は短く答える。

「腹が減ると人は死ぬ」

ラピスは少し止まる。

「ありがとう」

それから食べ始めた。

昨日から何も食べていない。

体が熱くなる。

一心は黙っている。

やがてラピスの手が止まった。

「昨日の話」

一心は鍋に水を足す。

「刀のことか」

ラピスは頷く。

「作って」

一心は言う。

「時間がかかる」

ラピスはうなずく。

そして言う。

「代金は必ず払う」

一心は何も言わない。

ラピスは続ける。

「今はまだ、ないけれど」

正直に言う。

「でも」

目を逸らさない。

「必ず払うから」

鍛冶場が静まる。

炉の火が揺れる。

一心はしばらくラピスを見ていた。

だが何も言わない。

ただ立ち上がる。

炉の前に戻る。

鉄を火に入れる。

ラピスはその背中を見ていた。

一心は槌を持つ。

カン。

火花が散る。

ラピスは小さく息を吐く。

「……わかった」

一心は答えない。

ただ鉄を打つ。

カン。

その音が、鍛冶場に響いた。

ラピス

「代金は必ず払う」

一心

「そうか」

ラピス

「ちなみに、ごはん代はサービス?」

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