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ダイエット歯ブラシ

森林の中にある公園。

壮年真っ最中の私は、腹回りが太くなったことを気にして、最近、ジョギングを始めたのだ。

夕御飯前の夕暮れ時、準備体操でストレッチをしていると、スーツを着た男が近づいてきた。

「歯ブラシはいかがですか健康に気を遣っているように見えられますあなたに、今一番必要なのは歯ブラシです」

彼は白い歯を見せ笑顔で話しかけてきた。

歯ブラシを受け取ろうとして私に彼は続けざまにこう話した。

「お代は要りませんただ目の前で歯を磨いていただきたいのです」

「歯を磨けと言ったってわけのわからないものを口にいれたくはありませんよ」

「あなたのおっしゃることはもっともです。失礼いたしました。実はこの歯ブラシ、特別な効果があり、特にあなた様がお似合いかとお声掛けさせていただきました。効果はズバリ、ダイエットです」

「歯磨きでダイエット?そんなうさんくさいもの、ありますもんですか」

「それがあるのです。この歯ブラシは、食べたカロリーを磨きだしてしまうのです。つまり、好きなだけ食べても、簡単に痩せられるのです」


走っても簡単に痩せられるわけがないからやめたかった私にとっては、試すに値する誘いであった。


早速、試してみる。

6秒磨いて、口をすすいだら1キロ痩せた。


「こんな夢のような商品があるんですね。おいくらですか?」

「10万円でございます。しかし、今すぐはいただきません。日没までお貸しいたします。そして、間違いなく効果がある。と認められましたらご購入ください。お試し期間に何キロ痩せましても、そして返却されましてもお代はいただきませんし、責めもいたしません」

「わかりました。それでは早速試させてください。日没には戻ります!」



しかし、待てど暮らせど、戻ってこない。


「また1つ、魂が収獲できた。人間、損しないように必死になれば、時間なんか忘れてしまう。あと少し、あと少しの欲を出し、自分の体重以上を磨けば、ね」




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