神話創生 アトラス歴1462年【538年前】4-1
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魔王サラサの配下【疾風怒濤】のライルと魔王サラサの活躍によって各地は平定されていき、魔王軍には各地からの生き残りと言う名の援軍が集まってきた。
これにより人類側も自分達の問題毎を含めて焦りを見せはじめる。
その焦りを誤魔化すかのように闘技大会を開く運びとなった。──そして当然ながら、この闘技大会には青龍が強制的に参加させられるのである。
この闘技大会開催国は最前戦の遥か後方にある【武人国家ブージン】かと誰もに思われた。
──しかし、実際には闘技大会の開催国は魔王軍との最前戦近くにある国【流麗国家アビダル】にて行われる事となる。
人類側の狙いは、ファーラスト王国から中々動かない青龍を最前戦付近に送り込む事と、破竹の勢いで進軍している魔王軍に対して牽制する為の心算だ。
そして、予想通り青龍の情報が流れるや、【疾風怒濤】のライルも警戒しての事か、進軍も止まった。
そんな思惑に縛られない別勢力の男、ナギは青龍を偵察する為、【流麗国家アビダル】へと潜入するのである。
◆ナギside◇
俺たちはアビダルに無事に潜入していた。
「意外と大胆だったな……俺達」
「不審な動きしないで、堂々としてれは良いんですよ! 周りは私達が思ってる程、他人に興味なんて無いんです」
とか言ってるコイツはバッチリ変装を決めており、俺は俺で紅眼を隠す為に眼帯を装着したりしている。
「それにしても【流麗国家】とは良く言った物だな……」
この街は華やかな服を纏った者達が煌びやかな街並みを優雅に歩いている。
「此処も元々は魔族領なんだろ?」
「ここは魔族領と言うよりかは中立国って感じかな? ──まぁ、表向きには中立とか言ってるけど、明らかに人類側なんだよね」
そうなのか……魔族はとことん嫌われてるな。
「因みに、この国が治める街の一つで人魔会談が行われたんですよ」
「……人魔会談って魔子や大量の魔族が騙され、虐殺された奴だっけ?」
「はい。疲弊した魔族達が降伏する為に設けられた虐殺会談ですね……まぁ、結果的にやり過ぎた人類は今、こうして手痛い反撃を受けちゃってますけどね」
まぁ、魔族もコレがきっかけで魔王サラサを召喚する事になったからな……窮鼠、猫を噛むって奴だ。
「追い詰め過ぎるのは良くないってこった。俺達も神永教会と戦う以上は、そう言うのも見極めて行くぞ」
「はーい!」
「うっし! それじゃ闘技大会まで、あと三日はあるが偵察は情報収集は引き続き行うぞ」
「それじゃミニゴーレムちゃん達も色んな場所にバラ撒きますね」
白虎が能力を使い、小石サイズのゴーレムを足元に大量に生み出しはじめる。
「それじゃ、自由時間にするぞ? お前も楽しんでこい」
「一緒に行かないんですか?」
「いがね」
「何で訛ったんです?」
「気にするな」
「まぁ、分かりました。宿取れたら私もフラフラ出かけて来ますね」
「はいよ」
その後、俺達は宿を取ると其々の自由時間となったが、俺は白虎に着いて行かなかった事を後悔する事となった。
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「カケルさんを闘技大会にエントリーしておきましたね」
帰って来た白虎が開口一番にそんな事を宣った。
「おまっ……おまっ……! 俺達の目的は青龍の偵察なのに何で目立つ大会に出ないと行けないんだよ!」
「青龍ちゃんの実力を肌で感じ取ってもらおうかと思ったんですよぉ〜」
「……」
まぁ、言いたい事は分かるが……俺は無事に街から出れるのだろうか?
「大丈夫です。カケルさんの事は、ちゃんとナギで登録したし、そもそも日本人だとは思われません。それに魔将=ナギで結び付けられる人なんて中々いませんよ?」
「……確かに!」
「そう言う事です! 頑張ってくださいね!」
「あぁ! 任せとけ!」
騙されてる気はするが、青龍を相手に今の自分が何処まで通用するかは気になるところではあるな。
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