神話創生 アトラス歴1460年【540年前】2-5
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水神・水軍圧倒に阻まれつつも魔王サラサの孤独の戦いは始まっていた。
◆魔王サラサside◇
水で作られた軍団は我に向かって津波の様に押し寄せてくる。
しかし、それ自体は何ら問題は無かった。問題があるとするならば、
「ちっ! 屠っても屠っても次々と湧いて出てきおって!」
水神は自身を模した分身を延々と作り続けていた。
この分身もそれ程強い訳では無いが本体を守る様に作られていた為に攻めあぐねている。
「嫌らしい戦い方だな……。我と直接戦うのがそんなに怖いのか?」
「まぁ、俺は他の三人と比べて肉体労働は嫌なんでね……能力を使ってお前の体力を削がせて貰う」
水神はそう言っている間も分身を作る速度は緩めていなかった。
分身をどれ程の数を倒したかは分からない。隙があれば水神との距離を詰めようともしたが、本体は直ぐに分身を身代わりにして距離を取ると言う事の繰り返しだった。
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周囲が水気に包まれた頃、戦いに変化が訪れた。
「どうした? 小賢しい戦いだけでは我を消耗させるなんて無理だぞ?」
実際に面倒な戦い方では有ったが、分身自体は普通の一般兵士レベルの強さしかなくそれ程の苦はなかった。
「……なぁ、能力って成長するって知ってるか?」
「急に何だ?」
水神が突拍子も無くそんな事を言い出した。
「能力を使いまくってると唐突に頭の中でな、こんな事が出来る様な気がするって瞬間が生まれるんだよ。──最初は水を創造し操るって事しか出来なかったんだけど、気が付けば俺と同レベルの身体能力を有した水分身を作れる様になったんだ」
水神は止まる事なく魔王へと語る。
「だから何の話しを──」
「それでな、少し前にもまた同じ感覚が俺に来たんだよ、」
「こんな風にな!」そう言った水神は歪な笑みを浮かべた。
「水神・洪水神話」
◆ナギside◇
「地神・大崩壊」
ゾッとする程の悪寒が俺を襲い、魔王の心臓がドクンと警鐘を鳴らした。
その与えられた警鐘に従い、俺は咄嗟に大地を蹴って遥か上空へと跳躍する。
直後、ドォォォォォンと言う爆発音の様な地響きと共に、俺が直前迄そこに居た場所を底無しの大地へと姿を変えて行く。
「マジかよ! 殺す気は無いとか言いつつ殺意全開の技じゃねーか!」
上空から地上の様子を見ていると、白虎が俺の姿を見失っている事に気がつく。
「確かに地上ならお前は圧倒的に強いな……だが──」
上空で態勢を整えた俺は、白虎を倒すべく一つの言葉を紡ぐ。
「── 火球」
俺は自身を燃やす様に火球貼り付ける。
そして、
「── 鳳凰飛翔!!」
白虎に向かい、焔となった俺は弾丸の如く敵に突っ込んだ。
「うらぁぁぁぁぁぁ!!!」
「!?」
俺の接近に気が付いた白虎は迎撃態勢を咄嗟に取ったが、
「もう、遅えぇよ!!!!!」
勢いに乗った俺の拳は白虎に届こうとしていた。
「──ひっ!」
「──!?」
迎撃が間に合わないと悟った白虎の表情を見た瞬間、俺は拳を逸らしてしまった。
(クソ……あんな顔されたら殴りづれぇわ……)
泣きそうな顔の白虎の表情は、過去に戻る前に会ったファリスの最後の姿を俺に思い出させられた。
だが、それはそれとして。
「……俺の勝ちだ」
俺の勝利宣言と共に地神はペタンと座り込んだ。
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敗北した白虎は借りてきた猫の様に大人しくなっていた。
「さて、約束通り青龍の事を話せ」
「……約束ですから……ね。ちゃんと教えます」
何時も見て頂きありがとうございます。




