神話創生 アトラス歴1460年【540年前】2-3
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アトラス歴1460年──。魔王サラサ・クロムウェルは魔将が動いた事を確信した為、単身で城塞都市イエルバに向かった。
しかし、情報とは違いイエルバには魔将は居らず、また【地神】も居なかったのだった。
◆ナギside◇
「私の事じゃなくて、青龍ちゃんの事を聞きたいんですか?」
「まぁ、敵の情報だしな……お前が教えないって言うなら無理矢理聞き出す事になるんだが?」
正直な話し女を殺すって言うのは気が引けるが、コイツが俺の正体を知った以上はこのまま帰す訳にもいかない。──まぁ、コイツ自身も俺を帰す気はなさそうだがな……。
「無理矢理って……まぁ、それでも良いですけど場所を変えませんか? 何も無くて二人きりになれる場所に」
まぁ、コイツも自由に能力振るいたいだろうし、俺も潜入してるのはバレたくないし願ったりだ。
「そうだな……何処が良い?」
「イエルバを出て暫く東に行くと、今はもう廃墟と化した村があります。其処ならどうでしょう?」
「いいぜ、其処行くか」
俺は白虎と一緒に廃村へと向かった。
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目的地に到着すると、白虎が言った通り其処には廃村しかなかった。しかし、その村の状況はまるで大地震に見舞われたかの様な惨状だ。
大地はズレ、瓦礫が辺りに散乱している。
アルバ村での被害状況は【炎神】が全てを灰にした様な光景であったが、この村の状況を見るに【地神】がやった事だと直ぐに推察できた。
「さて、ここら辺で良いだろ?」
「そうですね、此処なら誰の邪魔も入りませんし、ゆっくりとデートが出来ますね」
「デートはもっとロマンティックにしたいんだがな……」
「お望みならそっちでも良いですよ? むしろ私としてはそっちのが良いんですけどね……」
俺と白虎は軽口を叩くと、定められていたかの様に唐突に戦闘が始まる。
「──疾っ!」
ナギは魔王の心臓で得た力を使い眼にも止まらぬ速さで疾走する。
しかし、それは目の前に突如として現れた壁に阻まれた。
「速いですね。──ですが、地上で戦うのならば私には勝てませんよ」
白虎はそう言うと、左足でトンっと軽く地面を叩く。
「!?」
たったそれだけの行為で大地は形を変え、幾重もの槍となってナギを襲う。
「火球!」
俺は大地の槍を回避しながら無詠唱でファイヤーボール作り出し、白虎に間髪与えず飛ばす。
「無詠唱、そしてその身体能力。マルチスキルの持ち主ですか? 或いは神スキル?」
「教える訳無いだろ……それとも教えたら俺の協力者になってくれるのか? だったら殺さないでやるし、教えてもやるよ!」
「それも魅力的ですが、魔族を根絶やしにするのが私達の仕事ですので無理ですね」
何で、コイツらは魔族に対してこんなにも攻撃的なんだ?
「死んでから後悔すんなよ?」
「それはお互い様です。まぁ、とは言っても私は貴方を殺す気はないですけど! でも負けたら色々と覚悟してくださいね」
クスクスとした笑みを浮かべながらそう言った【地神】は一歩も動いておらず、尚も大地の形を様々に変えナギを襲わせる。
「流石に朱雀のカスを倒しただけありますね」
白虎は攻撃しながらも気軽に話しかけてくるが、ナギの方は火球を放ったり、回避したりで割と余裕がなかった。
「あぶなっ!?」
死角から鞭の様にしなる大地が俺を襲ってきた為、咄嗟に拳で破壊しようとしたが、
ニュルン。
「なっ!」
鞭の様に動く大地は俺の拳を柔らかく呑み込み、そのまま俺を捕らえた。
「勝負有りです……大人しく私のこ、恋人になって下さい!」
「──これが恋人にしたい人にする仕打ちか?」
「恋人だって、時には喧嘩位しますよ! どちらにせよこうなったら私の勝ちなんですから大人しく言う事聞いて下さい」
こいつ、完全に上からだな……。
「今のうちに言っておくけど、さっさとコイツを解いて青龍の事を教えろ……じゃないと本気だすぞ?」
「そう言うのは解いてから言って下さい」
言っても分からないか……ハァ〜、仕方無い、やりたく無いけどやるしかないな。
「どうなっても知らんぞ?」
俺はそう言うと、【魔王の心臓】と肉体を同期させる。
血が沸騰する様な感覚が俺を襲う。
髪は更に白髪化が進み、中から肉体が作り替えられる。
俺は力を解放する度に確実に人間と言う枠から外れていく……。
それは何も肉体だけの話しだけじゃない。
俺と言う存在は確実に【魔王】になっていく。
未来の魔王もきっと自分が人間を辞めて行く事を実感しながら戦って来たのだろう……。
それでもサラサは"人間"である様に振る舞っていた。俺もアイツの様に"人間"を保てるだろうか? ──いや、保ってやる!
「アァァァァァ!!!」
恐らく俺の【魔王】侵蝕度は現在15%ってところか? きっと100%になったら俺と言う存在は別の形に変成する。だが、それでも俺は抗い進む。
「■■■■■■ーー!!!!」
俺は声にならない声を出しながら自身を捉えている大地を、肉体の力のみで破壊すると、そのまま白虎に向かって真っ直ぐ突き進んだ。
「嘘っ!? ──だったら!」
戒めを解いた俺に【地神】は一瞬驚きはしたものの直ぐに次の攻撃を繰り出す。──更に密度がました大地が俺を捉えに掛かった。
「焔拳!」
火球を拳に纏わせ襲い来る壁、大地を爆砕する。
「そんな! ……ハァ〜、しょうがないですね……」
劣勢になりそうになった【地神】は軽く溜息を吐くと、地面にそっと手を付いた。
そして、
「地神・大崩壊」
小さく呟かれたその言葉は、けれど俺の耳にハッキリと届いた。
何時も見て頂きありがとうございます。




