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俺のデバフは理を破る!〜俺が強い?違うなテメェ等が弱くなったんだよ!〜  作者: 鋼夜
二章 魔族侵攻編

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82/213

五十二デバフ

急に仕事に穴が空いた為、時間的余裕が出来たのだ更新です。

二章はこれにて最後となります。

三章は全話修正、加筆等が終わり次第更新します。

三章では暫く空気だった主人公がメインで動きます。


三章の更新は恐らく3月前後?位になると思います。

 翔は世界の理から外れ、過去の扉を開く。

 きっと、この扉の先には誰もが望む未来が有ると信じて……。




◆夕凪翔side◇


 其処は地獄の様な光景が広がっていた。


「なん、だ……コレ」


 村は燃え、辺りからは悲鳴が呪詛の様に響く、その呪詛を肴に嗤う人間の声が辺りに聞こえる。


「…………」


 俺は人間に見つからない様に、無言で辺りを探すと、傷だらけの少年がフラフラと歩いていた。少年は限界を迎えたのか、その場にドサっと倒れる。


「だ、大丈夫か!?」


 少年に駆け寄り、身体を抱き寄せると小声で何かを呟いている。


「……た、く……ない……」


 死にたく無い。ハッキリと聞いた訳では無いが、翔に何を言いたいのかが伝わった。


「……あぁ、大丈夫だ……きっと君は死なない」


 それは嘘だった。誰の目から見てもこの少年の命は直ぐに尽きるだろうと判断する。


「…………」


 しかし、そんな翔の嘘に応えるかの様に少年は微笑み、その小さな命は静かに消えていった……。


「コレが過去の世界、魔王が見続けていた世界……なのか?」


 少年の死体を比較的綺麗な場所でそっと横たわらせると、


「……そうだ、魔王だ。……確か魔王が近くに居るとか言ってたな」


 魔王を探す為に少し歩くと、聞き覚えのある声が悲鳴となって俺の耳を打つ。


(この声は……魔王か?!)


 俺はこの世界での自分の立ち位置がまだ不鮮明な為、取り敢えず持っていた仮面を付け、急いで声の方に向かう。


 そして、現地に到着すると、


「私……いや違うか……我の名はサラサ・クロムウェル。(人間)の世を終わらせる終焉の魔王也」


 其処には未来で見た魔王とは似ても似つかない姿……具体的に言うと衣服がボロボロになっており、とても扇情的な姿をした魔王が数多の屍を築き上げて、其処に立っていた。



「魔王、大丈夫か!?」

「ん? お前は人族か……いや、魔族の気配を感じるが……まぁ良い、お前は人間側か? それとも魔族側か?」


 魔王の質問に対して、俺はコレが踏み絵だと瞬時に理解する。


「魔族とか人族とかはどうでも良い……俺はお前の味方だよ」

「人族がどうでも良い? この地獄を作り上げた奴等だぞ? ……こんな獣共は駆逐するべき害……獣だ、ぞ……」


 虚ろな表情をしている魔王は力を使い過ぎたからのか、その場で倒れる。


「お、おい! 大丈夫か」


 俺は先程の少年の様に危険な状態なのかと思い、慌てて側により抱き寄せると、


「すぅ……」


 静かな寝息が聞こえた。


「寝てるだけかよ!」


 ……まぁ、無事なら良いんだ。


 それよりも、


「隠れてないで出てこいよ、居るんだろ?」


 魔王の心臓の影響からか、俺の五感が恐ろしい程に研ぎ澄まされている。そして、その研ぎ澄まされた感覚の中で、危険な存在が近くに居るのを察知出来た。


「何だ、バレていたのか? まぁ、良いや、その良い女を寄越せよ」


 そう言いながら現れた男は俺の知っている人種、日本人だった。


「お前、異世界人だな?」

「ん? 何だ、俺を異世界人だと知っているって事は……お前、魔子の一人か?」


 魔子と言うワードを喋る時、男のプレッシャーが大きく跳ね上がる。


(コレは、そうですって言ったら戦闘が始まるよな……)


 本当なら戦闘なんて面倒で嫌だが、俺は魔王を助けに此処に来たんだ。それなのに魔王を寄越せって言う輩に従う訳にはいかない。


 だから俺が取る選択は一つ。


「……そうかもな、俺の名は魔将ナギ・ケルウェル。お前達、勇者の敵対者だよ」

「そうか、名乗りを上げてくるたぁ良い度胸だな、だったら俺も名乗ってやるよ。俺は総てを焼き尽くす炎の帝王。【炎帝】南條朱雀(なんじょう すざく)!」




 此処から五百年を超える俺の戦いが始まる。

 遥か先の未来に、俺の仲間達……【逢いの絆】の皆んなと、色んな想いを背負い、全てを救う為に戦い続ける。


 誰もが羨むハッピーエンドの為に……。

何時も見て頂きありがとうございます。

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