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俺のデバフは理を破る!〜俺が強い?違うなテメェ等が弱くなったんだよ!〜  作者: 鋼夜
二章 魔族侵攻編

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四十五デバフ

少しだけ時間取れたので更新です。

次回更新は前回記載した通り28日です!

 魔法、獣魔、剣撃、あらゆる方向からの同時攻撃だったが、全て紙一重で躱す魔王。

 余裕な顔して紙一重で躱す、つまりは攻撃が全て見えていると取れるだろう。




◆大神拓哉side◇


(僕らの攻撃は見切られている!? この状況を覆すなら、神剣をもう一つ召喚するしかない……)


 そう考えた大神は一度距離を取り、神域領域に干渉した。


(此処で魔王を倒せば全てが終わる……。それなら、出し惜しみをしちゃいけない)


 大神はグラを倒した時に使った剣、ケラウノスを領域内で探したが、あの時と違い、見つける事すら出来なかった。


(見つからない。……仕方ない! だったらバルムンクとエクスカリバーの二刀流で底上げしてやる!)

「万物を断つ刃! 来いバルムンク!」


 領域内からバルムンクを取り出した大神は直ぐに、魔王へと斬りかかる為、一直線に飛び込んだ。

 剣を振りかぶる時に見えた魔王の表情は、喜悦の顔に歪んでいるのを見てしまった。




◆魔王サラサside◇


 勇者の一人が我から距離を取り、何かをしようとしていた為、様子を窺っていると。


「万物を断つ刃! 来いバルムンク!」


 おぃ……まさかあの男、神域領域に干渉しているのか? そうだとしたら…………やっと、……やっと領域干渉者を見つけた。


(いや、神子では無く同胞である地球人だ、神域領域の扉として使う訳には行かない、か……)


 だが、それでも能力者を見つけた! 神に、我の、私の企みがバレていて干渉能力者を作らないのでは? と疑心暗鬼にもなっていたのだ。だからこそ見つけれた事がとても嬉しく思った。


 自分の顔を見る事が出来ないから解らないが、きっと今の自分は凄い顔をしているだろうとは理解している。


 しかし、見つけたからにはそんな事に構う訳にはいかない、と直ぐに動いた。


「──悠久なる時を生きる愚者よ、我の勝利

を阻む愚者よ、我の声はひたすらに同胞の為に響かせよう。

 ──寄り添う位相(フェイズ・シフト)


 神から此処にいる者達全員を隔離した。

 術の後、話しを聞いてもらう為にも前衛三人には動けなくなってもらうとしよう……。



 一瞬、ほんの一瞬で全ての決着が付いた。


 眼下には倒れ伏すは勇者、神子達。


 自身の身に何が起こったのかを彼等は全く理解出来なかった事だろう。




◆更科美香side◇


 一瞬でリリーナ達が倒された。


 魔法を使わないと言った魔王が何かの呪文を唱えた後、遊びは終わりだと言わんばかりに前衛三人を戦闘不能にした。

 遠目から見ていた私でさえ消えたと錯覚する程の速度だった。それならば目の前で相対している彼等からすれば、理解の及ばない倒され方をした事だろう。


「そこの勇者……。私に協力しろ、そうすれば助けてやるよ」


 動けなくなった大神に魔王はそんな事を言い出した。




◆大神拓哉side◇


 魔王は何を言っているんだ?


 大神の頭に、真っ先によぎったのはこの言葉だった。


「……どう言う事だ」

「どうも何も、今聞こえた言葉そのままの意味だよ。お前が私の新術作成に手を貸すならばのならば、此処にいる全員の命を助けてやる」


 上からの物言いに大神の頭は沸騰していた。


「ふざけるな……。散々罪も無い人達を殺しておいて、よくそんな事が言えるな!」

「罪も無い? それはお互い様だろ……我等と貴様等は戦争をしているんだ当然犠牲者は出るよ……。そして何よりこの戦争は貴様達人類が始めた戦争だ」


 大神は以前、グラから聞いた言葉がよぎる。


「騙し討ちされたとか言う話しか?」

「何だ、知っているのか? ……まぁ、それは数ある出来事の一つではあるがな」

「どうして人類を其処まで恨むんだ!」

「……過去の出来事を思い返せば恨むのは当然だろ? むしろ、何で恨まれないと思う。人族は魔族を玩具の様に弄んでたんだ。やり返されて怒るのは筋違いだろ」

「だけど!」

「まぁ、お前達人類が隷属して我の支配を受け入れるならば不自由は強いる事にはなるが、人死には圧倒的に減るぞ?」


 実際、神殺しが目的の魔王はそれが成せると言うなら究極的な話し、人族、魔族の勝利は割とどうでもいい……のだが、どちらの味方? となると心情的に魔族の味方ではあった。


 そんな事を知る由もない大神には魔王は力で支配する様な奴って印象を覚えていた。


「此処でお前を倒して、人類を救う! それが僕達勇者の役目だ!」

「……フゥ〜、もう一度聞く。我に協力しろ。そうすれば此処で死ぬ者は……未来で死ぬ者は減る」

「断る!」

「そうか……。なら、お前の心を折る事にするよ……」


 その言葉を発した時、魔王からは膨大な魔力が噴き出していた。

 魔力は黒い霧状になり、周囲を侵蝕していく。


「──深淵より来たるは終焉の唄、我の業は破滅の刻、この身に受け入れよう……。

 ──嗚呼、神は何故、生きとし生けるものに試練を課すのか。

 ──嗚呼、何故、世界はこんなにも残酷なのか……。

 ──その試練には一体何の意味があろうか……」


 歌う様に詠唱する魔王の姿は、妖艶で美しく誰もが見惚れて動けない……或いはこれは恐怖と言う感情だったのかもしれない。




◆リリーナside◇


「何としてもあの魔法は止めないといけないですね。……しかし、私の結界が上手く機能していない、これは一体……」

(攻撃を受け過ぎたからでしょうか? もしくは先程の魔法……?)


 魔力の奔流が周囲を包む中、リリーナは一人動こうとしていた。

 しかし、ボロボロになった身体から来る影響か、剣神結界も使えなくなり、彼女の意思とは裏腹に上手く動いてくれなかった……。


 結界が使えない原因、それは魔王が先に放った魔法だったが、寄り添う位相(フェイズ・シフト)は意図した効果は勿論、魔王本人も意図していない効果が発揮されていた。


 その意図していない効果とは、神域領域から隔離された者の力を領域から取り出せなくなっていた。

 それが原因で剣神結界が上手く発動出来なかった。


 これは大神も同様ではあったが、顕現させた武器は此方に存在する物になっているので問題は無い。問題が出るのは新しく顕現させようとした時に影響を受ける、と言った事だろう。


「……結界が発動出来なくても、そのまま突き進む迄です!」


 先程のダメージが残る身体に鞭を打ち、立ち上がるリリーナだが、その間にも魔王は詠唱を続けていく。


「──我が進むは叛逆の道。否、これは正義への道。

 ──世界がこれを悪と言うならば……我は喜んで悪を成そう。

 ──此れは神の希望を塗り潰す我が絶望の一撃」


 詠唱が終わると、何の躊躇いも無く魔法を唱えた。




 ── 奈落に沈む希望(アビス)



 王都は黝に侵蝕された。

何時も見て頂きありがとうございます!

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