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俺のデバフは理を破る!〜俺が強い?違うなテメェ等が弱くなったんだよ!〜  作者: 鋼夜
二章 魔族侵攻編

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四十三デバフ

更新です。

次回は22日の明日更新予定です。

 アガスト王の演説後、逃げる者、魔王軍に恨みを晴らす為、軍へと志願する者達とで国内は慌ただしく動いていた。




◆大神拓哉side◇


 拓哉が目を覚ました時には、既に城下に運び込まれた後だった。


 グラとの戦いの後の事は、ハッキリと覚えていないが、朦朧とする意識の中、確かに神剣を握った……と言うのは覚えている。


(あの時に握った剣は何の剣だったんだろう?)


 倒れる直前に握った剣は、過去に使った剣では無いと思うが、絶対の自信は無かった。


「拓哉君は次の籠城戦はどうするつもり? 城の外に出て戦うのかな?」


 あの時の事を思案していると、魔力枯渇症から回復した萩原が、リーダーである大神に次の戦いについて聞いてきた為、そこで思考を打ち切った。


「ん〜、長期戦になりそうですし、クラウソラスを振り回して直ぐに倒れる訳にはいかないですからね……だから、僕は防壁に張り付く敵を中心に倒すつもりです」

「確かに……拓哉君はその方が良いかもね〜。私は中級、上級魔法で様子見をしつつ、敵の本隊に封印指定魔法を撃ち込んでやるわ!」


 大事な局面で動けなかったからなのか、萩原のやる気は凄まじかった。


「そうですね! 私も皆さんの回復を精一杯支援したいと思います」


 そして同じく、仲間が傷を負っていく中、安全な場所で治療だけしか出来なかった天野も同様にやる気が満ちている。


「そうだね、みんなで協力して魔王軍を止めよう!」

「「頑張ろう!」」


 三人は魔王軍の侵攻を止める為、更なる結束を深めた。



 そんなやり取りをした後、大神は城下の様子を見る為に散策していると、小さな女の子……更科美香も同様に散策している姿を見つけた。


「更科さん!」


 思わず呼び止めてしまうと、更科はピタッと足を止めて此方に振り向いた。


「アンタか……態々、私を呼び止めてどうしたのかしら?」

「いや、助けて貰った事を改めてお礼を言おうとしただけだよ」


 目を覚ました時に少し話した位だったので、ちゃんとお礼をしようと思った大神だったのだが、更科の面倒そうな態度に少しだけ怯んだ。


「ハァ〜、別に礼は要らないわよ……。アンタを助けたのだって、今は貴方の力を失う訳にはいかないって理由しかないし、そんな理由で助けた私に礼は不要よ」


 冷たい対応に挨拶だけして帰ろうと思った大神は、


「……分かったよ。でも更科さんは僕に貸しを作ったんだから、何か有ったら言ってね? 出来る限り力になるよ」

「だったら……魔王軍を何としても倒しなさい。それで良いわよ」

「いきなりハードなお願いだね。……でも分かった、出来る限り頑張るよ」

「えぇ、頼んだわよ」

「……それじゃ、僕はもう行くね」

「そう、さよなら」


 そうして、大神と更科は別れ、散策を再開した。




◆更科美香side◇


 もしも、翔が自力で帰って来れない状況なら、私達が迎えに行くしか無いかな……? そんな事を考えながら街の様子を確認していると、背後から話しかけられた。


 背後を振り返ると優男代表、大神拓哉がそこに居た。

 何でも、助けられたお礼とか貸しが出来たとか言うから、翔達の為に魔王軍を倒せって言っておいた。


(悔しいけどアイツは魔王軍に対抗出来る筆頭だから、何としても敵を蹴散らし、向こう側までの道を作って欲しいわね)

「フフッ……私も随分と性格が悪いわね」


 黒い考えをしていた自分に、少しだけ嘆息した更科だった。




◆軍人志望の青年side◇


 父が戦争で死んだ。

 その事でアガスト王を恨みかけたが、そんな感情は演説を聞いて霧散した。


 それもそうだろう。確かにアガスト王は父を戦争に送り込んだ人だが、そもそもの話しとして魔王軍が侵攻してこなければ父が死ぬ様な事も無かったのだ。


 そう結論を出した時、青年の覚悟は決まった。

 自分も武器を手に取り、魔王軍と戦う。


 きっと、いや、確実に自分は死ぬだろう……。

 そんな事、青年は百も承知だった。しかし、魔王軍に一矢報いたい思いが、自身を軍人の道へと歩ませる。

 その先、何も出来ず死ぬ未来が待っていたとしても……そして、それが彼だけに限らず、多くの者達が同様の結末を辿る事になったとしても……。

何時も見て頂きありがとうございます。

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