三十デバフ
更新です!
また暫く忙しくなる為、少しだけ間が空きますが年内中に後2回位更新予定です。
逢いの絆の面々が戦争で戦っている中、不謹慎かもしれないが俺とファリスは魔族領を観光している。
「何か……魔族は貧しいってイメージだったけど、意外と栄えてるな」
俺達は魔王城から割と近い街に来ていた。
「はい、私も詳しくは無いですけど。魔王はかなりの善政を敷いているらしいですよ? そのせいか民からの信頼も厚いそうです」
そうなんか? まぁ、アイツは神様絶対殺すマンだから敵対してる人類は兎も角、自国の人間には優しいのかな?
「何か不敬を働いたら、直ぐに首を跳ねてきそうな印象もあるんだけどな」
「そんな人でしたら、八将貴も従わないと思いますよ〜」
そんな話しをしながら、街中を散策していると、
「そこのお似合いのお二人さん! タルバを買っていかないかい? 美味しいぜ!」
「お似合いってテレますね……それじゃ6本下さい!」
「はいよ、それじゃ300クロム頂くよ!」
ファリスちゃんチョロい! チョロすぎる!
そんな感じで買い物や魔族で流行っている服等を調達をした。
「どうだファリス? この服似合ってるか?」
「カケルさんなら何着ても似合いますよ!」
それは絶対お世辞だな、俺には解る。
「それにしても、仮面を付けてても何も言われないもんなんだな?」
「まぁ、私達以外にも仮面を付けてる人はチラホラいますしね〜。魔族からしてみたら今更何じゃないですか?」
確かに、周りを軽く見回しただけでも何人か仮面付けてるしな。それに服も着替えたし、俺達もだいぶ魔族として溶け込めてるんじゃないか?
「そうなのかもな」
こうやって魔族の生活を見てると、人間と何も変わらないのに、どうして仲良くやれない物なのかね……。まぁ、魔王から言わせればコレも全部、神様の所為なんだろうけどな。
「ファリス、魔族領に冒険者的な所はあるのか? 魔王から金を貰ったとは言え、働かなければその内底を突く」
「ありますよ〜。確かハンターって呼ばれてる方達がいます」
「ハンターか……まぁ、想像付いたわ」
ただ討伐するなら俺とファリスだけでも問題ないな。
「ただ、冒険者と違うのは魔物を殺すのでは無く生きて捕らえるのがお仕事です」
「想像と違ったわ」
「捕らえた魔物は徹底的に調教されて魔王軍として使うのですよ」
そう言えば魔王軍って普通に魔物を使役してたけど、ハンターが集めてたのか……。
「そっか……だったらこの仕事は却下だな」
「そうですね」
俺達が捕まえた魔物が、ロリやリリーナを殺すかもしれない事には加担したくないしな。
「あっ、でも確かワーカーと呼ばれる人達が魔物を狩って生計を立てるって話しも聞きましたね」
「ほぉ、そんなのもいるのか」
「気性が荒く、調教使役出来ない様なのは完全に討伐対象ですね。こちらが私たちの知る冒険者に分類される物です」
「へぇ、それじゃそれをやるか! 何すれば良いんだ?」
「特に何も無いです。ハンターズギルドに有る討伐推奨リストの獲物を持ち込めばそれだけでお金になりますね」
手続きとかは特に必要ないのか……つまりハンターズギルドは持ち込めば金は払うがサポートは特別しないってスタンスなのかな?
「まぁ、どちらにせよギルドに向かって、そのリストを拝んでくるか」
「はい!」
◆◇◆
魔王様はとんでもない二人を送り込んでこられた……。
「まさか、貴方達二人を増援として呼ぶとは私も想定外でしたよ」
「ジェリス殿、それはどう言う意味ですかな?」
「そうですよ、どう意味でしょうか?」
そのまんまの意味ですよ。
「貴方達の能力は強力ですが、味方にも無差別に猛威を振るう能力。まさか戦争で使うとは思いませんでしたのでね」
全く、魔王様はどういった意図で、この二人を寄越したのか……流石の私にも理解できません。ですが私がやる事は変わりません。魔王軍に勝利を齎すために全力を尽くすだけです。
私はリネ殿に戦う相手を説明する。
彼女の能力は石化、彼女に睨まれると、段々と石になると言うとんでも無い能力だ。
しかし、欠点として力が制御が出来ない。
普段は周りに被害を出さない為に目隠しをしている。
そんな彼女には、敵側の気になる女性にぶつける事にしよう。
「リネ殿にはサラシナ・ミカと言う女勇者を捕らえて欲しい。彼女が居れば、魔王軍の今後の戦力向上に繋がります」
魔王様より勇者は可能な限り殺すなとの命令も守れるし良いでしょう……。
それに魔将殿ともパーティーメンバーだった筈でしたしね。
「分かったわ」
詳しい説明は後でするとして、ラルフ殿にはもう一人の勇者を相手して貰おう。
「そして、ラルフ殿には新しく戦いに参戦した勇者を相手にしていただきます」
「任された」
「以前にグラ殿が圧倒した相手です……しかし、侮ってはいけません。先の戦いでは魔将殿の封印指定魔法を消し去る程に成長しております」
彼は危険だ。放っておけば必ずや魔王様にとって脅威となるでしょう。
だから、
「その勇者は何が何でも殺して下さい」
「むっ? 魔王様は勇者はなるべく殺すなと以前言ったと記憶しているが?」
「殺さなくても済む相手ならそうしましょう。ですが、彼は必ずや魔王様の障害になる。そんな相手を放置する訳にはいきません」
それに、勇者からは既に戦死者も出ている。今更な事でしょう。
「成る程……そう言う事ならば任されよう」
そして、グラ殿と私は剣の聖女と仮初の主であったアガストの相手をしましょう。
◆◇◆
次の戦いは唐突に始まった。
「敵襲です! 正面より数1万! そして敵中に破滅のグラの存在を確認しております」
伝令兵が天幕に駆け込んで来た。
「続けて報告です! 別ルートよりジェリス様……いえ、ジェリスが大部隊を率いて進行中! その数、魔物含めて約3万!」
最初の情報が伝えられる中、次の報告も直ぐに伝えられた。
「更に報告です! 西と東の平原より各1万ずつ敵が進行中!」
併せて6万……アガスト側の戦力が圧倒的に足りていない。
先の戦いでこちらの数は3万に届くかどうかと言う所だった。
そしてその数はアガスト王国が出せる現在の全戦力だった。
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