十五デバフ
書く時間が取れたので早めの更新です。
「何事だ!」
アガスト王が天幕に駆け込んできた兵士に一喝した。
「そ、そ、そ、空に太陽が出現しました!」
太陽? この兵士は何を言っているのだろうと、私は一瞬だけ頭が真っ白になった。
「落ち着け、そしてちゃんと説明しろ!」
「はっ、はい!」
兵士は二、三度程深呼吸をすると落ち着きを取り戻した様だった。
「敵陣営より黒衣のローブを纏った者が現れました……そして、その者が空に手を翳し、始めると、空には太陽と思わせる巨大な火球が生成されました」
太陽と思わせる火球……まさかね……。
私の脳裏にファリスの顔がよぎった。そして、私と同じ考えをしたのか、リリーナも一瞬険しい顔をしていた。
──でも、あの子がそんな事をするとは思えない……と思考を端に追いやろうとしたのだが、どうしても私達に見せた最後の笑みがチラつく。
「太陽……確か救世の魔女殿も……いや、まさかな……」
アガスト王がボソボソと聴き取れない声で呟いていた。
「まぁ、分かった。余も其方に向かう! 敵も降伏勧告を出してきたんだ、いきなり魔法を打ち込まれる事も無いだろう」
そうして私達は敵陣が見える場所に向かった。
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私達は敵陣が見える場所に行くと漆黒のローブ纏う男……いや、女の人かな?。
距離もかなり有り、更にフードを深く被っており顔も見えない為、性別は判断出来ないが、体格からして女だろう。
漆黒のローブを纏う女は此方を……私を見ている……遠くてハッキリしないのだが、何故だか確信めいた予感があった。
そして、女は三日月状に歪んだ笑みを見せた気がした。
「っ!?」
私は背筋が凍る様な悪寒を感じていると、空に有る太陽が堕ちてきたのだった。
「まずい! 皆の者、退避をするのだ!」
アガスト王の叫びによって、私達は退避した。
その直後──
ドォォォォォン!!!
────世界が滅ぶのかと思うほどの閃光と衝撃が轟音と共に最前線を襲った。
◆◇◆
私は魔王軍、八将貴のジェリスに作戦を聞いた。
「魔将殿にはアガスト軍が待ち構える手前の場所に、脅しの為に魔法を撃ち込んで貰いたいのです。アガスト軍には降伏勧告を出しておりますが……現状応じる事は無い筈です。しかし、太陽を堕とすと言う貴方の一撃で、戦意を砕けば応じる可能性が高まるでしょう」
成る程、魔王が言っていたのはこう言う事だったんですね? ……私も無用な殺しはしたくないですし、それで良いと言うのだから別に問題無いですね。
「分かりました」
「おぉ! 感謝します、魔将殿! では早速アガスト軍に牽制の一撃をお願いします。既に我が軍には魔将殿が一撃を入れる事を通達しておりますので気兼ね無くやって下さい」
「……分かりました」
私は魔族の兵士に戦場へと案内された。
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兵士に案内された場所は見覚えがある場所からだった。
この場所は……ナズモの谷に向かう時に逢いの絆で話しをしてた場所ですね……。
私はあの時に、皆んなとした会話が頭の中にフラッシュバックした。
「安心して下さい! わ、私がカケルさんを守ります!」
私は本当にカケルさんを守るつもりだったんです……。
「私も……死んでも守るわ」
何で、サラシナさんにそんな顔を向けたんですか……私だって死んでも守りますよ……どうしてサラシナさんばかりにそんな顔を向けるんですか……。
あの時の光景がずっと頭から離れない。
気がつくと私は上空にファイヤーボールを作り出していた、前回の時より更に大きく作ってしまったみたいですね。
私の視界にはアガスト軍の人達が此方の様子を伺っており、その中には逢いの絆のリリーナさんもいた。
リリーナさんが居ると言う事はサラシナさんも此処にいるんですね?。
私は視線を彷徨わせサラシナさんを見つけ、そして眼が合った時──ゾクッと私の身体が優越感に震えた。
「嗚呼、私の勝ちですね……カケルさんは今、私のモノです……貴方には決して渡しません」
私は身体を駆け巡る優越感に思わず笑みを浮かべ、優越感に浸りながら魔法を放った。
「堕ちる太陽」
私は逢いの絆のメンバー達にはもう一切の視線を向けないままに、ゆっくりと堕ちていく火球を背にして私は陣地に戻った。
いつも見て頂き有り難うございます!。
少しの間は更新頻度が怪しいですがどうぞ宜しくお願いします。




