十ニデバフ
何とか更新出来ました。
忙しいので次回更新日も謎です。(たぶん2〜4日以内)
私は二メートルを超える巨大な大剣を振り回しながらジークに突っ込んで行く。
時間稼ぎ? 防御に専念? これが私の防御だ。
「くらいなぁぁぁ!!」
上段からジークが居る場所に大剣を振り下ろす。
「!?」
ドォォォォォン! と言う大気を震わす程の轟音と共に土煙が昇った。
今の感触は間違いなく回避されたな……。
私はそう判断すると土煙の中、反転し今度はシャーリーが居た筈の場所に切り込んで行く。土煙の中を抜けた私は、シャーリーに大剣を叩き込む為に突っ込む。
「何っ!!」
完全に土煙の中でジークと戦っていたと思っていたシャーリーは、私の行動に虚を突かれ油断していた。
「貰ったぁぁぁぁ!!」
完璧な攻撃だ! 私はシャーリーをやれたと思った。
だが──
「やれたと思った? 残念、それは幻影ですよ。……私の二つ名忘れてしまいましたか? 不壊さん」
あぁ、そう言えばコイツは認識を誤認させる能力だったね……最強君とも相性悪いな。
何とかして此処でこの女は殺しておきたい……が、それは恐らく無理だね。
私は無言で再び誰も居ない場所に大剣を叩きつけ土煙を起こす。
そして今度は、地面を敵がいる方向に抉り斬る。
「爆砕石!!」
抉れた地面の破片は、大量の石礫となってジークやシャーリー、複数の敵兵を襲う。
これが私の遠距離攻撃だ。
幻影を出してもこの広範囲の遠距離攻撃だ、アンタはどう対処するシャーリー?
「チッ! ジーク、私はサポートに回る! 力を解放しちゃいな」
「あぁ、迂闊に俺に近づくなよ?」
「分かってるから早くしな!」
ジーク達は私の爆砕石を躱しながら何か会話している。
そして、その会話が終わると──
「狂う理性」
そう呟いたジークは、身体中の血液が沸騰しているかの様に全身が紅くなっていた。
「成る程、これが憤怒のジークか……直に能力を見るのは初めてだよ」
私はジークの眼から正気の色が無いことに気付く。
「────■■■■■■■■■■!!!!」
雄叫びを上げたジークは先程迄のお返しと言わんばかりに突撃をしてきた。
そして、その動きはかなり速い。
「ぶつかり合いがご所望なのね! いいよ、やろうか!」
私は突撃してくるジークに同じ様に突撃していく。
だが──
「きゃっ!」
私は女の子みたいな声を上げて吹き飛ばされる。まさかぶつかり合いで私が負けるとは思わなかった。
今の私は何百キロも重さがある身体、それを吹き飛ばす程の威力。
これは真正面からぶつかるのは駄目そうね。
直ぐに判断を下した私は、距離を取って戦う為に再び爆砕石を使う事にした。
しかし、私が何をするか悟ったシャーリーは腰にぶら下げてる投げナイフを私に放って来る。
そんな攻撃、私には通用しない。だから無視して良い──頭では分かっていた事だが、それでも私はジークから一瞬だけ気を逸らしてしまった。
そして其れは、私に取っては今、絶対に見せてはいけない隙だ。
不味いと気付いた時にはもう遅かった。
ジークの方に視線を戻すと、既にジークは手に持っている棍棒を振り抜こうとしていた。
「……!?」
その光景を見た一瞬の後、私の身体は木々や岩を粉砕しながら吹き飛ばされた。
幾度か身体をバウンドさせ、勢いが止む頃には私の意識は朦朧とし、満身創痍な状態になっていた……。
「まっ……ずい……これ以上は……逃げな……いと」
私は途切れそうな意識を必死で繋ぎ止めて、直ぐに撤退をする事にした。
呼吸は乱れ、フラつく身体を起こすと、私は自分がさっきまで居た場所に視線を向けた。
「ハァハァ……成る程ね、あの状態になると見境が無くなるのね」
そこには咆哮を上げながら、敵味方問わず暴れてるジークの姿が目に入る。
「この怪我じゃ……どうしようも出来ないね。私もやられる訳にはいかないし、この隙に撤退させて貰うよ」
だが、余計な思考をしている間にもジークが少しずつ此方に近づいて来ていた。
何で他に倒すべき奴が居るのに、私に近づいて来ているんだ? 正気を失っているんじゃ……まさか、シャーリーの幻影で此方に誘導しているのか? だとしたら不味い! 直ぐに此処から離れないと。
私は逃げる為に傷付いた身体に鞭を打ち再び地面に大剣を叩き込み土煙を発生させた。
そして、煙に紛れ私は撤退をした。
◆◇◆
「チッ! 不壊に逃げられたね……まぁ良いわ、あのダメージなら暫くは出て来れないでしょ。これでハルケ平原迄の大きな脅威は今の所、居なくなる」
私は引き続き幻影でジークを敵兵達の所に誘導した。
あの暴れっぷりなら、まだ暫くは狂ったままだろうね。
ジークを100%コントロール出来る訳じゃ無いけど、幻影である程度は誘導出来るからね……このままジークのバーサークが切れる迄は敵陣で暴れて貰うよ。
「それにしても、ジークがスキル中は私も休めないから辛いわね……」
私は少し離れた所からジークを見つめると、自然と溜息が出てしまった。
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