七デバフ
更新です。
次回は多分明後日になります。
敵が此処まで来てしまいました。
カケルさんも帰ってきません。
私はカケルさんがどうなったのか気になってしまってしょうがないです。
ですが、私達の前に現れた敵、破滅のグラは攻撃を待ってくれません。
私はグラに一度、アイスニードルを放った後は、常に射線上にリリーナさんがいる状態にさせられました。
コレでは私は何も出来ません。
そして、サラシナさんもこの戦いに入り込めないのか見ているだけです。
私達は仕方ないので、周りの敵と戦う事にしました。
暫く敵軍と戦っていると、一人の敵が槍を構えて突っ込んできます。
他の敵に気を取られていた私は近付いてくるその敵に反応出来ませんでした。
しかし、
「危ないっ! くっ……エスク、ファリスを守りなさい!」
サラシナさんがエスクを敵との間に割り込ませ、私を助けてくれました。
「女の子相手に不意打ち紛いの攻撃をするなんて、クソな野郎ね!」
「ケケッ! 何言ってんだ、ここは戦場だぜ? もし死んだんなら死んだ奴が悪いんだよ」
周り中に圧を振り撒きながら男はニヤニヤしつつ私やサラシナさんを見ている。
「久しぶりに女やガキを嬲り殺しにできるんだ、せいぜい泣き喚いて俺を楽しませてくれよ? こっちはゲルガ王国以来の昂りなんだからな! ヒャヒャヒャ!」
男は奇声を上げながら私達に攻撃を仕掛けてくる。
「アンタ、今ゲルガ王国って言ったわね……その戦いに参加してたのね?」
「参加? むしろ俺の主催だぜ。あぁ……あの国の女王は最後迄抵抗してくれて楽しめたなぁ〜〜今思い出しても昂るぜ」
主催……つまりこの人は私が育ったかもしれない故郷を襲った人?。
故郷と言っても育った記憶は無いので、特に何も感じませんが、この人が居なければお母さんは今も生きていたのかもしれない。
そう思うと私は、イラッとした気持ちが湧き上がってきた。
「サラシナさん……この人を少しの間、抑えてくれませんか?」
私は返事を待たずに魔法の詠唱を始める。
そこに籠める魔力は今まで込めた事ない程籠めるつもりです。
「……えぇ、任されたわ。私が必ず時間を稼ぐから、ファリスは遠慮なくやりなさい」
その言葉は私にはもう届いていない。
「なんだ? ガキが最初に俺と遊ぶのか?」
「そうよ、私が遊んであげる。それより名乗りなさい、どうぜ二つ名持ちでしょ?」
「ヒヒヒッ、良いぜ教えてやるよ。俺の名前は"狡猾のディラン"、まぁ、八将貴の一人だ。そして、お前達にとっては二度と忘れられなくなる名前だ」
こめる、こめる、まだ足りない。
「その顔、クソ野郎共と同じ顔してるわね……どうせロクでもない考えだろうから聞かないわ」
もっと、もっと、魔力を籠める。
「聞こうが聞かまいが結果は変わらねぇよ。それじゃ、まずは両手両脚の骨を砕いて動けなくしてやるよ」
「もう、その口を開かないで頂戴。……行きなさい獣魔達! この男を一片の欠片も残さないで喰らい尽くせ!」
──────まだ籠められる。
──────もっと籠められる。
「ケケケッ! やれるもんならやってみろよ!」
──────あぁ、身体が熱い。
でも、
ファイヤーボールは完成した。
後は、この溜めた魔法を放つだけです。
私は片手を空に掲げて魔法を唱えた。
「堕ちる太陽!」
◆◇◆
「ファイヤーボール!」
どうしようか、一瞬考えていた私の耳にその魔法が聞こえてきた。
ファリスが空に掲げた手の先には、太陽が有った。イヤ、太陽と間違える程に大きな火球だった。そして、それはゆっくりと防御陣地に堕ちてきていた。
「これは……! 此処から離れないと!」
私と同じ考えに至ったのか、近くにいたグラも戦場から離れる事にしたようだ。
そして、ファリスやミカが戦ってる相手もそれは同様だった。
「ミカ! 騎乗できる獣魔を出して下さい! 急いで此処から離れます!」
「え、えぇ! でもカケルがまだ……」
「カケルさんなら大丈夫です。それより早く! ファリスも早く行きますよ!」
私はファリスに視線を向けると、彼女は口元を三日月の様に歪ませ、笑みを浮かべながら私達の前から去ろうとする。
「ファリス! どこ行くのですかっ! 早く一緒に逃げますよ!」
私の言葉に彼女はこちらを向き何かを呟いている。
「──サヨナラ」
何を言ったか私には聞き取れなかったが、何かを呟いた後、ファリスは私達から離れていった。
「くっ!」
彼女を見失った私は、仕方無くミカだけ連れて急いでこの場から離れた。
何時も見て頂いてありがとう御座います。
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