四デバフ
熱と咳が酷いので次回の更新は2〜3日、間が空きます(マジ)
ふざけんなよ! 何でこんな所で魔王とエンカウントするんだ。ラスボスらしくラストダンジョンにいろよ。
俺は突然の魔王登場に激しく混乱した。
だけどな、俺の前に現れたんだ……此処でデバフを掛けられれば勝てる。
喰らえ! センスコラプス!。
「ん? また使ったのか……無駄だって言っただろ」
そう言った魔王は、直後、俺の前に一瞬で距離を詰めてくる。
「くっ!? はやっ!」
俺は咄嗟に横に飛び魔王から距離を取った。
「へぇ、能力だけじゃなくて勘も良いみたいだね」
どう言う事だ……どうして感覚崩壊が効かない。
「貴様の能力って認識型だろ? 魔王軍に情報はとっくに流れてるんだ、対策しない訳ないだろ」
対策って何だよ……認識出来てる以上は俺の感覚崩壊は防げない筈だろ。
「その顔、本当に分かって無い様だな。まぁ良いよ教えてやる」
「…………」
俺は黙ってこの女が喋るのを待った。
「お前はな、このフィールドに来た時点で我の術中に嵌まっているんだよ」
何言ってんの?。
「今、お前が観ている物は真実か? 本当に我を認識出来ているか?」
認識?。
「まさか……」
幻覚……か、それに近しい技に掛かっているのか。
「気付いた様だな。我は確かに此処にいるが、お前が認識している物とは違っているんだよ」
ヤバい、俺の有利性が全て潰されてる。クソが! 認識の重要性はミノタウロスヒーローの時に痛感した筈だろ……。
「さて、貴様の武器は潰したんだ。もうお手上げだろ? 我も此処に来たのは、別に戦いに来た訳じゃないんだよ」
コイツは何が言いたいんだ。
「どう言う事だ?」
「単純に同じ地球人同士話しをしたかっただけだ」
地球人? コイツが地球人だと?。
「何で地球人が魔王をやってるんだよ! 地球人って言うなら、こっち側の人間じゃないのか?」
「クククッ、貴様は人間の汚い所を見た事があるか? 我は魔王として召喚されてから散々と見てきたぞ」
そりゃ、綺麗だけの人間しかいないとは言えないけどな……。
「だからと言って人族を侵略して良い理由にはならないだろ」
「我等は魔族と言うだけで迫害されていた。女は犯し殺され、男は遊び半分で解体されるのが当たり前な光景……貴様に想像できるか?」
想像は出来るが、考えたくはないな……そもそも本当にそんな事が有るのか?。
「人族はこんなに劣勢なんだ、魔族をどうこう出来る状況なんて信じられない」
「今でこそ戦況は魔族有利だが、500年以上前は魔族2に対して人族が8だった……と言えば?」
今の人類より酷いじゃねぇか。ってかお前は何歳だよ。
「我は地獄を見てきた。イヤ、生きてきた。でもな、だからと言って我は人族を滅ぼすつもりは無いぞ?」
だったら何で攻めてくるんだよ!。
「なら、今からでも和平とか結べないのか?」
魔王軍のトップがそのつもりなら和平だって目指せるだろ。
「今の状況で和平は無理だ」
「どう言う事だよ、お前が人類に訴えれば余裕の無い人類なら交渉の場に就くだろ」
「無駄だ其方に神子が居る限り絶対に破綻する。そしてそれは魔子が居るこちらも同様だ」
何で神子と魔子が居るといけないんだ? マジで分かんないんだが。
「貴様は神と言う存在がどう言う性格をしているか分かるか?」
神託をしてアドバイスする位だし善人だろ。
「神って位だし善人だろ」
「クククッ……アハハハハハハハハ!」
どうした、壊れたか?。
「貴様は今のこの世界を見て、奴等が善人って本当に言えるのか?」
「何が言いたい……」
「奴等のクソっぷりを教えてやるよ。
この世界はな神達が暇潰しにやってる戦略シュミレーションゲームだよ。どちらかの陣営が弱ると石を使い、 NPCを召喚して陣地を取りに行かせる。
そして、不都合が生じれば神託を下してプレイヤーを操作し軌道修正してきやがる。
何時もそうだ! 今回も我を倒す為と言う名目で石を大量に使い NPCを送り込んできやがる。
我等はクソ神共のオモチャじゃない!」
あぁ〜俺コイツ嫌いじゃないかも。
何か、相当にストレスを溜め込んでたんだな……。
「確かにそう言う風に説明されると、そんな気もする気がするが、考え過ぎなんじゃ無いか?」
「考え過ぎ? 何を言ってる、実際にクソ神達の遊びはな破綻していってるんだ……このまま行くと最悪世界は滅ぶぞ」
世界規模かよ……。
「どう言う事だ?」
「勇者召喚や魔王召喚が行われる度にNPCは前回召喚した NPCより強力なスキルが与えられてる。つまりインフレしていってるんだ。
そしてそれはプレイヤー達も代替わりすると同様に強化されている。
貴様はバランスがイカれたゲームをやってたとして、どう感じる?」
俺なら嫌だな、そんなゲーム。
「やらなくなる……かな」
「それだけならまだ良いさ。アップデートを頻繁に繰り返し続けて無駄に容量が多いゲームに飽きたら、貴様ならどうする?」
そんなの消すに決まってるだろ……あっ、そう言う事か。
「ゲームのデータを消す……」
「そう言う事だ。クソ神共が世界を本当に思う様な奴等なら他にもっと良いシステムは幾らでも有ったんだよ」
つまり、コイツは世界の為に戦ってるって事だよな? なら、やっぱり協力出来ると思うんだが。
「それじゃ、お前はどう言う風に動くんだ?」
「我が辿りついた結論は……直ぐには無理だが、世界統一を果たし徹底管理の元に神子と魔子を殺し続ける」
怖いわ! 何でそうなるんだよ!。
「殺したらインフレが加速するんだろ? それは悪手だろ」
「すまぬな誤解をさせた。正確に言うと、神域領域と魔神域領域に干渉出来る奴等が生まれる迄だ」
また知らん言葉が出てきた。
「その領域に干渉出来るスキルってどう言う奴だよ」
「簡単に言えば神を冠する能力持ちだな」
あれ、それってリリーナやイケメンやJKのスキルの事か? 教えた方が良いのかな? 取り敢えず理由聞くか。
「もしも能力者が現れたらどうするんだ?」
「そいつを媒体とし、我が闇魔法で神の領域の扉と繋ぎ扉をこじ開ける」
「……媒体は最終的にどうなるんだ?」
「まぁ、死ぬだろうな」
「過去に領域干渉出来る奴に出会えなかったのか?」
「神持ちスキルを持っていた奴は何度か現れた……が、あの時はまだ、我に領域を繋ぐ手段が無かったんだよ」
その手段がさっき言ってた闇魔法か。
だが、リリーナ達の事を言わなくて正解だった。折角コイツとも仲良くなれるかと思ったんだがな……。
見てる未来が違い過ぎた。
「そうか、お前とは仲良く出来るかもと思ったが、神子を殺し尽くすって言うなら、俺はお前を止めないといけない」
「我も理解しろとは言わない。だが、その顔は神子に大事な者が居るんだな……。
まぁ、分かった。進軍を止める訳には行かないが、せめてもの情けで此度の戦い我は参加せぬよ」
「そいつは有難いな」
「あぁそうだ。お願いだが、さっきの話しは神子達の前では話さないでくれよ? 神子達を通して情報が筒抜けになるからな」
「元より言えんわ」
「なら良いさ。次に会った時は容赦しないよ勇者君……ではまたな」
魔王はそう言うと闇の空間に消えて行った。
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