表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のデバフは理を破る!〜俺が強い?違うなテメェ等が弱くなったんだよ!〜  作者: 鋼夜
一章 出会い編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/213

十九デバフ

 戦勝祝いが行われるアガスト王国首都ブージンでは、戦いの功労者である【逢いの絆】の周りには、一言でも話したい者達が彼女達を囲んでいた。


 しかし、此処に一人、ぼっち飯を食う男が此処にいた。




◆夕凪翔side◇


 この戦いの功労者……つまりリリーナとロリとファリスは兵士達や偉い人に囲まれていた。


 リリーナの周りには「聖女様!」とか言ってる人々が引っ切りなしに挨拶に来ていて、リリーナも嫌な顔をせずに対応する辺り、正に聖女だ。


 そして、俺は更に視線を彷徨わせるとファリスを見つけた。


 やっぱりファリスも大量の人に囲まれており、あたふたとしている。

 俺の予想では美味しそうな食べ物が有るのに、挨拶をしてくる奴等の所為で食えない事に悲しんでいると予想をしている。


 再び視線を彷徨わせると、今度はロリと眼が合った。


 ロリの周りにはちょっとヤバ気な雰囲気の奴等が集まっており、ロリは視線で俺に助けを求めているが、それは無視しておいた。


 そして、最後に一番の功労者の俺の周りには……誰も居ない! マジで解せぬ。


 そりゃね、俺も逆の立場なら男に挨拶するより女の子に挨拶するわ。……でもさ、誰も来ないのは流石に酷くない? 仮にも敵の大群を押さえた功労者なんだよ?


「ハァ〜、帰りたい。俺は豆腐メンタルなんだから、もっと俺を労って欲しいもんだぜ」

「どうした、勇者よ暗い顔して! 余が用意させた御馳走は口に合わんか?」


 俺がブツブツと愚痴ってるとアガストのオッさんが話しかけて来た。


「アガストさんですか。いえ、御飯は美味しく頂いてますよ」

「ならば、何故暗い顔をしておる。体調でも悪いのか?」


「あぁ〜……。単純に俺のパーティーメンバーの周りには沢山の人が挨拶して来てるのに、俺には誰も来ないなぁ〜って思ってるだけです」


 俺は今の心境を素直にアガストのオッさんに言うと、


「何だ、そりゃ当然だろ! お前は今回、戦闘では見ていただけって話しだしな! 最強の力を温存していたんだろ? だったら仕方ないだろ」


 ん? 温存なんてしてないんだが。……あっ、俺の感覚崩壊は周りの人間に使ってるかどうかって分からないんだったわ。


 俺のスキルってエフェクトとか一切出ないしな。


 成る程……だから、俺の周りに居た兵士は俺の事をゴミを見る眼で見てたのか。

 側から見たら女の子に戦わせて、踏ん反り帰っている男だわな。ってか敵が尋常じゃない位弱くなってるんだから、誰かしら気付けよ!


「まぁ、今回はそれで良いです…….」

「何だそりゃ? まぁ腹一杯に食うがいい。ガッハッハッ!!」


 オッさんはそう言うと、俺の肩を軽く叩いてから他の奴等に挨拶しにいった。


「…………今日は焼け喰いだな!」


 寂しさを感じた俺は、食うだけ食ってさっさと部屋に戻って寝る事にした。




◆更科美香side◇


 何か、翔が暗い顔してたわね……。


 べ、別に心配してる訳じゃ無いけど、カケルが暗い顔してるのは調子狂うからね!


 私は当たり前の様に翔の部屋、もとい私の部屋に戻ると、そこには先に寝ている翔が居た。……まぁ、流石に今日は疲れる出来事ばっかだったしね。


 さて、偶にはリーダーを労ってあげようかしら。


 私はカケルの頭を抱え、その頭を膝に乗せた。


 いわゆる膝枕って奴ね……。


 これ、ちょっとだけ恥ずかしいわ。


 それにしても……フフフッ、コイツの寝顔は意外と可愛いわね。


 私は寝てる翔の頬をプニプニと指で突っつくと、


「ん〜、お姉さん! ダメです! 其処はイケません!」


 何の夢を見てるの?


 少しだけイラッときたが、今日はおめでたい日だし許してあげた。


 今日、私達やアガスト王国が救われたのは間違いなく貴方のお陰よ……。


「何時もありがとう……」


 私は翔の額に口付けを落とした。


 どれくらいの時間そうしてたか分からないけど、顔を上げた私は膝枕をしながら、


「さて、寝ましょ!」


 今日は特別に膝枕したままで居てあげるわ。

 流石にこのまま朝を迎えると恥ずかしいから、明日は先に起きてコーヒーでも入れてあげましょ。


 そして、私は膝枕をしたまま、体をくの字に折り曲げ、カケルの胸板にもたれかかる様にして眠りに付こうとする。


 あっ、洗脳ボイス聞かせ忘れた。……まぁ、今日は許してあげるわ。




◆夕凪翔side◇


 んっ……これはコーヒーの匂いか……。


「おはよう」


 目を開くとロリが先に起きて挨拶をしてきた。


「…………おはよう。珍しいな、俺より早く起きてるとか」

「偶にはいいでしょ? それより……ハイ。コーヒーをどうぞ」

「有り難う、頂くわ」


 ゴクリと一口飲むと、完全に俺の好みにドンピシャな味だった。


 前も同じ事を思ったが、やるなロリ……。

 そのドヤ顔さえ無ければ100点満点だ。


「さて、皆んなの所に行くか」

「そうね、行きましょうか」


 部屋を出て、皆んなが居る場所に向かっていると、兵士の人達が俺達の噂話しをしているのが耳に入ってきた。


 ……その話しを聞くと俺達、【逢いの絆】のメンバーには二つ名が付いたっぽい。


 ロリは"魔を統べし聖女"。

 ファリスは"救済の魔法使い"。

 リリーナは"剣の戦女神"。


 凄いだろ? 此処までは良いんだ……。


 俺は"始まりから終わり迄何もしない者"とか不名誉な二つ名が付いてやがった。

 しかも、アガストのオッさん達の前で適当に名乗った二つ名を文字ってるのが余計に腹立つ。

 こんな酷い仕打ち……俺がアトラスの人を救わなくても、きっと神は許してくれる筈だ。


 流石に俺を不憫に思ったのか、ロリも心無しか優しかった。


 そんなイベントが起こった後、俺とロリは皆んなと合流した。


「おっす、昨日は皆んなお疲れ様。色んな奴の対応大変だったろ?」

「人類の歴史的大勝利なのです。多少は仕方無いですよ」


 リリーナは良く出来た人間だな! 俺の嫉妬心剥き出しの皮肉が通用していない。


「私は、折角の料理があまり食べられませんでした……」


 暇だった俺は美味しく頂けただけに、ファリスは普通に可哀想だな……。


 俺達が昨日の事を話してるとアガストのオッさんも話しに入ってきた。


「お前達に伝えておきたい事がある」


 何だ突然……。


「昨日、城下町に火を放った犯人が分かった」

「昨日の今日で良く分かりましたね」

「あぁ、町の住人の何人かが目撃しててな……」

「それで、誰なんですか? やっぱり潜入してた魔族とか?」


 俺がそう聞くと、アガストのオッさんは一拍おいて答える。


「犯人はジェリスだ」


 あのイケメンか……。


 まぁ、最初から胡散臭そうではあったな。


「直ぐに指名手配をしたが、まぁ捕まらんだろうな……昨日の襲撃のタイミングから考えてもジェリスは魔王軍側だろう」


 この世界は戸籍情報とか無いの? 魔王軍が組織の中枢に入り込むとかガバガバ過ぎるだろ。


「ジェリスが魔王軍って事は人類側の情報は殆ど流れてるって事だよな? 勇者とかの情報も流れてるんじゃね?」

「勇者召喚に関しては大丈夫です。一部の人しか知りませんし、知ってる者の過去の来歴は調べてあります。その証拠に皆さんの旅の中で勇者と言う単語を聞いたりしましたか?」


 俺が疑問をぶつけると、勇者召喚の中心人物であるリリーナが答えてくれた。


「そういえば、イケメンハーレムパーティーもエビザで英雄とかとは言われてたけど、勇者とは言われてなかったな……」


「はい、"勇者"の事柄に関しては人類の切り札として扱っております。ですから情報漏洩があったとしても、"勇者が召喚された位"しか流れて無い筈です」


 まぁ、でもジェリスが魔王軍だとしたら今回の一件で俺達の事は認識されただろうな……。今後、暗殺とかされかけたらどうしよう!


「まぁ、"剣の聖女"いや"剣の戦女神"の言う通りだ! 余も其奴が中心となって勇者召喚を行ったって事しか分からんからな」


 アガストのオッさんがガハハ! と笑ってるが、笑い事じゃねぇんだよな……。

 そもそも、オッさんが魔王軍の一人を幹部に置いてたのが原因なんだから、もっと反省する素振り位見せろよ!




◆魔王サラサside◇


 我の前には頭を垂れるジェリスの姿がある。


「さて、ジェリスよ此度の大敗に、何か申し開きはあるか?」


 我はジェリスに問いかけた。


「御座いません。全ては私の責任で御座います」

「我としては、敗北の原因が知りたいのだがな……」

「あるとしたら、恐らく勇者かと思います。此度の戦は勇者の中でも最強と言われている男が参戦している筈です……」


 最強の男……。

 それは興味が惹かれるな。


「その最強の男はどの様な力を所持しているのだ?」


「それが……首都に火を放った後、大陸を渡る為に移動した為、分かりません……」


 ハッ? 最強の男とか言われてる奴の情報を最優先にする物ではないのか?

 もしかして、我が間違ってるのか? ……いや、そんな筈ないだろ……。


「何故、最強の男の情報を最優先にしなかった……。情報が得られなかった以上、此度の戦は何も得る物が無い完全な敗北だぞ」

「申し訳ありません。最強の男……"始まりと終わりを統べる者"は隙が無く、最初から私を警戒していた為、情報を集められませんでした」

「……ジェリスよ、それが情報だ。少ない情報ではあるが、お前は"始まりと終わりを統べる者"は隙が無く、頭の切れる男と言う事が分かった」

「はい……」

「これで、無意味な敗北では無くなった。次に活かすが良い──では、報告が終わりならば席を外せ」

「ハッ!」


 玉座の間には我のみが残った。我は誰も居なくなった玉座で一人思考の海に入る。


 とうとう我の前に立つ資格を持つ者が現れたのか? クククッ楽しみだ……。

 魔王軍と人類の戦い。イヤ、"魔軍と神軍"の戦い、やっと楽しくなってきたじゃないか。

何時も見て頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ