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俺のデバフは理を破る!〜俺が強い?違うなテメェ等が弱くなったんだよ!〜  作者: 鋼夜
三章 遥かなる旅路編 〜四神の章〜

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神話創生 アトラス歴1465年【535年前】5-12

更新です。


 幾千の剣閃が広間を輝かせた。


「フハハッ、どうした勇者その程度か?」

「黙れっ! ──飛空剣(ひくうけん)!」


 宙には数多の剣が踊る様に舞い、魔王を襲う。


「うぉぉぉぉ!!」


 気合裂帛。


 勇者は張り裂けんばかりに声を挙げる、声を挙げた所で実力が変わる訳ではない。


 しかし、自身を奮い立たせると言った意味で言えば効果はあるのかもしれない。


「良い気迫だ。──だが、お前は俺を敵に回した時点で詰んでいる」


 まるでそよ風を受け流すかの様に全ての飛空剣は切り落とされる。


「まだだ! ──残影(ざんえい)


 瞬間的に速度を上げ、前後左右からほぼ同じタイミングで攻撃を繰り出す。


「遅い、な……」


 斬!


 これもたった一振りの剣で全てが弾かれた。


「ならば! ──炎神・大華炎(メテオ)!」


 一つの焔が弾け、弾けた焔は流星の如くに魔王に迫る。


「ほぉ、面白い大道芸だな、こんな感じか? ──氷焔螺旋・大華炎(メテオ)


 炎神の力として発動した能力を、たった一瞬で模倣、術式を構築し、魔法として再現する魔王。


 そして、自身に迫る流星を同様に流星で消し飛ばし、その勢いのまま流星は朱雀を襲う。


「──炎神・朱雀(すざく)!」


 自身を焔と同化させ、その攻撃を全て迎撃、反撃するが、


「ほぉ?」


 流星は、無機物へと変化した勇者を無情にもすり抜ける。攻撃を回避出来た勇者は剣を捨て、チャンスとばかりに魔王に組付く。


「──炎神・軻遇突智(かぐつち)!」


 組付いた勇者は自分自身を只管に燃やし、魔王諸共灰にするつもりだった。──いや、違う。正確に言うなら炎の化身となった朱雀は燃え死ぬ事は絶対に無い。──ならば、コレは最大の攻撃にして最高の防御技だろう。


「ふん、鬱陶しい技だ」


 魔王を勇者を掴もうとするもやはり掴めない。──その間も魔王は燃やされている。


「ハァァァァッッ!!!!」


 絶対の好機である勇者は只管に燃やす。余りの熱に周囲が融解していく。


 だが、此処で勇者はふとした疑問が浮かんだ。


 何故、コレほどの熱量を浴びせているのに、この男は余裕の表情を浮かべているのか? そもそも何故この男は周囲と同じく融解されていないのか?


「俺が生きている事が不思議そうな顔をしているな」

「っ!?」


 口角を歪ませて、微笑む魔王に勇者は息を呑む。


「取り敢えず離れろ」


 そう言うと、魔王の()、絆絶は組み付いている勇者に蔦を伸ばし始める。


「そんな攻撃無駄──っ!?」


 これは長きに渡り、死を拒んできた男の直感が危険を悟り、咄嗟に魔王から距離を取った。取らされてしまった。


「どうした? 無駄だと思うなら俺から離れる必要は無いだろ。──だが、まぁ正解だ」


 この言葉に勇者は、自身の感は確かなのだった、と確信を得る。


「まぁ、離れたのだからな。教えてやるよ」

「……」

「何故お前の焔で俺が灰にならないのか? それは簡単だ、お前の焔が俺の防御壁を突破出来てないだけの話しだ」

「……なんで、だ」

「クククッ、さぞや自分の力に自信があったのか? 考えてもみろ、俺が()に包まれてた時、お前の焔は俺に通じていたか?」


 その言葉にハッとさせられる勇者。


「この()は命を貪る魔剣。使用者の命が強くなれはなるほど力を増す」


 つまり、人間と違い、種として何段も上のステージに登った魔王の命は測り切れる物では無いだろう。そして、その測りきれない命はそのまま防御力にも攻撃力ともなる。


「さて、もう少し楽しませてくれるかとも思ったが、どうやら役者不足だった様だな……勇者よ」


 魔王の鎧は蠢く様に波を打つと、再び形を変える。


「──氷焔螺旋・魔王戯曲(レクイエム)


 魔王の背中からは大量の蔦が生えると、餌に群がるピラニアの様に勇者に殺到していく。


「ちっ!」


 勇者は蔦を回避、時には斬ろうとするが、


 キンッ!


 金属を打ち付ける音が勇者の耳を打った。


 だが、一撃防いだ位ではこの攻撃は止まない。


「終われない! 私は此処で死ぬ訳にはいかない!」


 蔦を辛うじて防ぎ切っているが、果たしていつまで持つだろうか? もしも、この状況を第三者が見ていれば誰もが時間の問題だと悟る事だろう。


「えっ!?」


 炎の化身となった自分にダメージは通らないだろうと言う慢心があったのだろう。──蔦が勇者を斬りつける。そう実体を持たない勇者を斬りつけたのだった。


()っぁぉぁ!!」


 何故、当たる筈の無い攻撃があたった? その答えは既に魔王から説明されていた。


 絆絶は命を貪る魔剣だ。


 無機物だろうが何だろうが、命があると言うのなら敵だろうが味方だろうが貪る、それが絆絶だった。


「やはり、この程度だったか……」


 一度噛み付いた蔦は勇者を啄ばみ続けている。


 勇者が動けなくなるのも時間の問題だった。そして、それは勇者自身が一番痛感している事だろう……そして、動けなくなれは後は死ぬだけ、


「そうなる前にぃ!!」


 朱雀は空に向けて手を翳すと、全力で炎神の力を解放した。


「その防御を突破すればいいんだろっ!? だったら、──うぉぉぉぉぉっ!!!」


 その瞬間、絆絶は勇者の命に完全に食い付いた。


「終わりだ勇者」

「……お前も道連れだ──炎神・堕ちる太陽(フォーリング・サン)


 その言葉を言い残すと、勇者風間は絆絶によってその存在を絶たれたのだった。


「成る程、道連れか……」


 魔王は戦闘の余波で壊れた建物から覗く空を見上げると、そこには此方に向けて太陽が堕ちている事に気付いたのだった。


「流石にアレは不味いか? 面倒だが仕方ない、消してやるよ」


 鎧が形を変えると、魔力が魔法呪を通り、力が練り上げられる。


氷焔螺旋・地風滅界(ラグナロク)!!」


 破壊の光は太陽に向けて放たれる。


 命を賭けて作り上げた勇者の一撃は魔王の一撃で壊し切る事ができなかった。


「だったらもう一度だな……氷焔螺旋・地風滅界(ラグナロク)!!」


 二発目を放った瞬間、魔王の視界が大きく揺らぐ……。


「これは、魔力枯渇症?」


 正解だった。

 魔王が使ってた力は魔力を使う技ばかり、幾ら魔王となって潜在魔力が優れているとは言え、特級魔法レベルの魔法を連発させられるのにも限りはある。


「うっ! 頭が…….」


 ズキリ! と頭痛が魔王を襲ったが、それと同時に映像が流れ込む。


 その映像では一人で数多の敵相手に囮となり、火球やら感覚崩壊を駆使し大立ち回りを演じている自分だった。


「これは……俺の記憶か?」


 魔力枯渇症が原因だろう、過去と同じ症状になった事によって揺り戻された一部の記憶。


「ロリ、ファリス、リリーナ待ってろよ直ぐに……い……くか……ら。──俺は、一体な……ぜ……」


 混濁した意識、そして魔王は再び意識を手放した。

見て頂きありがとうございます。


次回更新も2〜3日後位を予定しております。

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