神話創生 アトラス歴1465年【535年前】5-7
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神殿内を駆ける影が二つ、それを追う影は二十を超えていた。
「そっちに行ったぞ!!」
神殿騎士達は敵を逃さない為、包囲網を敷き確実に仮面の侵入者達追い詰めている。
「なぁ……」
「なぁに?」
「やっぱり真正面から攻め込むのは無謀だったと俺は思うんだが……」
「だって、ここの警備の数だとこの方法が一番良いと思うよ!」
「この状況みてもそれを言っちゃう?」
ナギが辺りを見回すと、既に囲いは完成しており、後は狩られるのを待つのみだった。
「もう……ナギさんだって『おっ! 真正面から乗り込んじゃう? 楽しそうやんっ!』って言ってたじゃん」
「お前も俺の性格を良い加減把握してるだろ……妻ならそこはむしろ俺を止めるべきなんじゃないのか?」
「そうですか。──でも実際は今、少しだけワクワクしてますよね?」
「……はい。ちょっとだけ神殿騎士の奴等と戦いたい気持ちは有ります」
「成る程。しかし残念っ! ナギさんはクロードの所まではノンストップで走って下さい! 神殿騎士の相手は私の役目です」
「ですよねっ! お前じゃクロードの精神干渉を防ぐ術は無いしな。──それじゃ、此処はシロに任せるぞ」
「任せて旦那様!」
「あぁ、代わりにあっちは俺に任せろ。教会なんて潰してやる」
ナギはギアを一段上げ、包囲網の一角を潰すと一人で先に進んで行った。
「逃すな追え!!」
神殿騎士は逃げたナギを追いかけようとするが、地面がせり上がり騎士達の行く手を阻んだ。
「貴方達の相手は私がするよ【超越者】共……私の旦那様を追いかけたいなら、私を倒してからじゃないと無理だよ」
「だったら、貴様を倒す迄だ。我等、神殿騎士に戦いを挑む事を後悔するがいい!」
「後悔させてみてよ? それが出来るなら」
そうして白虎は地面から瞬く間に、人間より少し大きめのゴーレムを複数作り出す。
そして、
「自動人形よ超越者共を土へと屠れ」
四神の勇者、白虎の蹂躙が開始された。
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ナギは神殿内を駆ける。しかし、あの場に居た騎士達が全てでは無い。虫が湧く様にワラワラとナギの進路を阻んでいた。
「結局、俺も戦うんじゃん!」
コレなら白虎と一緒でも同じだったのでは? と疑問にも思ったが、先に挙げた通り、白虎は魔王特製の認識阻害仮面を所持していない為、結局一人で進む事には変わらないだろうと自身を納得させる。
「だったら時間も惜しい── 迅震疾走!」
ナギが踏み込む脚に力を込めると、大地は踏み込みに耐えられず砕け、そこから目にも止まらぬ速度で神殿騎士を轢く。これは強靭な肉体から繰り出されるただの体当たりだった。
「「「ぐはっぁぁぁ!!」」」
騎士達は車に撥ねられた様に空を舞い、そのままドサッと地面に叩きつけられる。
「──そのまま寝てな。どうせお前等も洗脳された口だろ? 起きた時には全てが終わってるぜ」
そう呟くとナギは再び走る。
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その後も道中に騎士達は現れるが意に介さず跳ね飛ばして進んできたが、それも唐突に終わりを迎えた。
「此処は……教皇の間って奴か?」
神秘的な空気を纏う広間へと到達するナギ。広間の奥にはローブを纏った人の後ろ姿が見える。
「クロード・プロヴィナス・カザマだな? 突然で悪いがお前には此処で死んでもらう」
「…………」
「どうした? 遺言も残さないままで良いのか? だったら──」
「──久しぶりに会うんだ……再会を祝おうじゃないか、魔将ナギ・ケルウェル」
「っ!? お前……誰だっ!」
ローブの男はゆっくりと後ろを振り向く。
そして、その顔はナギにとっても知っている顔であった。
「四神の……朱雀か?」
「何だ、ちゃんと私の事を覚えてくれて良かったよ。忘れられてたらショックで君を殺してしまうところだった」
「いや、やっぱりお前は誰だ? 俺が知ってる朱雀は下品な糞男で、お前みたいにお上品に気持ち悪い奴じゃなかったぜ?」
「ははっ、それは失礼。まだ同調しきれてなくてね……もう暫く時間は掛かるけど許して欲しい」
「お前は何を言ってるんだ?」
ナギは目の前の男、南條朱雀が朱雀本人とは到底思えなかった。
姿形は以前みた朱雀そのものだ。しかし、なんて言えば良いか分からない得体の知れない不気味さがナギに疑心感を抱かせる。
「もう一度言う。お前は何者だ?」
「おや? さっき俺の名前を呼んでいたじゃないか私は──」
南條朱雀らしき男は口を開く。
「カザマ……風間 英智だよ」
見て頂き有り難うございます。
不定期更新ですがゆっくりと見守って頂けると幸いです。
どうぞ今後とも宜しくお願いします。




