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俺のデバフは理を破る!〜俺が強い?違うなテメェ等が弱くなったんだよ!〜  作者: 鋼夜
三章 遥かなる旅路編 〜四神の章〜

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神話創生 アトラス歴1465年【535年前】5-6

更新です。



◆ナギside◇


「それじゃ、幾つか聞かせてくれ」

「なんだ?」

「お前が持っていた短剣ってどうやって手に入れた物なんだ?」


 大会後、ずっと気になっていた事を訊かずにはいられなかった。


「……あぁ、これは色んな遺跡や迷宮を巡って手に入れた奴だな。それでも、こんな物が手に入ったのはかなり運が良かったってだけだ」

「遺跡や迷宮の数ってそんなに一杯あるのか?」


 俺の中ではナルゥ大迷宮位しか思いつかんわ。


「今発見されてる遺跡や迷宮は殆どが攻略されているが、その数は両方併せて約30はある。そしてその中で攻略されてないナルゥ大迷宮は宝の宝庫って訳だ」


 マルチはそう言うと、腰にさしてある短剣を軽く叩く。


「それは……ナルゥ大迷宮で手に入れたのか?」

「あぁ、まだ低階層だったが、こんなお宝が出るんだ。また行ってみたいもんだ」


 まぁ、ここからファーラスト王国に行くのはかなりの道のりだし、簡単には行けないな。

 それにしてもナルゥ大迷宮とかそんなに美味しいのか? ファリスやロリ達と潜った時は敵の強さの割にショボかった気がしたが……あの辺の階層のお宝は取り尽くされてたって事か?


「あの迷宮ってどれくらい深いんだ?」

「知らないな。噂では最深部は神が居る世界に通じていて、踏破した者には望む物全てが与えられるとかって言う眉唾物の噂は流れているがな」


 マルチは「踏破した奴が居ないのに、踏破した情報があるんだから、信憑性はゼロに等しいがな」と言って笑う。

 マルチは笑っていた……が、俺には宝云々より神の居る世界に通じているって話の方も気になった。


 もしも……もしも神と言う存在が魔王の言う通りの奴だったとし、もし神の世界に本当に行けるなら未来で起こったあの悲劇を止める切っ掛けになれるかもしれない。


 今の世界情勢的に、俺がファーラスト王国にあるナルゥ大迷宮に行けるのは何十年、何百年掛かるかは判らない。──だが、手掛かりがあるならば向かおう。


 俺は密かに心に誓った。


 ──武器の事だけを聞いたつもりだったが、それ以上に気になる情報も手に入ったし収穫は大きかった。


「そう言えば、お前が大会に出た理由って何だ? ……その、あんな手段迄使って」


 もう部屋にケイティは居ないが、うっかり聞かれるとマルチを困らせるかもしれない為、俺は毒の事は濁して話す。


「単純に神永教会の犬になっている勇者や、神子達を俺の様な底辺の男によって一泡吹かせてやろうって思っただけだ……」

「もしかして、オリジナル魔法も大会の為に作ったのか?」

「あれは麻酔とかの薬が効きづらい患者用に作った魔法を改良しただけだ」


 言っちゃなんだが、あの魔法って俺や魔王にとっての特効魔法だったんだが。


「俺もオリジナル魔法を作ったから分かるが、あんな条件付けたのをどうやって作るんだ?」


 オリジナル魔法の効果は、条件を付ければ付ける程難易度が上がる。例えば俺の焔拳とかは元々あった魔法を改良し、指定の部位に纏わせるって条件を付けただけだから難易度は……まぁ、高いは高いが其処まで難しくない。それに対して、相手の状態無効効果を打ち消すデバフを付与するなんて難易度はかなり高い筈だ。──あの魔法はデバフだ。マルチに話しを聞ければ、俺の感覚崩壊も元の様な使い方が出来るかもしれない。


 だからこそ知りたい。


 一縷の希望に縋る様にマルチの次に発する言葉を待った。


「オリジナル魔法は使う者の生き様が強く反映されるのは知ってるだろ?」


 いや、知らんが……そうなの?


「後はその生き様を術式として構築し、更に使用者と術式をリンクさせ、詠唱に乗せて放つ。術式さえ構築出来れば使うのは容易い」


 オリジナル術式の構築が一番最難関なのだが……確かに術式を完成させてからは俺も魔法を使うのは苦でも何でもなかったな。


「問題は詠唱問題だが、俺と戦ったお前ならわかるだろ? 俺は詠唱しながらでも戦える」


 まぁ、魔法使いは詠唱出来ないとそもそもの話し魔法が使えない。魔法使いは安全に詠唱する為、チームを組み後衛として魔法を放つ……常識だな! それでコイツは詠唱しながら戦うという、右を見ながら左を見るみたいな器用な事が出来る男。因みに俺は、そもそも無詠唱だからそんな心配はない。


「成る程な……俺も新しい魔法を作りたくてな。何か参考になるかと思ったんだけどな」

「オリジナルは使用者の色が出る物だからな。他人のオリジナル魔法とか参考にならんさ」

「そうだな……」

「他にも聞きたいは事はあるか?」


 一通り聞きたい事も聞けたし、そろそろ目的地に向かうとするかな。


「もう大丈夫だ。助かったぜ、ありがとな?」

「気にするな……。怪我したら診てやるから何時でも来ると良い」

「おう! 機会が有ったら頼むわ」


 そう言って俺達はマルチの医院を後にした。




◆????side◇


 ステンドガラスから光が差し込み、一人の男、クロード・プロヴィナス・カザマを照らす。


「魔王軍がやはり優勢か。……まぁ、想定内だ」

「────」

「全てが()の手の平で踊ってるとは思わないだろう。青龍は残しておきたかったが魔王の能力(・・)も気になるし、当て馬として使うのもしょうがない」

「────」

「……そうだな。魔将ナギ・ケルウェルは()を狙いに来るだろう」

「────」

「大会で青龍を追い詰めたと言うしな。そんな魔将を手駒として支配出来るかもしれんし、このまま踊らせておくさ」

「────」

「ふむ。まだ()の精神は安定しないか。……この能力の弊害だから受け入れるしかないが、な」


 男が一人ごちると右手に義手を装着し、教皇が着る事を許されるローブを羽織ると、静かに部屋を出て行ったのだった。

何時も見て頂き有り難う御座います。

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