表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のデバフは理を破る!〜俺が強い?違うなテメェ等が弱くなったんだよ!〜  作者: 鋼夜
三章 遥かなる旅路編 〜四神の章〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/213

神話創生 アトラス歴1465年【535年前】5-3

更新です。


「── 血で彩られた世界(リリース)


 風の神だけが支配する空の世界に、突如として魔の王が血の世界へと染め上げる。


「──」


 風の神、青龍は悲鳴を上げる間もなく血の海へと誘われた。

 魔の王サラサは慢心も油断も無く次なる一手を打つ。


「──我は闇、闇は我。光あらば闇が生まれる。闇があらばこそ光が存在する。我が闇ならば、総てを捉え束縛しようぞ……」


 空を飛べる訳ではない魔王は、落下しながら詠唱を完成させた。

 当然それを阻む筈の青龍からも反撃は来ない。

 今、この瞬間、空を支配していたのは魔王だった。


「──|汝は鎖に囚われ闇へと堕ちる《ダークネス・プリズン》」


 魔王の周りから、莫大な数の実態の無い鎖が、赤き海を包み掴むと、魔王の落下に引っ張られる様に降下を始めた。



 ドォォーーン!


 二人は地上へと墜落し、同時に鎖は総て消えた。


 当然動ける魔王は着地を華麗に決めたが。……しかし、青龍は無防備なまま地上へと叩きつけられた。

 普通ならばミンチになっていてもおかしくは無い。


 だが、青龍の今の状態を確認すらせずに魔王は呟く。


「デストロイオーガ達よ、更なる追撃をかけよ」


 土埃が舞い上がっている中、追い付いて来ていたデストロイオーガ達に冷徹な命令を下したのだった。


「「「ヴボァァァァ!!!」」」


 土埃は晴れる事なく、それどころかデストロイオーガ達が暴れる事によって、更に土埃は巻き上げられる。


 ドォンドォンと大地を鳴らす程にデストロイオーガ達の音が聞こえていたが、その騒音も次第に無くなっていった。


「……」


 そして、音がしなくなり土埃も晴れはじめる。


「まぁ、これで終わったら拍子抜けもいい所だったよ。……四神の勇者」


 全ての土埃が無くなった時、其処にはデストロイオーガ達の死体と全身血塗れの勇者が其処にいた。


「ハァハァ……」

「まぁ、だが……満身創痍って感じだな。最強って言われてる割には大した事無いんじゃないか?」

「う、うる、さ、い」


 その言葉に力強さは何も感じられなかった。それ程に消耗したと言う事なのだろう。


「単身乗り込むとか舐めた事するからこうなったんだ。次に活かすと良いぞ? ……次があるなら、なっ!」


 魔王が青龍へと一息で距離を詰めてくる。


「!?」


 ダメージの影響か、またしても青龍の反応が遅れる。


「確かに普通に戦えば今の我では貴様に勝てない、が、正攻法で貴様に挑む程、我は愚かじゃないさ」


 正拳突き、回し蹴り、胴回し蹴りと言った格闘術を駆使して魔王は攻撃を繰り出す。

 青龍は血糊で塞がれた狭い視界で何とか攻撃を躱し、風神の力を駆使して反撃を行う。


「そんなにダメージを負って、まだこれだけ動けるのか……」

「僕を舐めるな」

「舐めてないさ。……だからこそ、今のお前を負のループに落としたんだよ」

「何を──」

「──我、求めるは安寧なり。我の安寧を阻む者、それ即ち敵也……。我の手は数多の血で既に塗れている」


 今も尚、戦場では血が流れている。

 今も尚、青龍から血が流れている。

 此処は戦場なのだから。


 魔王は余裕の笑みを浮かべている。


 この詠唱を完成させてはいけない。

 全ての直感が青龍に警鐘鳴らす。


「うぁぁぁぁぁ!!!」


 こんな事になるのならば、魔王の言う通り一人で来るべきでは無かった。

 こんな事になるのならば、白虎ちゃん達と共に歩む道も残しておくべきだった。


「安寧の為ならば、我が歩む道を幾千もの血で染めよう」


 青龍の攻撃を器用に躱しながら、詠唱を紡ぐ魔王。

 もう、青龍にコレを止める手立ては無い。


「願わくば、この戦いが最期で在らん事を……。── 血で彩られた世界(ブラッディー・ノア)


 呪文が紡がれた瞬間、戦場に流された血が魔王の右手に集まり出した。

 そして、青龍の傷口からも吸われる様に血が流れ出す。


「あ、ぁぁぁぁぁぁ!!!」


 急速に奪われる血によって、青龍の意識は遠のき始める。


「お別れだ、勇者よ。他の四神の勇者も、あの世で待っているさ」


 その言葉を聞いた時、朦朧とする意識の中、大切な親友との約束を思い出した。


『お互いの幸せの為に頑張ろうね』

『……そうだね、お互い幸せになろう』


 あの日あの時、親友は青龍の幸せを願った。

 あの日あの時、青龍は親友の幸せを願った。


 此処でこんな死に方をするのは幸せなのか? ──違う、本当ならば可愛い我が子や愛しい旦那と、これから共に歩める幸せが有った筈だった……。


 ならば、どうしてこうなっているのか?

 答えは一つ。

 魔王が居るからだ。


「オマエタチ、ガ、イルカラダ!!」


 親友と別れたのも、家族(両親)に会えないのも、旦那に会えないのも、我が子に会えないのも、自分が戦わされてるのも、故郷に帰れないのも、愛刀が砕けたのも、


 コンナ、セカイ、ニ、ショウカン、サレタノモ。


「ゼンブ、オマエガイルカラ!」


 全ての理不尽は魔王が居たからだった。


 そんな思考に堕ちた青龍は、その怒りを思うがままに魔王に向けたのだった。


「── 怒りの日(ディエス・イラエ)


 戦場は青龍の怒りに支配された。

何時も見て頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ