神話創生 アトラス歴1465年【535年前】5-1
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アトラス歴1462年──。【流麗国家アビダル】で行われた大会を圧倒的な強さで優勝を果たす青龍。そして直ぐにそのまま【ファーラスト王国】へと帰還する。
人族側上層部の思惑としては、そのまま魔王の討伐を行うものと予想していたが、当の青龍は「今は無理」とだけ伝えていたとされる。
同年──。【魔王サラサ】は周辺の国々を次々に堕とし、人族を恐怖させた。
そして、進軍する魔王軍の中には神子や魔子すらも惨殺出来る、凶暴凶悪な大型魔獣、デストロイオーガの姿も確認され、それもまた人族の恐怖を煽る結果となる。
アトラス歴1463年──。中立を謳う【流麗国家アビダル】が魔王軍によって陥落。
そして、虐殺会談に加担していた貴族達は魔王自身の手によって、その全てが粛清された。
本来、勇者である青龍が駐留すると思われていた為、その責が問われる事となった。
アビダルが陥落した事により、ナギ達の目標である【神都フリューゲル】への潜入、教皇暗殺の算段はついたのだった。
あとは青龍の時を待つだけ……。
アトラス歴1464年──。敗戦が続く人類各国に朗報が流れる。
その内容は【四神の勇者】青龍に子供が生まれたとの事だった。──勇者との確かな絆と血を得たファーラスト王国は大いに喜び、国内は連日の如くパレードが行われた。
これにより【ファーラスト王国】は、今後大きな影響力を得る事となる。
アトラス歴1465年──。各国からの圧力によって青龍はアビダル陥落の責を取らされると幼い子供を残し、【ファーラスト王国】より旧アビダルに向けて出陣させられる事となった。
夫の為、我が子の為、人類の為、青龍は魔王討伐へと本格的に動かされる事となった。
魔王軍に青龍が宛てがわれる以上、ナギ達の標的、教皇クロード・プロヴィナス・カザマは青龍を使う事が出来ない状況に陥った。
──時は満ちた。
◆魔王サラサside◇
「進め、我等を阻む総てを蹂躙せよっ!」
我の言葉が戦場に響く。
「「「「うぉぉぉぉぉっ!!!」」」」
それに呼応し、魔王軍は感情を昂らせて敵兵を薙ぎ倒していく。
「四神が出て来たならば、我が相手する。他の者は直ぐに距離を取れ!」
矢継ぎ早に指示を飛ばすと、自身も戦闘態勢……詠唱を始める。
「──我、求めるは安寧なり。我の安寧を阻む者、それ即ち敵也……。我の手は数多の血で既に塗れている。安寧の為ならば、我が歩む道を幾千もの血で染めよう。願わくば、この戦いが最期で在らん事を……。── 血で彩られた世界」
詠唱を完成させ、呪文を唱えると、戦場で流された、敵味方の兵士達の血が右手に集まりはじめる。そして血は忽ちに球体状に圧縮される。
これは玄武との戦いによってヒントを得て作り出したオリジナル魔法。
その効果は玄武が使った水神・洪水神話と同じ効果だ。違いがあるとすれば、無から水をまだ作る事が出来ない魔王が、それを血で代用する事だった。
前準備として大量の血が必要ではあったが、それも数多の血が流される戦場ならば何も問題は無い。
後はこの圧縮された血の球体を、目標に向けて解放するだけなのだが……目標である勇者は未だ現れないでいた。
「……ふん。出てこないのならば、このまま進軍させてもらう!」
魔王のスキルの一つ、眷属強化によって強化された魔王軍は戦況を優勢なまま進めていた。
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次の占領予定都市目前迄来た時、伝令が我の耳に届いた。
「勇者出現! 繰り返します、勇者が出現しました!」
伝令兵より、勇者が空から我が軍を襲撃して来たとの事だった。
「魔王は我と魔獣達で殺す。──デストロイオーガ達を連れて来い」
「はっ! 我等はどの様に動けば宜しいでしょうか!」
「ラルフ指揮下の元、都市を攻略せよ」
内政が出来る者をある程度整えた為、自国の内政は全て任せ、此度の戦いは【疾風怒濤】のラルフも連れて来ている。
これにより我は目の前で暴れている勇者に集中出来る。
「さぁ、勇者共よ……我は玄武との戦いから強くなったぞ? 今の我が貴様等にどれ程近付けたか楽しみだ……フフフ」
我の感情をそのまま受け取ってなのか、右手の血が解放を今か今かと待ち侘びる様に妖しく脈動を繰り返している。
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