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俺のデバフは理を破る!〜俺が強い?違うなテメェ等が弱くなったんだよ!〜  作者: 鋼夜
一章 出会い編

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十一デバフ

更新です。


 シャークフライを墜落させた数日後、俺達は無事、エビザの港街へと到着を果たした。



 エビザでは祭りの様に活気が凄まじく、俺達は困惑する事しか出来なかった。


「なぁ、リリーナ」

「どうかしましたか翔さん?」

「この街って活気いつもこんな感じなのか?」

「確かに凄いわね」


 地球の都会と比較しても、負けてない位の活気に俺やロリはたじろぐ。


「確かに、元々活気がある街ではありましたが、流石にここ迄のは珍しいですね」

「成る程な?」


 俺が疑問符を頭に浮かべてると、


「おう、兄ちゃん! この街の英雄、大神拓哉様をモチーフにしたフカヒレ饅頭を買っていかないか!!」


 英雄、大神拓哉ね……つまり、イケメンはこの街を救ったって訳だ。

 ──ってか、英雄をモチーフにするのにフカヒレなのか? イメージが湧かん。


「こっちも、英雄結衣様をイメージしたフカヒレキャンディーもあるよ! 買っていってくれ」


 フカヒレとキャンディーですらイメージ出来ないのに、人物も混ぜ込むとか、これも異世界のセンスだな。


「何を言う! こっちだって、英雄拓哉様をイメージした、フカヒレソフトがあるよ!」


 さっきからフカヒレ縛りかよ!


 何で海産が多い町なのにフカヒレで縛る?


 あっ、でもフカヒレソフトは少しだけ気になるな。


「──どうやら大神さん達がシャークフライを倒したと言う事で、街が大騒ぎになってるみたいですね」

「そうみたいだな」


 リリーナが街のこの状況を推察したのだろう、理由を俺達に教えてくれた。


 更に街の人達に話しを聞いてみると、俺が墜落させたサメちゃんの軌道を街から逸らし、そのまま討伐したのもイケメンらしい。


 人類は劣勢の中、しかも相手は魔王軍でもかなりの強者……そして、それを討伐したイケメンとなれば、これだけの騒ぎになるのも頷ける。


 流石にこの流れで、サメちゃんを倒したのが実は俺達です! とは主張する事は出来ないな。

 むしろ、俺のサメ墜としと言う凶悪な質量兵器を処理してくれた事に感謝しかないわ。


「流石、ハーレムパーティーのイケメン主人公。皆んなからの評判も良いな」

「……大神拓哉のチームをハーレムと翔は言うけどさ、条件的に翔もハーレムパーティーの一人なのよ?」


 ロリは何言ってんだ?


 このチームはロリと妹と聖女しかいねぇだろ……。


 んっ? あれ、確かにそう言われるとハーレムだな。


「まぁ、今お前に言われる迄、俺はそんな認識が無かった」

「あんたねぇ──」

「──それにロリにはこれっぽっちもキュンとか来ないから問題無い」

「その態度、いい加減ムカつくわね!」


 ロリが俺の言葉に怒り出した。


「そんなに言うならいいわ。……だったら、貴方を私に惚れさせて死ぬ迄コキ使ってやる」


 このロリッ娘は何を言ってますか? 俺がお前に惚れる事は絶対に無い。


 ──だからこそ、俺は自信を持ってロリを煽る。


「おう、無駄な努力だとも思うが、頑張れよ」

「ムッキィーー!! むかつく!」


 俺とロリが戯れてると「わ、私も翔さんを惚れさせます!」等とファリスも入り込んで来た。


「おやおや、ファリスも参戦ですか?」


 妹属性のお前が俺の性癖を歪ませるのは大変ですぞ?


「まぁ、でも頑張れよ〜。応援だけはしておく」

「はい、頑張ります!」


 俺は一番参加して欲しいリリーナに視線だけで『参加しないの?』的な目線を送っても、そのまま謎の微笑みで返された。


 ……何その、どうとも取れる微笑み!


「皆さんは仲が良いですね。パーティー名を逢いの絆にしたのも納得です」


 何故に他人事な言い方……お前も逢いの絆のメンバーなんだぞ?


「俺たちは仲間なんだから、他人行儀な感じじゃなくて、家族みたいに接してくれ」

「……そう、ですね。今直ぐには無理かもしれませんが私も頑張ってみます」


 まぁ、俺達の中で一番最後に仲間になったし、元々は貴族だから考え方が一般人の俺達とは違うんだろう。

 気楽に話せる間柄にはなるには、もう少し時間は掛かりそうだな。


「あぁ、ゆっくりでいいから一緒に絆を深めようぜ!」


 今の俺、良い感じじゃない?


 これは俺の紳士ポイントが上昇しただろ。


「せやね」


 時折り出てくるリリーナの関西弁も新鮮だな。


 しかし、貴族である彼女は自由とは縁遠そうだし、俺達と居る時位は堅苦しいのとは無縁で居て欲しいな。


「まぁ、今日は街もドンチャン騒ぎだし俺達もこの波に乗って遊ぼうぜ!」

「「「了解」」」


 俺達はこの日、全力でフカヒレフェスを楽しみまくった。



 フカヒレフェスを楽しんだ私達は、宿に戻ると其々の部屋へと戻った。


「待ってなさいよ翔!」


 今日の私は覚悟を決めていた。


 アホ()に、お前が好きだ! と言わせる為に、私は全力でぶつかる事にした。


「あの男……絶対にギャフンと言わせてやる!」


 今の時刻は深夜。


 アホ()はとっくに部屋で寝てる時間だ。


 私は先日と同じ様に、あの男の部屋に忍び込み、秘策を使った後、一夜を共にするつもりだ。


 今回は私も本気! お気に入りの下着も着て来たし、もしもアイツが襲ってきたのなら、それをネタにして一生従わせてやる。


「それにしても本当にイライラする! 私も好きで小さな体型になった訳じゃないのに……私だって……普通の男の人と恋くらいしたいし……イチャイチャだってしたいわよ!」


 ──だけど実際、私に寄ってくるのはロリコン趣味の変態ばかり……。


「そんな奴等が寄ってくる状況でどうやって良い男を見つければ良いのよ!」


 そんな事を言っていたら、何時の間にか翔の部屋に到着していた。


「…………ゴクッ!」


 相当緊張していたのか、私の喉は意思とは関係無く鳴った。


「ヤバい……前回と違って、意識してる分、変に緊張してきたわね」


 どうしよう。


 緊張し過ぎで逆に冷静になってきた……このまま帰ろうかしら?


 いや……その選択肢は無い。


 此処で帰ったらまたアイツに馬鹿にされる!


 私の脳裏にアホ()が高笑いしてる顔が浮かぶ。──その顔を想像すると、此処で引き返すのは私のプライドが許さない。


 パンパンッ!


 自身の頬を軽く叩いて気合を入れた。


「やってやろうじゃない!」


 意を決してアホ()の部屋に侵入した。


「……お邪魔しまぁ〜す」


 一応起きてた時の為に、小さく挨拶しながら部屋に入る。

 しかし、そんな事をする必要はどうやら無かった。


 何故なら……グガァ〜〜! と大きな鼾を立てて寝てるアホ()が居たからだ。


「コイツは本当に幸せそうね……」


 何でこんなに悩みが無さそうな顔して寝てるのよ……。


 まぁ良いわ、それじゃ布団に潜り込む前に服を脱がなきゃ。


 私は寝間着を脱いで下着姿になると、前と同じ様にアホ()の隣りで横になった。

 ……これだけじゃ前回同様に、アホ()はアホだから、何やってんのお前? 的な反応だけで終わってしまうだろう。


 ──だからこそ私は、大胆にくっ付いて寝ようと決めていた。


「ハァハァ……」


 自然と乱れる呼吸、心臓も破裂しそうだ。


 日本に居る時でもこんなドキドキした事が有ったかしら?

 ……それにしても翔って結構筋肉有るのね。男の人って皆んなこうなのかしら?


 私は翔の肉体をなぞる様に触った。


「うわっ……腹筋とかバキバキじゃない……」


 何か翔の身体を触ってると落ち着く。


 もしかして、異世界に来て一番落ち着けてるかも? ……さて、何時迄もこんな事してても仕方ない。


 さっさと翔の腕を枕にして寝ましょう。


 翔の腕を取った所で私は目的の一つを思い出した。


「あっ、その前にやると決めていた秘策やらないと……」


 私はカケルの顔に自分の顔を近づけて、


「ロリは至高、ロリは神、ロリは最高、ロリは至高、ロリは神、ロリは最高、ロリは至高、ロリは神、ロリは最高、ロリは至高、ロリは神、ロリは最高、ロリは至高、ロリは神、ロリは最高、ロリは至高、ロリは神」


 私は30分程、洗脳ボイスを聞かせてから、また翔の腕を枕にして寝てやった。

 これで明日、アホ()は私に骨抜きね……。



 これが秘策と言う辺り、更科美香と言う女もアホだった……。



 何が起こってるの?


「これは一体どういう状況だ?」


 流石に昨日は記憶が無くなる迄飲んで無いから、本当に意味が分からない。


 何でロリはまた俺の隣で寝てるの?


 今回は全員分の部屋が取れたのをちゃんと確認してるからな。


「そして、何でこのロリッ娘は俺の腕に関節技を極める形で寝てるんだ? ……腕痛いから離して欲しいんだが」


 俺は鈍感系主人公では無いから此処までされたら、流石に理由に気付く。


 ロリは、この俺を亡き者にするつもりなのだ。


 俺は驚愕の真実に戦慄した。


 ……最近はロリに対する扱いが雑だったからな。


 うん、流石に少し位は優しくしてやるか。


 俺の命の為にもな!!


「もしもし、更科さぁ〜ん?」


 このままは不味いので取り敢えず起こす事にした。


「おい、ロリ起きろ〜」


 俺は空いてる手で優しく揺さぶってロリを起こす。


「んぅ〜……」


 良い加減起きて欲しいんだが……俺の極められてる腕が赤黒く変色しているから早くして欲しい。


「ん、う……んっ?」


 ……おっ? そろそろ起きそうだ。


「おはよう……」


 まだ眠そうだな。


「お早うさん、取り敢えず起きてくれると助かるんだが?」


 何で俺の腕を横で極めてるのか理由は聞かない!


 何故ならば真実を知るのが怖いからだ! 理由を聞いた瞬間、俺は亡き者にされるかも知れないし、この話題には触れない事にする。


「デュフッ」


 キモッ! 何でいきなりそんな風に笑うの? マジでコイツ怖いわ……。


「お、おぅ、今日も爽やかな朝だな? あっ……コーヒーを淹れるけど飲みますか?」


 俺はロリに敬語で話してしまう位に動揺していた。


 その動揺に何を思っってるかは分からないが、


「戴くわ、ちゃんとミルクも入れてね」


 何でドヤ顔してるんだろ……謎過ぎて怖い。


「はい、少しだけお待ち下さい」


 その後、俺達は世間話をしながらコーヒーを飲み、暫くしてからファリスやリリーナ達と合流する。


 合流した後も、ロリは謎のドヤ顔を俺にかましてきた。



 僕は何をしていたのだろうか?


「……知ら、ない天井。──こ、こは?」


 最後に見たのは確か、無能が変な笑い声を上げていた光景だった。


「先生、患者さんが目を覚ましました! 早く来て下さい!」


 患者? この人何を言ってるんだ……。


 女の人が直ぐ、白衣を着た人を連れて来た。


「自分の名前を覚えているかい? 覚えてるなら私達に教えてくれないか?」


 名前? そんなの覚えてるに決まってるだろ……。


 僕の名前は、


「鈴谷康介……」

「連れの方から聞いた名前と同じです」

「あの……此処は何処ですか?」

「君は旅の途中で冒険者のトラブルに巻き込まれて瀕死の状態で運びこまれたんだよ?」


 瀕死……。


「そうでしたか……」

「君の連れの方も大分心配していたよ」


 連れ……美香さんの事かな?


 もしも、そうなら彼女にはかなりの心配を掛けてしまったかもしれない。


 コンコンッ。


 そんな事を考えていると扉をノックする音が聞こえた。


「君のお連れさんが来たのかもしれないね」


 そうか、美香さんが来てくれたのか。


 ガチャッ!


 扉の先には、僕が思っていた人物とは違う人間が立っていた。


「康介さん意識が戻ったんですね! 本当に良かったです!」


 彼は僕が居るパーティーメンバーの深道直人君だ。


「そっか……良かった直人君も遊びに来てくれたんだ」

「それじゃ、友人とゆっくり過ごして下さい」

「あ、先生。──康介さんを助けてくれて有難う御座います!」

「それが私の仕事だよ。それじゃ、また後で状況を見に来ますから……それじゃ」


 医者も僕の友達が来たからか、気を利かせて席を外してくれた。


「康介さん! まだ痛い所とかは有りますか?」

「ん〜、後頭部がまだ少しズキズキする位かな……」


 何時迄この痛みは続くのだろうか、早く治って欲しい。


「そう言えば、美香さんは今何処に居るんです? 同じパーティーなのにお見舞いに来てくれないとか悲しくなってしまうよ」


 美香さんが来てくれれば、痛みなんて、きっと直ぐに飛んで行くのに。


「更科さんは無能能力者……いや、勇者の一人である夕凪に連れ去られたよ」


 えっ、どう言う事?


「そして、僕達の仇を打つ為に晴彦さんがアイツを追いかけているけど、暫く連絡も無いし……恐らくアイツにやられているかも……」

「なん……て言った?」


 美香さんが連れ去られた?


「アグァッ!!」


 ……ウグッ、急に、頭が……頭が痛い!


「アガァァァ!!」


 僕の頭の中にあの男、夕凪翔の邪悪な笑い声が響いてくる。


 嗚呼、アイツが全部イケナイのか……。


「康介さん、しっかりして下さい! 直ぐに先生を呼んできます!」


 医者を呼びに行こうとする直人君の腕を掴んで引き留めた。


「その必要は無いよ」


 頭の中がクリーンになっていく。


「それより僕のお願いを聞いてよ(・・・・)


 僕の能力を全力で使って直人君の心を掌握する。


「分かったよ康介さん……僕に出来る事なら何でも言ってよ!」


 フフフッ、最初からこうすれば良かったんだ……。


 待っててね美香さん! あの男を殺して必ず助けてあげるからね。



 クソ! あの野郎が俺達の装備や金を奪っていってからツキが全く無くなったぜ……。


 アイツがあんなにも強かったならもっと優しくしてやれば良かったか?


「どうするか……また新しく肉壁を捕まえてリザードマンでも狩るか?」


 俺は仲間である栗林秋斗と海沼豪にどうするか聞いてみた。


「そうだな。……でも、アイツみたいな隠れ強者みたいなのを拾って、また痛い目見たくねぇーし……」


 秋斗の言う事も尤もだ、楽に金稼ぐのも実際、肉壁捕まえて戦うのが一番楽だ。


「あれだ、一応俺達の勇者スキルも悪くないし、普通にやるのも手だぜ?」


 豪からそんな真面目な言葉が出るとは思わなかった。


「……そう、だな」


 ブォォォォン!


 俺が今後の事を考えていると、目の前の空間がいびつに歪んだ。


「おわっ!? 何か空間が歪んでる?」


 俺が訝しんだ顔でそれを見てると、歪んだ空間から二人組の男が出てきた。


「な、何だ!」


 出て来た男二人には見覚えが有った。


「やぁ、いきなり悪いね」


 確か……俺達と一緒に召喚されたオタクとリーマンのオヤジか。


「テメェ等何の用だ? 今、俺達は取り込み中だからさっさと帰れ」


 ──ったく、俺達は今後どうするか話し合ってんのによ……。


「フフフッ、話だけでも聞いて下さい(・・・・・・)悪い様にはしませんよ」


 まぁ、でも話し位は聞いてやるか。

何時も見て頂きありがとうございます。

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