神話創生 アトラス歴1462年【538年前】4-12
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◆ナギside◇
俺は感覚崩壊を使って青龍を追い詰めた。
しかし、
「──おい、やめ」
「風神・総てを喰らう嵐!!」
静止の言葉は青龍には届かず、風神の力が解放された。
「おまっ、巫山戯んなよ!」
意思を持たぬ暴風が意思を持ったかの様にその牙を俺へと向ける。
「クソがぁ!! どう考えても俺の勝ちの流れだっただろうがよ!」
慌てて回避行動を取るが、そんなのは無意味だと言わんばかりに俺の身体を風が切り刻み始める。
「──上等だよ! やってやらぁ!」
絆絶に更なる魔力を流し込む。
「俺の血肉を喰らえ絆絶!」
「まだまだ行く──跳弾」
ダメ押しに指弾までもが俺を襲う。
「──」
俺の意識での戦いは此処迄だった……。
◆青龍side◇
正直自分でも大人気ないと思っている。
風神の力を20%以上解放するつもりは無かった。
だけど、彼は僕と同じ【超越者】だ。
スキル等と言った力以外でこの強さなら間違いないだろう。
だからこそ力を解放した。──そう迄しないと彼に失礼だと思ったからだ。
いや、これは負けたくないって思う僕の言い訳だ……風神の力なんて使えば僕の勝ちは決まっていた。
なのに……目の前で繰り広げられるこの光景は何?
「──クカカカッ!!!」
ナギは嗤いながら暴風を切り裂き、僕へと突き進んで来た。
その漆黒の瞳に狂気の炎を灯し、邪魔する総てを蹴散らしながら。
「──ナギ……君は一体何者?」
頭の中に【魔王】と言う言葉が過るが、魔王は女性だと言うのが人類が持っている絶対的な情報だ。
だとしたら神子? 魔子? いや、そんな筈が無い。
レイシアの能力で人類と魔族の情報はある程度握っている。
そんな中にナギの情報等は一切無い。
「何にせよ、今は負けてあげられない」
【四神】の最後の象徴である僕が、此処で在野の戦士如きに敗北するのは、魔王の誕生で不安になっている人類を更に不安に陥れる結果となる。
だからこそ更なる力を解放し、圧倒的な力で勝利する。
「── 風神・雷神」
風を……大気を操り、圧縮した積乱雲でナギを喰らう。
この中の雷雲でナギは今、大量の雷に襲われているだろう。
「普通なら死ぬ……でも……」
ナギならば生き残る。
そんな確信が僕にはあった……。
「もしも本当に生きてたなら」
僕の背中を預けられる相棒として仲間に誘いたい。
そんな感情が僕を包んでいた。
・
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積乱雲が失せると……分かっていた事だったが、ナギが倒れている。
「……やっぱりダメだった?」
諦めの言葉が出た時、ピクリとナギの指が動いたのを僕は見逃さなかった。
「──早く彼を医療室に!」
僕が告げると同時に大地が沼の様に抓ると一瞬の内にナギが姿を消した。
「……良かった」
今の光景を見た時、真っ先に白虎の姿が思い浮かんだ。
「白虎ちゃん……生きてたんだね」
僕の不安事が一つ解消されたのだった。
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