神話創生 アトラス歴1462年【538年前】4-6
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◆マルチ・バンスside◇
「どう言う事だ! レスターが勝ち上がってくるんじゃないのか!?」
このマルチと言う男はバトルドクターを自称する戦える医者だ。そんな男が酷く焦っていた。
「ジンとレスター……青龍用に調整した物しか無いんだぞ……何なんだよあの男……」
マルチはレスターや名のある選手達の為に、用意していた緑色のポーションを手にし一人狼狽する。
「くそっ! レスターを相手にして勝つ奴を俺が普通に戦って勝てる訳ないだろ! だからと言って新しくポーションを作る時間もない……一体どうすれば……」
先程から同じ調子で思考を繰り返しているが、中々に答えが出ない。
だが、
「いや、そうか。なるべく殺さないようにって考えてるから……だ」
試合中に死んだとしても、それは事故死で済む筈だ。
「そうだ、そうだな。──それならばレスターで使う予定だった薬を調整すれば良いだけだ……次の試合迄そんなに時間が無い! 早くしないと……」
マルチは急いで薬の再調整を始めたのだった。
◆ナギside◇
俺はレスターとか言う奴をボコしてやると、そのまま青龍とナインスの試合を観るために再び観客席側に向かった。
「おう! やったな! 次の試合もアンちゃんに賭けるぜ!」
背後を振り向くと、俺を応援してくれたオッちゃんが居た。
「お、おう! 次も勝つから頼むぜ!」
「頼むぜ! まぁ、レスター戦の影響でアンちゃんのオッズは爆上がりしたから、旨味は薄くなっちまったがな!」
オッちゃんはガハハと笑いながら俺の肩をバシバシと叩いて来た。
「マジか! そりゃ、皆様の期待に応えてやるしかないな」
「しかし、アンちゃん次の対戦相手のマルチはあのジンも倒す相手だし油断すんなよ?」
「任せろ任せろ!」
俺とオッちゃんが暫く話してると、
「ちょっと良いか?」
その声に俺は振り向くと、其処には次の対戦相手であるマルチが居た。
「俺に何の用だ?」
俺は内心で、やっぱり接触してきたと毒付いた。
「いや、あのレスター相手に勝利したアンタに挨拶をしようと思ってな……」
「そうか、そりゃ律儀な奴だな」
「君は神子なのかい? 神子に勝つなんて余程の実力者なんだな」
「俺は一般人だよ。まぁ、普通の人よりかは修羅場は潜り抜けてるがな」
「……そうか、私もそこそこ修羅場を潜り抜けてるんだ。──ならば次の試合は良い試合になりそうだ」
そう言うと、マルチは右手を差し出して来た。
「……」
露骨過ぎだろ! 握手する手に毒でも仕込んでるんだろ? だけど、まぁ……。
「宜しく!」
俺はその手を握ってやった。
案の定、手の平にチクッと何かが刺さる。
「それでは、私は君との試合の為に準備をしてくるよ」
「……あぁ、よぉ〜く準備してこいよ?」
毒なんて下らない物、俺には通用しないしな! 準備は万全にしとけよ!
「さて、折角話してたのに悪いなオッちゃん! 青龍の試合一緒に見ようぜ!」
「あ、あぁ……それは良いんだが……アンちゃんも準備しないで良いのか?」
「いらんいらん余裕余裕!」
魔王の心臓は毒素を分解してくれる優秀な内蔵ですから!
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そして、青龍とナインスの試合を観たが、案の定圧倒的な強さでナインスを降した青龍。
「まぁ、何も疑ってなかったが流石の勇者だな…….」
「アンちゃんもマルチに勝ったら青龍様と戦うんだろ? 勝てるのか?」
「どうだろうな? でも、勝てないにせよ退屈な試合にはさせないぜ?」
「そうか……折角の縁だしな! アンちゃんが決勝に行ったら、またアンちゃんに賭けるぜ!」
「おう! 期待に応えられる様に頑張るぜ! って訳で、まずはマルチを倒してくる!」
俺はそう言うとオッちゃんを背にして控え室に向かう。──背後からの「頑張れよ!」ってオッちゃんの声援に手をヒラヒラさせて返してやった。
「さて……まずはクズ野郎を教育してやるか」
力を行使する事を躊躇無くヤレそうな相手に、俺は邪悪な笑みが思わず出てしまった。
応援のお言葉ありがとう御座います!
現在Twitterにログイン出来たり出来なかったりなので返事はお返し出来てませんが、大変嬉しく思います。
100話も超えましたが、これからもチマチマと更新して行きますので今後もお付き合い下さいませm(_ _)m
それと、更新がストップしていた33歳対魔師も現在修正中で修正が終わり次第最新話を更新していきますので、其方も宜しくお願いします!




